がんばれ百貨店

今朝、開業したばかりの横須賀線・武蔵小杉駅を見ました。
まだ早朝の６時台でしたが、けっこうな数の通勤・通学の人がホームに並び、順調な滑り出しの様子。
関係者の方々は、ホッとされていらっしゃるでしょう。
一方、私は武蔵小杉駅を過ぎた辺りからウトウトと眠ってしまい、新日本橋まで一駅乗り過ごしてしまうという月曜日となりました。
＾ロ＾;

さて昨日、東京・吉祥寺の伊勢丹が閉店しました。
新聞記事へのリンク
時代の趨勢とは理解しつつも、伊勢丹は若々しい街・吉祥寺を代表する存在だと思っていたので、ちょっとショックです。

ある経済誌に、日本の百貨店の店舗別売上げベスト20が載っていました。

1位：日本橋三越本店（年商2兆3千億円）
2位：伊勢丹新宿店（同じく2兆3千億円）
3位：阪急うめだ本店（1兆6千億円）

以下、西武池袋本店、高島屋横浜店、高島屋東京店、東急百貨店本店、高島屋大阪店、東武百貨店池袋本店、松坂屋名古屋店、そごう横浜店、近鉄百貨店阿倍野本店（ここまでが年商1兆円以上）

そして、JR名古屋タカシマヤ、小田急百貨店新宿店、岩田屋（本店+久留米店）、高島屋京都店、阪神百貨店梅田本店、京王百貨店新宿店、大丸神戸店、大丸大阪・心斎橋店（年商7千億円）がベスト20なのだそうです。

ちなみに今回閉店された吉祥寺の伊勢丹は年商２百億円前後ぐらいと新聞記事にありますから、同じ伊勢丹の新宿店と比較すると、十分の一未満なんですね…

こうやってみると、東京：8カ店、大阪：5カ店、横浜・名古屋各2カ店、福岡・京都・神戸が各1カ店という分布となっており、百貨店が大都会を代表するビジネスであることが分かるとともに、いくつかの主要駅周辺で壮絶な過当競争が繰り広げられてることが感じられます。

また、東京都内でいえば、デパートの老舗が集まっているという印象のある上野や銀座の影が薄いことが個人的に意外でもありました。

元々、この業界の雇用吸収力が地域経済で果たしていた役割が大きかっただけに、地方都市の商業施設の不振は、地域の雇用情勢の悪化と地域経済の不振、そして建物を賃貸していた地方公共団体の第三セクターなどの経営悪化に更に拍車をかけています。

私自身の生活を振り返ると、確かにデパートを訪れる機会は激減しました。

子供時代は、家族と一緒によくデパートへ買い物に行きました。

買い物を終えるとデパートの最上階にある食堂で食事をして、屋上の小さな遊園地で少し遊んでから家路につくというのが、かつての典型的な休日の過ごし方でした。

学生時代は少しデパートが疎遠になりましたが、就職して銀行マンになってからは、デパートでスーツを定期的に新調したり、ビジネスシューズやカバンを買っていたものです。
また、デパートの経理部に懇願されて、自分自身でイージーオーダーの背広を一度に６着注文したという思い出もあります。
銀行預金の総合口座が、大幅なマイナス残高になりましたけれど。
(T_T)

しかし、外資企業に転職してからは、お客様と会う予定がなければカジュアルなファッションで出勤しても構わないという環境となりました。

したがって、スーツやビジネスシューズがとても長持ちするようになり、購入する頻度は以前の何分の一という感じだと思います。

最近の通勤電車の中でもカジュアルファッションのビジネスマンが普通になってきましたから、恐らく外資系でなくても、様々な業種で背広離れが進行しているように思います。

また、スーツの量販店が積極的に攻勢を仕掛けてきましたから、低価格でスーツを買うことができるようになりました。

私が就職した時代には、若手行員向けに背広購入のための社内融資制度があったぐらいですから、何といっても高い買い物だったのです。
デパートや紳士服の専門店が繁盛していた時代です。
※ 私よりも一回り上の先輩の時代には、就職して数ヶ月間、学生服を着て勤務している新入行員が珍しくなかったそうです。

デパートに行かなくなったもう一つの理由は、デパートがあるようなターミナル駅周辺は渋滞が激しいですし、デパートの駐車場の台数も限られていることです。
マイカーで出掛けるときは、駐車しやすい郊外の商業施設で買い物を済ませてしまうことが多くなりました。

なお、法人相手の外商部門も、苦戦しているはずです。

あらゆる点で、百貨店のビジネスモデルが古くなっていることは間違いありません。
個人的には、三越や高島屋、あるいは日本の老舗旅館の接客技術は世界に通用するレベルだと私は思っているので、そこに軸足を置いたビジネスモデルは、十分に競争力があると思うのですが。

苦しい局面ですが、日本のデパートには何としても頑張り抜いて欲しいです。