さよなら三角 また来て四角...日本編☆第二章☆

オーストラリアから10年ぶりに帰国。特別支援教育に携わりながら
市民農園・家庭菜園に励んでいます。

お薬

2015年01月30日 13時53分25秒 | Web log
介護施設の看護師としての仕事に「Medication Administration 投薬管理」
があります。

おひとりおひとりに処方されたお薬を間違いなく飲ませる仕事です。

認知症、老化による記憶障害などのため自分で服薬ができなかったり、
嚥下障害があったりするために、看護師がサポートしてお薬を
飲ませてあげるお仕事です。

20人近いレジデントさんに多種多様の薬を間違いなく服用させるために
わたしもダブルチェックは欠かしません。

先日のお話ですが、認知症のレジデントさん2人から薬を拒否され、
四苦八苦をしました。

投与しないわけにはいかないし、かといって無理やり飲ませるわけにも
いかないし、説得を試みても理解してもらえないし.....

本人が状況をわかった上で拒否するのは、本人の意思ということで
もちろん尊重するのですけれども、状況を把握できない状態で
本人が「嫌だ」と言ったとしても、それを鵜呑みにするわけにも
いかず....

すりつぶしてもよいと医師から許可を得ている錠剤に関しては
すりつぶしてチョコレートシロップに混ぜて口にいれるというのが
常套手段なのですが、それでもだめだった場合は本当に途方に暮れます。

とくに抗精神病薬で精神状態をコントロールするお薬などは、
スキップすると色んな障害がでてくるので、なんとか飲んでもらえる
ようにと願うわけです。

そして2人の投薬が終わるまでに2時間かかりました。

説得もだめ、口にスプーンでお薬を入れようとしたけれど、それもだめ
砕いてチョコレートシロップに混ぜて、なんとか成功。
そして二投目も同じようにチョコレートシロップに混ぜたのですが、
再度拒否。

最終的には、レジデントさんの好きなイチゴムースに砕いた薬を
チョコレートシロップに混ぜたものをムース用のスプーンに載せ、
自ら口に運ぶように仕向けました。

キッチンスタッフが色々と協力してくださって、「ムースと一緒は
どうかしら?」と提案してくれたので本当に助かりました。

そのとき「いつもね、無理やり薬を口に入れ込まれるから、本人に
とっては薬の服用がトラウマになっているんだと思う。」とキッチン
スタッフがつぶやきました。

そうかもしれません。そうじゃないかもしれません。
本当のところは誰にもわかりません。

でもお薬をあげる私たち看護スタッフは誰もがなんとか服用させようと
必死だということはよくわかります。

無理やりというのは私には抵抗がありますが、薬を飲ませてあげるのが
本人のため...と思って仕事していますから、「無理やり」になってしまう
のも理解できます。

本人は認知症なのでどれだけ状況を理解しているのか、わかりません。

でも、嫌がっているのを無理やりという形でなく、簡単かつスムーズに
飲んでもらえる方法ってないんでしょうか???

Australia Day

2015年01月27日 13時48分21秒 | Web log
昨日はオーストラリア・デー。

1788年にイギリスからの最初の船が到着した日だそうで、毎年、オーストラリア・デーには
盛大な花火があがり、オーストラリアという国をお祝いします。

去年と同じく、South Perth の 川沿いにある Sir James Mitchell Parkに
行ってピクニック。

色んなイベントが催されていましたが、わたしたちも一緒にいった友人も子供たちも
みんなちょっと疲れていたので、ピクニックしながらみんなでおしゃべりに花をさかせ、
花火が始まるまでの数時間、川からの涼しい風に吹かれながら、のんびりとした時間を
過ごしました。

そして今日は、ジョナサンが友達DくんとAくんと3人でAdventure Worldに行っています。
Dくんも、Aくんも年下なのですが、年齢関係なく遊べるっていいなぁと思います。
ベンジャミンもジョナサンの友達と仲良しで、オンラインでゲームしたりすることも
あるし、そういう関係っていいですよね。

ジョナサンがいないので、ベンジャミンは友達と家で遊んでいます。

最近忙しいので、ちょっとお疲れモードの私。

マイクが出張から明日帰ってくるので、うれしいです。

Adventure World へ行ってきました

2015年01月25日 11時53分06秒 | Web log
昨日は子供たちを連れてパース唯一のウォーターテーマパーク「Adventure World」
に行ってきました。

到着したときには、唯一しかも週末ということもあって、沢山の人が入場ブースに
並んでいまして、それを見ただけで「もう帰ろう」なんて気持ちになりましたが
駐車場に車を停めて、ゲートに向かったらあっという間に人が減っていました。

あぁ、よかった。

現地で友人家族(2組)と待ち合わせていたので、総勢で12人が集まりました。

ジョナサン含め、大きい男の子たちは最初はベンジャミンとHくんの面倒を
みてくれていましたが、その後は彼らだけで単独行動。

わたしと友人はベンジャミンとHくんの見守り隊。

ベンジャミンは臆病なので Adventure World が苦手でした。

シンガポールのユニバーサルスタジオで絶叫系に開眼して以来、少しだけ
前向きになってきまして、昨日も色んな乗り物に挑戦していました。
同じ年齢のHくんが一緒だったからというのもあるかと思います。

ベンジャミンが少しづつ変わっていくのをみるのは、本当にうれしいものです。

そして、私もベンジャミンやHくんと一緒に乗り物に乗りましたが。
以前のように楽しめない...

スリルが不快に変わってきています。めまいがしたり、気分が悪くなったり、
体が受け付けなくなってきているようです。

悲しい....

それでも Adventure World の絶叫系は 一つを除いて全部挑戦しましたけど。
回転系はちょっとだめですね。吐く可能性大。
なんとか克服する方法ないんでしょうか?

ま、それはさておき朝の10時半から閉園の7時までいたら、くったくたに
なりました。

パースは午後からフリーマントルドクターという海から内陸に向かって
風が吹くんですけれど、それが結構、体にくる。

体をかなり冷やすんですね。気温は30度まで上がったようですけどね。

最後はブルブルしていました。

子供たちは寒くない!と言って、最後までウォータースライドで何度も何度も
遊んでいましたけど。

楽しい1日でした!

心と身体

2015年01月23日 12時25分03秒 | Web log
Dさんのお話

汚い話が苦手な人はスルーしてください。

引継ぎのときに「Dさん、5日間排便がなかったので座薬を提案しましたが
拒否されました。」と報告がありました。

気になったので引継ぎシートにメモ。

そしてシフトが始まって一時間ほどして、介護師が「Dさんが座薬を欲しがっているんですけど」
と報告に来ました。

夜勤担当の話では拒否したという話だけれど、気が変わったのかな?
と思って、ほかに血糖値を調べて、インシュリンを投与しなくちゃいけない急ぎの仕事が
あったのですが、ちょっとだけ様子を見るためにお部屋を訪れました。

私「どうしましたか?」というと

Dさん「5日間も排便していないの。夜、座薬が欲しいって言ったんだけれど
座薬がないって断られたの。気分が悪いから、なんとかして」

私「そうですか、わかりました。」

Dさん「いつ持ってきてくれるの?」

私「いま、他のレジデントさんにしなくちゃいけないことがあるので、それを済ませたら
すぐ戻ってきます」

Dさん「本当?みんな「すぐ戻ってくる」とか「後でくる」とか言って、戻ってきた試しがないわ。
みんな嘘つくのよ。」

私「わたしは必ず戻ってきます。メモに記入しましたから忘れません。(ここで、Dさんに
赤いボールペンで記したメモをみせる)信じてください」

Dさん「わかったわ。じゃ、後でね」

急いで、二人のレジデントさんのBGLを調べてインシュリンを投与して
薬棚で座薬のあり場所を調べましたが、見当たりません。
他の棟に急いで行って、ストックされた非常用の座薬をだしてもらい
Dさんの元に行って座薬を挿入。

私「薬が早く効くといいですね」

Dさん「どうもありがとう」

これで聞いてくれたらよかったのですが、しばらくしてDさんの様子がいつもと違うと、介護士さんが
報告にきてくれました。朝、座薬をあげたときと比べると、意識が朦朧としているようだし、言葉も
はっきりしていないし、息子を呼んでくれ!家族を呼んでくれ!と言います。

食事も拒否、薬も拒否。

家族が到着。Dさんが動けないので、介護士さんが2人係りでシャワーの代わりに体をお湯で濡らしたタオルで
体を包み込んで、マッサージをしてあげて、出来る限りのケアをほどこしました。

褥創のケアもあったので再びDさんのところを訪れると

Dさん「わたし、死ぬのかしら?」と言います。

私「だいじょうぶですよ。まだ座薬が効いていないようだし、排便できなくて不快でしょうから
それが影響しているんだと思います。排便できたらすっきりして、きっと元気になると
思いますよ。もうちょっと待ちましょうね。」

といいつつも、みんな、ざわつき始める。いつもオフィスにいるベテランの看護師Mさんもやってきて、
血圧を測ったり。

私が「何かできることはないんでしょうか?カテーテルのバッグもかなり汚れているし、UTIの可能性
(尿路感染症でせん妄を引き起こす)とか、ないんでしょうか?」

Mさんは「血圧も下がってきているし、私たちができることはないわ。彼女の体がどれだけ戦えるか
どうかね。彼女の体が限界にきているのであれば、それに従うしかないのよ」

と言います。

息子さん2人が到着。続いて、義理の娘さん、お孫さんが到着。

なんとか、排便を促すために、プルーンジュースを飲ませますが、それでも反応なし。

でも、家族がみんな集まってくれたからか、徐々にDさん元気を取り戻してきました。
話す言葉もしっかりしてきました。

8時に服用するはずだった薬もなんとか11時に服用完了。

一時はどうなることやらと思いましたが、なんとか持ちこたえた様子。

わたしのシフトが終わる3時ちょっと過ぎに、座薬&プルーンジュースの効果が!

家族に会って元気を取り戻して、身体も心も腸もすっきりしたDさんでした。

スポーツジムに行ってきました。

2015年01月22日 21時29分51秒 | Web log
スポーツジムのお試し券があるから、行ってみない?と言われて
昨日、行ってきました。

腕の筋肉とか、胸筋などを鍛えるマシーンとか、
ランニングマシーンとか、ローイングマシーンとか、
ペダルエクササイザーとか試して一時間ほど
遊んでみました。

暑くなってきたのでジョギングはお休みしていますが、
泳いだりして2日に一回は体を動かすようにしています。

そして今回気がついたのは、ちょっと体を動かしただけで
すぐ汗をかくようになった、ということです。

体にいい変化がでてきたのかな?と思います。

そして働いた次の日は必ず泳ぎに行くように心がけています。

すると疲れが不思議と残らないんですね。

疲れたときには逆に体を動かして、筋肉をほぐしたほうが
私にはいいみたいです。

胸の痛みと酸素吸入

2015年01月21日 08時25分48秒 | Web log
Jさんのお話。

Jさんが早朝から胸の痛みを訴えていると引継ぎで報告がありました。

Jさんの既往症は

虚血性心疾患
冠動脈疾患
血管疾患

と、ありました。

朝の4時、6時と舌下錠 LYCINATE(ニトログリセリン)を服用させたと報告が
ありました。

わたしが7時に出勤してすぐ、7時半の段階で再び胸の痛みを訴え、
薬を出して欲しいと訴えているとのこと。

医者の指示書に服用の上限が書かれていないので、服用させても大丈夫なのだと
思いますが、3度目の服用ということもあって、薬がさほど効いていないのか?
と思いました。

緊急性を伴う強い痛みではなさそうだけど、発作に発展する可能性もあるし、
ドクターに報告したほうがいいのか、ほかに何かやるべきことがあるのか、
RN(シフト責任者の正看)に報告。

酸素吸入をしましょうとの指示。

酸素5Lでおよそ5分間の酸素吸入。

Jさんの胸の痛みがぴたりと止まりました。

心配だったので、その後も何度か様子を確認しましたが、胸の痛みを訴えることもなく
「痛みは消えた」とのこと。

ほっとしました。いい勉強になりました。

いいシフトでした

2015年01月20日 16時57分10秒 | Web log
今日は朝のシフトに入って、働いてきました。

今日のシフトは楽しかったです...

書くと長くなるのでやめときますけど、本当にいい時間を過ごせました。

家族じゃないんだけれど、定期的にPさんに会いにくるというご友人とちょっと
話す機会がありました。

娘さんかな?と思ったのですが、どうも家族ぐるみで長い間お付き合いしてきた
ご友人だそうです。Pさんよりもかなり若い女性でした。

Pさんのことを心配してらしたので「娘さんですか?」というと
Pさんの家族は2週間に一回くるか、来ないか。なんだか可哀想で一週間に一回は
必ずご主人と顔を出すようにしているとのこと。

そのご友人「Pさんは、亡くなったご主人もそうだけれどすごく素敵な人なの。
なのに家族に省みられなくて、可哀想でしょ。不公平だわ!」と話してくれました。

家族のことは部外者にはわかりませんから、なんとも言えません。

ただ、Pさんのことを思って毎週訪れる彼女の行動に私は深く感動しました。

関係ないとか、身内じゃないとか、忙しいとか、理由をつけて疎遠になることのほうが
簡単なのに....彼女はPさんのために時間を捧げて訪れている。

Pさんは幸せだなぁと思いました。

そして、その女性に「あなたは素晴らしい人ですね」と言った途端、涙がこみ上げてきて
しまい、それを見た彼女も釣られて泣きそうになって、お互い「これはやばい」と
思ったのか、お互いすぐに「じゃぁ、また」と言って、その場を立ち去りました。

悲しいこともあるけど、隠れた宝石のように静かにキラキラ輝いているひとと出会えたり、
ちょっとしたことでレジデントさんの表情が変わっていくのをみると本当にうれしくなります。

現場は忙しいですからレジデントさんが色々我慢していることもあると思います。

ので、少しでも彼らの声や気持ちに耳を傾けてあげたいと思う私でした。

The Last : Naruto The Movie をみてきました

2015年01月18日 13時28分22秒 | Web log
昨日は、プールに泳ぎに行って、それから子供たちを連れて The Last : Naruto The Movie を
観て来ました。ナルトが好きなジョナサンのリクエスト。

以前、Comic-Conに行った時に、ナルトの登場人物のコスプレを楽しんでいる人をたくさん
みかけたし、日本のアニメの中でも、海外ではナルトが結構人気だということは知っていましたが...

観客は会場一杯。

私にとってはひさびさの日本語の映画でした。

日頃、サブタイトルを読むことが多いので、どうも日本語の音声に馴染めず、最初は自然に
サブタイトルを追ってしまっている自分に気づいて。あほな私。

約2時間、楽しく観させてもらいました。

ナルトファンで一杯の会場だったわけですが、面白かったのは会場のリアクション。

映画が始まると歓喜の声が沸きあがり。

面白いところで笑いが起こるのは、まぁ、当然として。

切ないシーンになると、Ahhhhhhh とか

告白のシーンでは、ヒューヒューとか、拍手とか、ひやかしの声とかが
会場一杯に。

観客がナルトとその他の登場人物にかなり感情移入している様子。

あたかも現実世界で告白の証人になっているかのようなリアクション。

ほかの映画では、そういうリアクションをみたことがないので、会場に集まった人は

かなり熱狂的なファンなのでしょうね。

映画もよかったですが、観客の面白い反応をみて、ダブルで楽しめました。

それにしても、日本のアニメは質が高いですね。

登場人物の感情の動きを細かく、クローズアップして徐々に盛り上げていくように
表現しているのは日本的だなぁと思いましたし、映像もきれいだったし、水墨画的な
要素も取り入れられていて芸術度も高いと思いました。

ひなたは、奥ゆかしい女性として描かれているようですけれど、おくゆかしいという言葉ですが

奥+ゆかし から来ているんですね。

ゆかし=「行かし」で、行ってみたい→心魅かれるさまを表現していて、その奥にある
何かに心惹かれる状態をいうそうです。

でしゃばらず寡黙で深い思いやりが随所にみられるけれど、ひけらかさず、
それが魅力的と思われる女性を「奥ゆかしい」っていうんでしょうけど、
概して、西洋の文化ではあまり気に留められないことかなと思いますね。

こちらでは言葉でアピールしないと理解してもらえませんから。

「始めに言葉ありき」で、言ったもん勝ち。

「言わなくてもわかってもらえる」とかいう考えはまず一般では通用しないことが多いです。

Shy(はずかしがり)というのもあまり肯定的に捕らえられません。

ので、奥ゆかしくて恥ずかしがりやなヒナタは、外国人(西欧人)には受けないのではと思うのですが。
ま、そういう人が好みだという人もいるでしょうけれどね。

どちらかというと、さくらのほうが、さっぱりしていて、はっきりいうし、強いし
人気なんじゃないかな?と、私は推測します。

ま、大したことじゃないですけど。

アンドリューソロモン:ゆるぎなき愛

2015年01月17日 12時57分58秒 | Web log
Andrew Solomon: Love, no matter what


先日、偶然 TED Talkで発見しました。素晴らしいスピーチなので興味のあるかたは是非視聴してみてください。

1960年代後半、アメリカで同性愛は治療に値しない不知の病とみなされていました。ダウン症は人間ではないと思われていました。

50年のときを経て、同性愛もダウン症も社会的に容認されつつあるのは非常に素晴らしいことだと思います。(まだまだ差別意識は残っているかと思いますが。)

わたしたちの心には「普通であること」を喜び、「普通でないこと」を忌む気持ちがあります。これは至って普通のことかと思います。

ましてや、自分の身近な存在が先天的な障碍、病気、あるいは特質を持っていると、それを嘆き、あるいは否定し、避けよう、あるいは変えようと努力します。

特に病気などの場合は治癒を信じて前向きに取り組むのは大切ですし、多くの研究者が不治の病を根絶すべく、研究に取り組んでいることも素晴らしいことだと思います。

ただ仮に、変えられない何か(一見ネガティブな要素をもつと思われるもの)があった場合、それを「個性」として受け入れ「ありのまま受けいれる」と
いう思いを持ちたいものだし、そういう気持ちがあってこそ見えてくるものがあるだろうと思います。

不完全な欠点だらけの自分も含めて。

そしてそれが人生をより深く価値あるものにしてくれると信じています。

目が訴える

2015年01月16日 11時46分28秒 | Web log
昨日もある介護施設の施設で働いてきました。

その施設は始めてではないのですが、前回は別の棟に派遣されたので、
レジデントのみなさんにお会いするのは、はじめて。

5時のお薬をあげに棟を巡回。そのときにお会いしたのがJさん。

いくつかの病気を抱えていますが、2年前に脳卒中の発作を起こした
ことが原因で言語活動が不自由。

ゆっくり話そうとするのですが、私にはチンプンカンプン。

なんとか、わかろうと何度も聞くのですが、話すのもしんどいらしく
息絶え絶え。

でも、なんとかわかって欲しいと目で訴えます。

Jさんの場合、体が不自由であるからといって、知的活動が衰えているか
というと全くそうではないようで、むしろ訴えようとする
思いは強く感じます。

ので尚更、わたしもつらくなってきます。

でもひとつだけ「ヘッドフォーン」は分かりました!

ヘッドフォーンが床に落ちていたんですね。そして、ヘッドフォーンを
付けてテレビを観たかったようです。

ヘッドフォーンを拾ってあげて、耳につけてあげたら、
親指で「Good job」サインをくれました。

とてもうれしかったです。

わたしは「この」一瞬のために働いているんだよな...

その後、またJさんがなにやらお部屋でうめいているのですが、何を訴えているのか
さっぱりわかりません。そして近くに当直の看護師Yさんがいたので、Jさんが
何かを訴えているんですけど...というと

Jさんは、部屋のドアが開いているのが嫌なのよ..と就寝時間が近かったので
部屋の明かりを消し、ドアを閉めたらうめき声は留まりました。

「Jさんの訴えを判ってあげられなくて、申し訳ないです..」というと

「Jさんの奥さんですら、わからないことが多いのよ。そうするとね、Jさんが
落ち込んじゃってね。とても可哀想なのよ。」と話してくれました。

英語は私の母語ではないので、普段の生活でも言葉の壁は厚いですが、老人と
接するときには更にその壁の厚さを痛感します。

分かってもらえない孤独。

なんとかしてあげられればいいのですが...

手がかりを模索しています。

署名

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