明治ラグビーが生んだ名選手である元木由記雄選手(38歳)が、今季限りで引退すると発表されました。
大工大高校では二年生・三年生と連続で高校ジャパン。
明治に入学してすぐにセンターでレギュラーとなり、19歳で日本代表入り。
神戸製鋼でもチームの主力として活躍を続け、日本代表のキャップ数79という金字塔を残しました。
彼が明治に入学してきたときの第一印象は強烈でした。
マイク・タイソンのような面構えと強靱な身体。
早稲田が仕掛けるタックルを蹴散らして力強く突進する姿は、まさに人間離れした鉄人という感じでした。
また、彼が四年生で主将となりマイクの前に立つ機会が増えると、彼の思慮深い語り口と、時折見せる優しい笑顔に感心させられたりもしたものです。
写真は、1993年度の大学選手権決勝で決勝トライを決めた天野選手を迎える元木主将です。
このトライも元木の突進がきっかけとなり生まれたものでした。
天野選手の過去記事へのリンク
その試合で、一年生ながらも元木主将と並んでセンターを務めた三輪選手(高鍋高校)が、現在所属する九州電力のWEBサイトで、元木主将への憧れと尊敬の念を語っています。
三輪選手のコメントへのリンク
その中に、元木選手本人から三輪選手に宛てた、素晴らしいメッセージがあります。
大学を卒業して10年以上もたつ三輪選手をして「素晴らしいと感じる選手は多くいるものの、尊敬できる選手は元木さんだけ」と言わしめる、元木選手の強いリーダーシップ、スケール感、そして温かみのある人柄が良く伝わってくる内容です。
是非とも皆様にも読んでいただければと思います。
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これまでチーム最年長で頑張ってこられたとのこと、本当にお疲れ様でした。
明治大学で共に優勝を経験できたことは私にとっても非常に良い思い出です。
私が三輪を一年生ながら、春からのシーズンを通してずっとレギュラーとして使い続けたのは、彼が「逃げない選手」だったから。
普段は寡黙であまり口数も多くないけれど、とてもタフで芯が強い。
特にディフェンスが持ち味で、センターのコンビで隣にいて非常に頼もしく思っていました。
あのシーズンの明治は、本当に仲間に恵まれたと思っています。
試合に出る選手はもちろん、試合に出ない選手も、一年生から四年生まで本当に一丸となってチームの勝利に一生懸命貢献してくれました。
そんな良い意味で緊張感のある厳しいチームにあって、やはり皆の気持ちを背負って試合に出るのは、自分の持ち場をきっちり守って、逃げない選手である必要がありました。
三輪はまさにそういう選手。
いい仕事をしてくれて本当に感謝しています。
これまで、その時々のターニングポイントで吸収したことを、これからも是非活かし続けてください。
私も頑張ります。
元木由記雄
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文章に込められた明治ラグビーの誇り、主将としての使命感、そして後輩への深い愛情。
元木選手は、本当に素晴らしいラガーでした。
大工大高校では二年生・三年生と連続で高校ジャパン。
明治に入学してすぐにセンターでレギュラーとなり、19歳で日本代表入り。
神戸製鋼でもチームの主力として活躍を続け、日本代表のキャップ数79という金字塔を残しました。
彼が明治に入学してきたときの第一印象は強烈でした。
マイク・タイソンのような面構えと強靱な身体。
早稲田が仕掛けるタックルを蹴散らして力強く突進する姿は、まさに人間離れした鉄人という感じでした。
また、彼が四年生で主将となりマイクの前に立つ機会が増えると、彼の思慮深い語り口と、時折見せる優しい笑顔に感心させられたりもしたものです。
写真は、1993年度の大学選手権決勝で決勝トライを決めた天野選手を迎える元木主将です。
このトライも元木の突進がきっかけとなり生まれたものでした。
天野選手の過去記事へのリンク
その試合で、一年生ながらも元木主将と並んでセンターを務めた三輪選手(高鍋高校)が、現在所属する九州電力のWEBサイトで、元木主将への憧れと尊敬の念を語っています。
三輪選手のコメントへのリンク
その中に、元木選手本人から三輪選手に宛てた、素晴らしいメッセージがあります。
大学を卒業して10年以上もたつ三輪選手をして「素晴らしいと感じる選手は多くいるものの、尊敬できる選手は元木さんだけ」と言わしめる、元木選手の強いリーダーシップ、スケール感、そして温かみのある人柄が良く伝わってくる内容です。
是非とも皆様にも読んでいただければと思います。
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これまでチーム最年長で頑張ってこられたとのこと、本当にお疲れ様でした。
明治大学で共に優勝を経験できたことは私にとっても非常に良い思い出です。
私が三輪を一年生ながら、春からのシーズンを通してずっとレギュラーとして使い続けたのは、彼が「逃げない選手」だったから。
普段は寡黙であまり口数も多くないけれど、とてもタフで芯が強い。
特にディフェンスが持ち味で、センターのコンビで隣にいて非常に頼もしく思っていました。
あのシーズンの明治は、本当に仲間に恵まれたと思っています。
試合に出る選手はもちろん、試合に出ない選手も、一年生から四年生まで本当に一丸となってチームの勝利に一生懸命貢献してくれました。
そんな良い意味で緊張感のある厳しいチームにあって、やはり皆の気持ちを背負って試合に出るのは、自分の持ち場をきっちり守って、逃げない選手である必要がありました。
三輪はまさにそういう選手。
いい仕事をしてくれて本当に感謝しています。
これまで、その時々のターニングポイントで吸収したことを、これからも是非活かし続けてください。
私も頑張ります。
元木由記雄
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文章に込められた明治ラグビーの誇り、主将としての使命感、そして後輩への深い愛情。
元木選手は、本当に素晴らしいラガーでした。