アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

タニウツギ、ショウキウツギなど - スイカズラ科

2023-05-11 16:28:08 | みんなの花図鑑
タイトルでは全部まとめてスイカズラ科としていますが、最後のショウキウツギを除いてほかは全部タニウツギ属(Weigela)です。
そしてタニウツギ属はスイカズラ科からタニウツギ科に変更されました。


オオベニウツギ

学名:Weigela florida
タニウツギ属の学名は Weigela で、これはドイツの植物学者 Christian Ehrenfried von Weigel に由来します。
種小名の florida は「花が満開の」という意味だそうです。(園芸植物「オオベニウツギ」より)




同属のタニウツギ(Weigela hortensis)は、北海道、本州に自生しますが、オオベニウツギは、中国原産です。




花色も濃紅色だけでなく、ピンクから白に花色が変化する品種や葉に斑が入るものもあります。






タニウツギ?

安城デンパークの花木園で見たものですが、ちょっと樹名板を見つけそこないました。なので、タニウツギの仲間としておきます。




タニウツギの学名は Weigela hortensis
属名の Weigela は英語読みすると[ワイギーラ] (「ギ」にアクセント)ですが、学名はラテン語読みするので [ウェイゲラ]となります。前掲の通りドイツ人 von Weigel に由来します。

またぞろぶり返しますが・・・
Weigel さんはドイツ人なので、「ワイゲル」または「ヴァイゲル」さんとお呼びするのでしょうから、属名 Weigela も 「ワイゲラ」または「ヴァイゲラ」のほうが適当かとも思われますが・・・





「花冠は淡紅色、漏斗形、長さ3~4㎝で、先が5裂する。蕾は色が濃い。観賞用の花の色が濃いものはベニウツギと呼ばれている。」
(三河の植物観察「タニウツギ 谷空木」)





ベニウツギ ’Abel Carriere’


樹名板には Weigela に「ウェイゲラ」とカナが振ってありますが、 Weigela はタニウツギ属のことです。



上掲のとおり(タニウツギ Weigela のうち)「観賞用の花の色が濃いものはベニウツギと呼ばれている」ので、ここでは ベニウツギ 「アベル・キャリエール」とカタカナ表記しておきます。








ベニウツギ 'Red Prince'

同じくタニウツギの園芸品種で 赤が濃い園芸品種「レッド・プリンス」です。












ベニウツギ

このタニウツギも安城デンパーク・花木園にあったものですが、樹名板が見当たりませんでした。




タニウツギの仲間でも赤色が濃い園芸品種なので「ベニウツギ」と読んでおきます。









ハコネウツギ

これまで見てきた園芸品種に比べるとシンプルですが、北海道南部から九州にかけて分布するタニウツギ科タニウツギ属(Weigela)のハコネウツギです。
これだけは 安城総合運動公園で撮りました。




「「ハコネ」と名前に付きますが箱根に自生種は少なく、よく似た花を咲かせるニシキウツギ(Weigela decora)を誤認したものと考えられています。」(ガーデニングの図鑑「ハコネウツギ」より)



花の色は、咲き始めは白で、咲き進むと紅色へと変化するのがハコネウツギの特徴です。






ショウキウツギ

安城デンパークの2か所で撮ったショウキウツギです。
ショウキウツギのほうが分かりやすいと思うのですが、1か所の解説板にはこんな説明が載ってます ↓





解説板によれば、
「名前:コルクウィッチア・アマリビス
 学名:Kolkwitzia amabilis



 スイカズラ科 落葉性低木 中国原産



 和名はショウキウツギといい、中国中部の標高の高いところに自生しますが、安城市のような低地でも元気に大きく育ちます。
 公園や街路に植栽されるスイカズラ科のアベリアに近縁なため、似た形の花を咲かせますが、アベリアの花より大きく見ごたえがあります。」(以上、解説板より)




ショウキ(鍾馗)というのは、5月人形に使われる、魔を除き疫病の悪神を追い払うという神さまのことで、あごひげがあるのが特徴です。



このショウキウツギも花後に見えるヒゲが特徴で、この名前が付いたと思われます。



もちろんヒゲは花のときも付いていたのでしょうが、花弁に隠れて見えにくかったのです。




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「ウツギ」って、どこの「ドイツャ」?!

2023-05-10 16:00:00 | みんなの花図鑑
ウツギ ’ロザリンド’

5月5日、安城デンパーク・花木園にて

樹名板には
 Deutzia x elegantissima 'Rosealind'
 デウィッツィア ’ロザリンド’
 アジサイ(ユキノシタ)科
  園芸品種
と書いてありますが・・・




Deutzia というのは 属名で「ウツギ」属のことです。
いわゆる「卯の花」すなわち「ウツギ」の学名は Deutzia crenata です。
それはいいのですが・・・
属名の Deutzia はどう発音したらいいのでしょうか?




上の樹名板では Deutzia を 「デウィッツィア」と表記していますが・・・
なんだか学名の綴りとカタカナ表記が一致してるように見えません (´・ω・)




悩むのは私だけではないようで、かつて 「教えて!goo」にも質問がありました。
-----------------------------------------
deutzia
↑ どのように発音するのでしょうか?
-----------------------------------------

最初の回答はこうでした ↓
-----------------------------------------
カタカナ読みで・・・
「ドイツィア」と呼んでます。
deutz=ドイツです。
-----------------------------------------

季節の花300「空木(ウツギ)」にも
-----------------------------------------
Deutzia(ドイツァ)は、
 植物学者 ツンベルクさんの後継者の、
 オランダの「Deutz(ドイツ)さん」の
 名前にちなむ (18世紀の人)。
-----------------------------------------
とあります。

同じく
---------------------------------------
学名のDeutzia(ドイツァ)は、オランダの植物学者ヨハン・ドイツの名前から、それとcrenata(クレナータ)という葉っぱが主の植物と合わさって名付けられました。
---------------------------------------
という記事もありました。(花言葉.net 「ウツギの花言葉と由来」)





2つ目の回答はこうでした
----------------------------------------
英語です
「ドゥーツィア」または「ドューツィア」
語源は
Jan Deutz (18 世紀のオランダの植物学研究の後援者)
+-ia(動植物分類の属名の語尾)




ひとり置いて4人目の回答はこうでした
---------------------------------------------
学名はラテン語と決まっているのですが、アメリカでは英語読みされることが多いようです。
ラテン語読みすれば [デウツィア] です。
ただ、英語の文章の中で出てきたのなら英語読みしてください。
---------------------------------------------




ただ George と書いても 英語では「ジョージ」でしょうが、仏語では「ジョルジュ」、独語では「Georg ゲオルグ」、そしてオランダ語なら「Joris(ヨリス)」です。
Deutzia が ラテン語でなくオランダ語の「Deutz」由来のものなら、オランダ語での読み方に合わせたほうが良いのではないでしょうか?


などと・・・
調べていたら、いつのまにか予約投稿の時間を過ぎていました(ToT)

実は本題は Deutziaを何と読むかでなく、 Deutzia(ウツギ属)には「ウツギ3兄弟」と言って雄しべの花糸の形が異なる3種類のウツギがあったのです。
ウツギ、ヒメウツギ、マルバウツギがそれですが、ウツギは今年まだ見てませんので、代わりに今しがた挙げた デウツィア’ロザリンド’と、これから挙げるヒメウツギ、そして最後のマルバウツギの雄しべの花糸を観察してもらってどう違うのかを発見してもらえませんか!(^^)!
答えは今夜 記事の最後に書き込みます。
では どうぞよろしくお願いします (^_-)-☆



ヒメウツギ(その1)

安城デンパーク



ヒメウツギの学名は Deutzia gracilis



学名 Deutzia gracilis の 発音(日本語 英語)は こちらにあります












ヒメウツギ(その2)

4月12日、伝馬通り(岡崎市)





















ヒメウツギ(その3)

4月14日、上条町(安城市)




























マルバウツギ

5月5日、安城デンパークにて

























ウツギ3兄弟の花糸の形状
お待たせしました。ウツギ3兄弟の花糸の形状の特徴です。
まず3者共通ウツギ3兄弟の花の一番の特徴は 「雄しべの花糸が幅広く、翼状になっていること」です。

つぎに、
「花糸の翼の形がウツギ、ヒメウツギ、マルバウツギでそれぞれ違う。
ヒメウツギでは、翼の上端が角(ツノ)のように突き出している。
ウツギはほぼ四角であり、マルバウツギではなで肩になっている。」
(松江の花図鑑「ウツギ(空木)」より)
これが答えです。

参考 ウツギ ’マギシェン’


花糸は ヒメウツギ型のようです。



ウツギ

ただし、ウツギが「ほぼ四角」と言っても 実際には・・・
(2019-5-31 愛知県緑化センター)



花によっては ヒメウツギみたいに突き出してるものや・・・
(2020-6-11 愛知県緑化センター)



花糸の先端とは別の位置に葯がついているものまで いろいろあります。
(2019-5-31 愛知県緑化センター)



ウツギDeutzia x hybrida 'StrawberryFiels'












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シャクナゲなど - ツツジ科の花

2023-05-09 16:00:00 | みんなの花図鑑
ツツジ科の花を集めてみました。ツツジ属(ロードデンドロン)だけでなくツツジ科ですから、意外な植物も出て来ます。

シャクナゲ

「シャクナゲ (石楠花、石南花) は、ツツジ科ツツジ属 (Rhododendron) 無鱗片シャクナゲ亜属、無鱗片シャクナゲ節の総称である。」(wiki)





「アンナ・ローズ・ウィットニー」という名の園芸品種です。(安城デンパークの花木園にて)


















ミツバツツジ

学名: Rhododendron dilatatum







ミツバツツジとよく似たコバノミツバツツジとの違いの一つは、ミツバツツジの雄しべは5本ですが、コバノミツバツツジの雄しべは5本以上(長いおしべ5本、短い雄しべ5本)あることです。









ツツジ

彦左公園(愛知・幸田)
名前が分かりません。三河の山でよく見るツツジです。




キリシマツツジかも?
としたら、
学名:Rhododendron obtusum





ツツジ

愛知県緑化センター
名前が分かりません。



もしかしたら、モチツツジ?
としたら、学名:Rhododendron macrosepalum
「モチツツジは,ミツバツツジの仲間より,少しだけ花の色がやさしい感じで,少しだけ花が大きく,少しだけ花期が遅い。」(いがりまさし【植物検索・撮れたてドットコム】「モチツツジ」)






ドウダンツツジ

愛知県緑化センター



学名:Enkianthus perulatus










アセビ

学名:Pieris japonica






















アメリカイワナンテン


学名: Leucothoe axillaris
















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イロハモミジなど - カエデ属の花

2023-05-08 16:00:00 | みんなの花図鑑
イロハモミジ

この画像は4月8日、彦左公園(愛知・幸田)で撮ったものです。




きょうは5月8日なので、この画像はちょうど一か月前の画像ということになります。




イロハモミジの花は雌雄異花で、一本の同じ木に雄花と両性花の両方が咲きます。




プロペラのような翼を出しているのが両性花で、雄しべを放射状に伸ばしているのが雄花です。




つまり、こちらが雄花で・・・




こちらが両性花です。




両性花の中心からは雌しべの花柱がプロペラのような翼を左右に伸ばしその先にヒツジの角のような柱頭を伸ばしているので、近くに寄ってみるとよくわかります。






イロハモミジ ’赤の七五三’


こちらは イロハモミジでも ’赤の七五三’ という園芸品種です。
愛知県緑化センターで4月18日に撮りました。
ハナムグリが訪れています。



赤七五三品種は葉の切れ込みが深いため、イロハモミジとはまるでちがう葉をしています。




けれど、花は特に変わっているように見えません。
雄花が多く写っています。
一般にカエデ属は雄花が先に開花し、遅れて両性花が開く順番になっているようですから、これから両性花が咲きだすのでしょう。






トウカエデ

愛知県緑化センターで 4月18日に撮りました。
ハナアブが訪れています。



前の画像をトリミングしてみました。
トウカエデもカエデ属ですから、雌雄同株の雌雄異花です。
ハナアブの近くの花が雄花で、その左上手の3つが両性花のようです、ヒツジの角のような柱頭が写っています。




樹高が高くちかくによれないので、アーカイブから花がよく分かる画像をピックアップしてみました。
(以下、おととし4月14日 柳川瀬公園(豊田市)で撮った画像です。)



雄花です。
花弁より長い雄しべが目立つのが雄花です。



両性花です。
両性花はでは雄しべは花弁より短いままです。





ハナノキ

ハナノキは長野県、岐阜県及び愛知県の県境地域と長野県大町市、滋賀県の一部地域にのみ自生する日本固有のカエデの一種です。
ハナノキはカエデの仲間(カエデ属)ですが、雌雄異株です。
こちらは雄株に咲いた雄花です。
去年3月24日、北野廃寺(岡崎市)で撮影した雄花です。




こちらは3月11日愛知県緑化センターで撮影した雄花です。



雄花は花後に落下し、地面は赤い絨毯と化します。




こちらは雌花です。花の咲き始めでしっかり柱頭が見えます。




雌花の受粉が終わり、柱頭が脱落し翼果が成長を始めました。




翼果です。翼の色がピンクに染まっていて文字通り「花の木」です。



おなじくハナノキの翼果です。





イロハモミジ 翼果

ここからは 雌花の花後の観察(鑑賞?)です。
5月4日、安祥城址公園(安城市)で撮影しました。




カエデ科の果実は翼果です。
翼果をよく見ると 竹とんぼのように翼が水平の種類とカタカナの「ハ」の字のように垂れさがっているのがあることが分かります。




太平洋岸でよく見るのは イロハモミジとオオモミジですが、
イロハモミジの翼果の両翼は水平に出ていて、オオモミジはカタカナの「ハ」の字のような恰好をしています。

イロハモミジとオオモミジ - どう見分ける?








オオモミジ? 翼果

このカエデは名前が分かりません。
上と同じ日、同じ場所で撮影したものです。



葉はこのように真っ赤で、鋸歯が鋭く葉先が尖っているのでオオモミジかと思いました。



ただ、オオモミジの翼果は翼がカタカナの「ハの字」のようになっているのがふつうなので、判別が難しいです。





ノムラモミジ 翼果

こちらは名札があるので、ノムラモミジです。ノムラモミジは園芸品種で、葉が出来たときから赤いです。









ベニシダレモミジ?

これも名札がないので名前が分かりませんが、ご覧のように切れ込みの深い長い葉がしだれています。













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ベニバナトチノキ、トチノキ、マロニエ

2023-05-07 16:00:00 | みんなの花図鑑
昨日のシャリンバイは 「白花でも紅花でもシャリンバイでいいじゃん」なんて言いましたが、このトチノキになると紅花のほうが断然 華やかになります。

ベニバナトチノキ

4月23日、5月5日、安城デンパークにて



トチノキは背の高くなる木です。花は高いところに咲き、望遠レンズを持ってない私はやむなくコンデジの望遠側で証拠写真だけを撮ってよしとしてます(´v_v`)




こちらは一眼で撮った同じ花です。花弁の色がコンデジとすこぶる違います。




ヨーロッパ原産の西洋栃の木 (セイヨウトチノキ)と北アメリカ原産のアメリカ紅花栃の木(アメリカベニバナトチノキ)の交配種である。(みんなの花図鑑「ベニバナトチノキ [紅花栃の木]」)




紅色には濃いものから薄いものまで幅がある。(同上)




雄しべが花の外に突き出している。(同上)









トチノキ

ここからはアーカイブで、このトチノキは安城デンパークの秘密の花園のトチノキの高木です。




例によって、コンデジの望遠側で撮っています。




1~2センチの白い4弁花が鈴なりにつく。 花穂は上を向いていて大きいので、花の季節には遠くからでもトチノキだとわかる。 花は蜜源となる。(みんなの花図鑑「トチノキ [栃の木]」)




学名:Aesculus turbinata
属名の Aesculus はラテン語の「aescare(食う)」からきている。実を食用にしたり家畜の飼料にしたりすることから名づけられた。 種小名の turbinata は「倒円錐形の」という意味である(同上)





トチノキ

同じくアーカイブで、柳川瀬公園(豊田市)のトチノキの花です。いまではこのように低い枝の花には近づくことが出来ません。




「5~6月に咲く花はソフトクリームやシャンデリアに喩えられる」(庭木図鑑 植木ペディア「トチノキ」)



「春から初夏にかけて、上向きに円すい状の大型の花を多数咲かせ、ミツバチやハナバチ類の蜜源になる。」(森と水の郷あきた「樹木シリーズ⑳ トチノキ」)



「秋、クリよりもツヤヤカで大きい実をたくさんつける。デンプン質が豊富で、天日乾燥させると10年以上長期保存できることから、縄文時代から食用として利用されている。」(同上)






セイヨウトチノキ(マロニエ)

「西洋栃の木 (セイヨウトチノキ)はフランス語名のマロニエとして親しまれている。」(みんなの花図鑑「ベニバナトチノキ [紅花栃の木]」)




花の時期にはちょっと早すぎました。
4月18日、愛知県緑化センターにて
「マロニエの名はフランス語名の Marronnier からきている。 パリでは街路樹として植えられ、「マロニエの並木道」が有名である。」(みんなの花図鑑「マロニエ」)

Marronnier の名の由来
マロン(クリ)に由来する言葉。 マロニエの果実が、クリに似ている(又は、クリとして用いられていた)ことにより、クリの実から作られることで有名な「マロングラッセ」という菓子も、古くはマロニエの実が使われていたようです。 (Amebaブログ「《マロニエ》ってどんな意味??」)




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白でもピンクでも - シャリンバイ

2023-05-06 16:00:00 | みんなの花図鑑
私、また、大きな勘違いをしていたようです。
冒頭のピンク色の花弁のシャリンバイですが、以前これを取り上げたとき、「私はこれからこのピンク色をしたシャリンバイをオキナワシャリンバイと呼びます」と宣言していたのですが、どうやらそれは誤解だったようです。

シャリンバイ

その話題はあとにして、まずよく見る白い花弁のシャリンバイです。




葉が丸いのでマルバシャリンバイ?
いいえ、シャリンバイの葉はみなマルバで、こんな風ですよ
(マルバシャリンバイやタチシャリンバイと区別していたこともあるが現在では区別しない。)(三河の植物観察「シャリンバイ」)




咲き始めの花は混りっけなしの白です。




植わってる場所ですが、たとえば、こんな風に植えられています(安城総合運動公園・名鉄沿線)。

積極的に花を楽しむ木というよりは、丈夫な性質を見込んで道路沿いの目隠しや植えつぶしに使うことが多い。背丈もあまり大きくならないため、高速道路の中央分離帯など、維持管理に手間をかけたくない場所に植えられる。(庭木図鑑 植木ペディア「シャリンバイ」)




「学名は以前はRhaphiolepis umbellataとされていたが、現在ではRhaphiolepis indicaに含めるか、あるいは変種とされている。」(三河植物観察「シャリンバイ」)
属名の Rhaphiolepis は rhaphis(針) + lepis(鱗片) より(語源辞典)。
旧種小名の umbellata は 「散形花序の」の意。
新種小名の indica は 「インドから」の意。




5弁花で、花弁は、先端が丸いものと尖り気味のものがあります。




雄しべはたくさん(20前後)あります。
雌しべは1本ですが、花柱は2裂します。






ベニバナシャリンバイ

さて本題の、花弁がピンクのシャリンバイですが・・・
はじめてこの花を見たとき、Google Lens で検索して何回聞いても「モッコクモドキ」と言ってきたのが勘違いの初めでした。

シャリンバイ、オキナワシャリンバイ - 樹に咲く花14
へぇー、「モッコクモドキ」という特別の名前があるんだ、と思い、さらに検索したら「別名 オキナワシャリンバイ」とあって、
てっきりピンクの花弁のシャリンバイを「オキナワシャリンバイ」と言うんだと勘違いしたのでした。




たとえば、こんなふうに植えてあります(安城総合運動公園)




あるいは別の場所ではこんな風に植えてあります(とある遊歩道にて)。
最近の人気で、小学校の生垣にも使われています。




白も含めて総称シャリンバイのことを「モッコクモドキ」と呼ぶ地方があるんですね




しかしシャリンバイとモッコクとでは多少葉に似たところがあるにしても、花も実も全然違うので「モッコクモドキ」なんてイカサマみたいな名は、私としては絶対却下です。(ウンナンオウバイのことをオウバイモドキと呼ぶのも許しがたいことです。なぜそう簡単にモドキで済ますのでしょう あさってから新型コロナはインフルモドキって呼びますか (´v_v`))




まあそういうわけで、赤でも白でもシャリンバイはシャリンバイですが、強いて名前をつけるなら
「ベニバナシャリンバイ」
としておきましょう。

「【シャリンバイの品種】

・ベニバナシャリンバイ

 ほんのりとピンク色をした花が咲く品種。」(庭木図鑑 植木ペディア「シャリンバイ」)





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オオツルボとオオアマナ - キジカクシ科

2023-05-05 16:08:00 | みんなの花図鑑
オオツルボ(シラー・ペルビアナ)

このオオツルボと後に出て来るオオアマナはキジカクシ科の多年草です。
キジカクシ科というのは面白い名前ですけど、キジカクシの学名は Asparagus schoberioides で、アスパラガス(正確には和製アスパラガス)のことです。アスパラガスの細かい葉がキジが隠れるほどに茂る様に由来します。




このオオツルボは最近では「シラー ペルビアナ」と呼ばれています。(実は私もシラー ペルビアナがオオツルボとも言うことはこの記事をアップするまで知りませんでした)




シラー ペルビアナ は Scilla peruviana
学名’Scilla’を’シラー’と読んでこの名前があるのですが、読み方違いで’スキラ’と呼ぶこともあります。(ヤサシイエンゲイ)
属名のScilla シラーまたはスキラの名はギリシア語のスキロー(skyllo:害になる;有害)に由来すると言われています。地下茎部分が有毒であることから付けられた名前です。




種小名の peruvianaは 「「ペルーの」という意味で、スペインからイギリスに持ち帰った船の名 The Peru に因む。」(私の花図鑑 - FC2による)




花は真ん中に雌しべ、それを6個の雄しべが星形(6角形)に囲む特徴的な構成をしています。




雄しべの花糸が(ふつうは花糸と呼ぶくらい細いのですがこのオオツルボでは)雌しべの子房と同じくらい太いのです。




この花の咲き方はつぎのオオアマナとよく似ています。




とくに白花の場合は、「あれ?オオアマナ」というくらいよく似ています。






オオアマナ(オーニソガラム・ウンベラタム)

白花のオオツルボとよく似ていると思ったけれど、こうして比較してみると、やはり違いは歴然としています(´∀`)
雄しべの花糸がオオツルボのように膨らんでいません。大きいけれど 扁平です。




それから、雌しべのほうも、オオツルボはつぼ型の子房でしたが、オオアマナのほうは 6つに分室しています。




オオアマナは学名から「オーニソガラム・ウンベラタム」とよく呼ばれます。
学名:Ornithogalum umbellatum
属名の Ornithogalum は、 ギリシャ語の 「Ornithos(鳥) + gala(乳)」が語源。(「季節の花」)
種小名の umbellatumは、「 散形花序の」に由来するらしい。(語源辞典)
私は道端でこの花をはじめてみたとき時期から言って「ハナニラの豪華版」と思いました。
(ハナニラとオオアマナはよく似た花ですが、もっと大きな違いは、ひとつの花茎にたいしてハナニラがひとつの花のみなのにたいして、オオアマナは分枝して多数の花をつける点です。)




掲示板に質問したときいただいた回答の一部です
「日本で良く見られるオーニソガラムの小型種には、ウンベルタムと、近縁種でウンベルタムにそっくりなテヌイフォリウムとがあります。(中略)
確か、ウンベルタムの方は和名がオオアマナで、テヌイフォリウムの方はホソバノオオアマナだったと記憶しています。でも、とても紛らわしい事に両者の特徴を比べてみるとウンベルタムの方が葉が細くテヌイフォリウムの方がホソバと呼ばれるのに逆に葉が広くて、つい混乱してしまいどれがどれだか解らなくなりやすいです・・・。」




アマナとホソバノアマナはユリ科で名前通りに甘菜、食用になるけれど
オオアマナとホソバオオアマナはキジカクシ科で毒草。
紛らわしい名前は誰が付けたのだろう。
おまけにオオアマナ、ホソバオオアマナの区別は葉では難しい。
(以上、 gooブログ HAYASHI-NO-KO「ホソバオオアマナ(大甘菜)? 」のコメントより)



葉で区別できないと・・・
どこで区別するのだろう?

先ほど雌しべの子房が(オオツルボは一体にみえるのに対し)オオアマナの子房は6つに分室している (↑) といいましたが・・・
ホソバオオアマナは「果実の稜が2個ずつ組になっている」特徴があるようです(東京大学 日光植物園「ホソバオオアマナ」 )。



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目に青葉、紅葉(べにば)、紅花

2023-05-04 13:30:00 | みんなの花図鑑
「目に青葉」は初夏の季語ですが・・・
きょうは「目に 紅葉(べにば) 」を集めてみました。

スモークツリー

於大公園(東浦町)にて













ノムラモミジ

愛知県緑化センターにて













ハゼノキ

愛知県緑化センターにて







あまり紅くはなかったですね





ニワウルシ?

これも、名前が分かりませんが、若葉がキレイだったので、ついでに・・・
愛知用水前山ダム公園(常滑市)にて













ベニバスモモ

愛知県緑化センターにて







果実です(安城デンパークにて)



全盛期の花です(安城デンパークにて)





最後は 紅葉(べにば)でなく ベニバナ(紅花)を・・・
ベニバナトチノキ

安城デンパークにて



















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何をいまさら スウィートピー

2023-05-03 13:30:00 | みんなの花図鑑

表題の「何を今更スウィートピー」ですが・・・
この花を「スイトピー」なんて呼んでませんでしたか!(^^)!




「スイトピー」でググろうとすると、「スイートピー」に直して検索してくれます。
それもそのはず「スイトピー」では意味不明なのです。




ではその「スイートピー」とは何か?
なぜ私は「スウィートピー」と呼ぶのでしょうか?




「赤いスイートピー」という歌がありますが、英語に直すと「red sweet pea」となります。
sweet pea とは、匂いが良いという意味のsweet とエンドウ(豌豆)を意味するpea の合成語だったのです。





問題はsweet をカタカナ表記するとき、なぜ「スイート」にしたのか?ということです。
皆さんは Whisky(または Whiskey)を「イスキー」とカタカナ表記しますか?




あるいは OSのWindows ® を「インドウズ」とカタカナ表記しますか?




Whisky はウィスキー(またはウイスキー)ですよね
Windows は ウィンドウズですよね
「スイート」と表記したら suite のことになります。suite は「一式」という意味です。




「甘い」「匂いが良い」のsweetは、「スウィート」とカタカナ表記してください。

スウィート・ピー (Sweet pea, 学名:Lathyrus odoratus)
マメ科レンリソウ属の植物。
イタリアのシチリア島原産の一年草で、有毒植物。日本では主に観賞用として栽培される。





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四月の木に咲く白い花

2023-05-02 14:00:00 | みんなの花図鑑
タイトルは、ほんとは「咲く」でなく「咲いていた」なんですが・・・
今年はあまりに早く一斉に咲いたので、そもそも撮れなかった花や撮ってもお蔵入りになっていた花がたくさんあります。
もう5月ですが、そういう木の花から白い花だけをまとめてアップです。


コデマリ(バラ科)

4月18日
愛知県緑化センターにて














シジミバナ(バラ科)

4月23日 安城デンパークにて















アズキナシ(バラ科)

4月18日 愛知県緑化センターにて















⇒カマツカ

4月13日 竜美ヶ丘公園(岡崎市)にて




すみません、この木は名前分かりません。
翌年、カマツカと判明しました。




お蔵入りしていたのですが、上のアズキナシに似ているので、思い直してアップしました。




カマツカの仲間かもしれないですね
カマツカそのものでした。







アキグミ(グミ科)

4月18日 愛知県緑化センターにて




吸蜜に訪れている虫は、ロックガーデン前の花壇のワスレナグサにもいたビロードツリアブです。











フジ(マメ科)

4月23日 安城デンパークにて
















ソフォラ・ダビディ(マメ科)

この木なんですが、ハギのような葉でおそらくマメ科だろうというところまでしか分かりません。
Google Lensで検索しますと、クララ属とか、ガレガソウ(フレンチライラック)などの名を挙げてきますが・・・




ということでしたが、自分の過去ログを見返したら、
ソフォラ・ダビディ マメ科
と樹名板のあった時代がありました。
おそらくこの木を言ってるのだと思います。




4月23日 安城デンパーク 先ほどのシジミバナの横にて






ヒトツバタゴ(モクセイ科)

4月29日 堀内公園(安城市)にて














ミツバウツギ(ミツバウツギ科)

4月29日 堀内公園(安城市)にて
















エウスカフィス・シネンシス(ミツバウツギ科)

4月1日 安城デンパークにて



つぼみの状態では ぜんぜん白くありません。










もう少しすると、このような花を咲かせます。







秋にはこんな(ゴンズイに似た)果実をつけます。





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