さよなら三角 また来て四角...日本編☆第二章☆

オーストラリアから10年ぶりに帰国。特別支援教育に携わりながら
市民農園・家庭菜園に励んでいます。

クリスマスと銃社会

2012年12月25日 11時45分39秒 | Web log
今日はクリスマスですね。

クリスマスの朝はいいですね。
前日からの子供たちの期待が一気に爆発します。

大喜びの子供たちを見るのが楽しみな私です。

引越しのあれこれで忙しい私たちですが、昨日、そして今日と
二家族にディナーに招待していただきまして、クリスマスを過ごします。

こちらに親戚がいない私たちにとっては、そんな思いやりがとっても身に沁みます。

さて

先日、アメリカの小学校で銃の乱射事件がありましたね。
亡くなった幼い子供たちそして、体を張って子供たちを守るために犠牲になった
先生たちに哀悼の意を表したいと思います。

しかしその後もアメリカでは銃による犠牲者が後を断つことはありません。

マイクは「これだけの悲惨な事件が起きても尚、より厳しい銃規制を求める声
よりも、アメリカ国内での「銃規制は必要ない」という声がネットで沢山
見られることに、失望する」と怒りまくっているのですが

コントロール不能なほどに銃が出回りすぎているという現実。

撃つか? それとも 撃たれるか?

銃をもってる人が攻撃してくる可能性がゼロにならない限り
自衛手段を持たないなんで具の骨頂、という理屈なのかなぁと思います。



「ミッション」という映画を思い出しました。

スペイン統治下の南米パラナ川上流域で先住民グアラニー族へのキリスト教
布教に従事したイエズス会宣教師のお話。

スペインとポルトガル両国によって南米領土の国境線引きが行われ、イエズス会布教地区は
ポルトガル領に編入。イエズス会の宣教師たちは撤退を命ぜられます。

が、グアラニー族と行動をともにすることを選択した宣教師たち。

メンドゥーサという宣教師は暴力で、
ガブリエルという宣教師は非暴力で抗戦。

この対照的な二人の行く末が映画の中で描かれるのですが、その映画を観たときに

相手が暴力で迫ってくるのだから、暴力で対抗するのもあり得る。
無抵抗で「勝つ」見込みもなくただ死んでいくのは無駄死になんじゃないか?

と考えている自分を否定できませんでした。

しかし、「汝の敵を愛し許せ」と説くキリスト教の宣教師として、剣をもって敵に立ち
むかうのは有りなのか?とも思いました。

わたしならどちらを選ぶか?

そう自問するときにどちらも選択できない自分がいることに気付きました。

さて

こんな悲惨な状況になってもなお、銃規制に反対する声があるのは、現実問題として
銃のない社会の実現は不可能と思っている人が多いからかなと思います。

「武装して襲ってくる敵の前で無駄死にしたくない。愛するものを守るために
なんとか応戦したい。」

映画「ミッション」のガブリエルのように「非暴力、無抵抗、不服従」でやられるくらいなら、
ぎりぎりのところで、メンドューサのように戦いたいと思うほどアメリカ社会の銃による暴力は
自分が「死ぬか生きるか」を迫られるほどに深刻な状態なのかと。

YouTubeでアメリカを代表する有名人たちが
Demand A Plan to End Gun Violence
という動画で銃の規制を訴えています。

そしてこの動画に対して、"Like"を上回る人が"Dislike"をクリックし、彼らを「偽善者!」
とネットで批判している....これがアメリカの現実なのです。

不動産事情

2012年12月17日 10時42分21秒 | Web log
こんにちは。

今日から子供たちの夏休みが始まりました。

予想すらしていなかった「引越し」がありますので、前半はパッキングと移動と
アンパッキングと掃除等で終わってしまうでしょう。

さて

日本からこちらに引っ越してきてから8年が経とうとしております。

こちらに来たとき初めて借りたお家は週、確か$275だったと記憶しております。

で、今は$500。

今の家の契約を更新したら$550まで値上がりする予定でしたので
およそ2倍に跳ね上がっています。

こちらで家を借りたら

3ヶ月に一回、査定が入る。
そのときに、家をチリ一つない状態にしないといけない。

査定のときに台所にちょっとした沁みでも残っていようものなら
ケチをつけられます。

それだけでもかなーり面倒。

で今回、私たちが借家を追い出されることになった理由は、大家が家賃を
法の規定を超えて値上げしたかったからと思われます。

通常は、家賃の10%を超えては値上げできないと法律で決まっております。
が、貸借人が出て行けば、その後の値上げは持ち主の思いのままです。

で、インターネットで新しい賃料が 20% 跳ね上がったことが発覚しました。

そーだったんだぁ。

お家賃もきちんと払っていたし、特に追い出される理由もこちらとしては
見当たらない。

とんでもないボロボロのシャンデリアにクレームをつけたら
それを取り外して、裸電球一個に切り替えたという過去を持つようなオーナー
ですから、まぁ、お金だけが目的なのはよくわかります。

でも、残念ながら、それでも借り手が見つかるでしょうから.....

日本のバブル期を彷彿とさせるような勢いのパースです。

ま、家を貸したらテナントに家をめちゃくちゃにされたという話しも
よく聞くので、貸し手保護の傾向が強くなるのもわかりますが、
それにしても、私たちにも生活があって、特に子供の学校に影響が
及ぶとかいうことを考えると、家を追い出されるというのは、
色んなところに影響が及ぶわけです。

でも、そんなこと知ったこっちゃないんですよね。

ま、幸い友人が住んでいた家(すぐ近く)を個人的に借りることになり
結果的にはよかったのですけどね。

禍福は糾える縄の如し.....人生ってそういうもんですよね。

変な天気のパースです

2012年12月14日 14時16分22秒 | Web log
今週は子供たちの年末クラスパーティがありまして
持ち寄りパーティなので、照り焼きチキン&ツナマヨの巻き寿司を
2度作りました。

せっせ、せっせと。

子供たちがおすしが好きなので、ほぼ毎日作っているので
パーティーだからといって大した作業でもないのですけどね。

合間にクリスマスのプレゼントのラッピングとか、カードを書いたりとか
私の学校がないだけましです。

先日、暑くなってきましたーなんて書きましたが、その後
サイクロンがやってきたり、急に寒くなったり、変な天気です。

乙女の心のように変わりやすい、アップダウンが激しい
パースの天気。

さて、

人が大勢集まるところが実は苦手なわたしですけれど、まぁ、
頑張って気合入れていくわけですよ..... 子供のために。

でも、気合入れていくとそれなりの収穫もあったりして、
ベンジャミンがよく口にしていたけれど、顔と名前が一致しなかった
男の子(Jくん)のお母さんと初めてお会いしまして。

私は学校に行ってるし、彼女は働いているしということで、
全くお会いするチャンスがなかったんですね。

たまたま、仕事の合間を抜けてパーティに顔を出した彼女。

で、隣の別のお母さんに、あの人だれかしら?と聞いたら
Jくんのお母さんだということだったので、これはチャンス!と
自己紹介させていただきました。

とってもフレンドリーでいい人だった!

ベンジャミンが好きという子はジョナサンと反対で
大抵、大人しいというか穏やかな子が多く、Jくんも
そうです。

そして、お母さんも中々感じのいい人でした。

これも頑張ってパーティに顔をだした努力の賜物です。

あぁ、行って良かった。

っていうか、行く前からなんの根拠もなく「行きたくナーい」と
自分で自分に先入観を植え付けてしまう私も私なんですがね (-_-;;

小休止

2012年12月11日 09時04分28秒 | Web log
日本は寒くなってきたでしょうねぇ。

オーストラリアはジリジリと暑くなって参りました。
いよいよ夏到来だなぁという感じです。

子供たちの学校も来週の火曜日で終わります。そして、
クリスマス、ニューイヤーと行事が続きます。

近くにあるショッピングモールに行くと、ものすごい人です。

日中でも、全ての年齢層の人が買い物しています。

日本だと平日の日中なんて主婦、老人がメインですが、
こちらは何故か、若いお父さんとかも結構うろちょろしているんですね。
不思議です。

オーストラリア、特にWestern Australiaは 昔の日本のバブルを彷彿とさせるくらい
景気がいいんだろうなぁと思います。

で、1月末まで子供たちも、私も学校がないのでゆっくりとお休みします。
言っても、子供たちが退屈するでしょうから、あちこち連れていかないと
いけないんですけれども。

この休みの間も看護の勉強の補強をしないといけないし、まぁ、やることは
てんこ盛りということで。

今年は自分が学校に通い始めたということもあって、本当にあっという間に
終わったような気がします。

特に8月あたりからずーっと忙しかったですねぇ。

車盗まれたり、課題がたくさんで週末返上で勉強しまくったり、
日本に帰国したり、その後も課題に追われ、そして実習に突入。
ジョナサンもT-Ballと野球に追われて、休みが欲しいと嘆いております。

で、もうすぐ引越しもしないといけないし(涙)

体調も戻ってきたことだし、気持ちを引き締めて頑張ろう.....オーッ!

実習後 思ったこと

2012年12月10日 08時32分42秒 | Web log
先週の記事は長めの記事が多くて、失礼いたしました。

3週間の実習が終わりまして、その後の一週間は体調が悪かったこともあり
放心状態が続きました。

いろいろ思うことはありますが、実習生である私たちが去った後も、毎日毎日
レジデントさんのお世話をしているケアラーさんたちは、すごいなぁと思います。

あの施設には10年以上も働いている人がたくさんおられます。

私が偉そうなことを言ったとしても、結局3週間限定の話。

切り取られた短い時間の中では見えてこななかったケアラーさんとレジデントさんの
深い絆のようなものもあるでしょうし。施設は家族のようなもの。そう思います。

良いところも、悪いところも全部ひっくるめて、それでもお互い支えあって
助け合って生きている。

金曜日に学校に全員集まり、実習の総まとめのようなものをしました。

ケアラーさんたちへの批判にやや集中し「 お金のためだけに来てるのよ!
「仕事」になっちゃだめなのよ。もっとレジデントさんのために働かないと 」
と批判する人もおりました。

ある意味、もっともだと思います。

でも、毎日毎日レジデントさんのおしりをきれいにするのは、
お食事の介護をするのは、
着替えをしてあげるのは、
シャワーをしてあげるのは、
彼らなんだよなー。

少なくとも私ではない。

そして中には本当に優しいケアラーさんも実際おりましたしね。

ところで。

実習の最終日にあるレジデントさんがお亡くなりになりまして
その日、あるケアラーさんがそのウィング担当だったんですね。
他の人が彼女を見て涙がでてくるほど、号泣していたそうです。

その人は、個人的に「それはないんでないの?」と何度か思わされた人。
ほかの人も彼女のことをあれこれ批判していました。
下痢をしたレジデントさんをほったらかして帰ったのも彼女でした。
彼女にしたら、深い意味はなく自分の就業時間が終わったから帰った
という単純な理由だっただけかもしれません。

号泣したという話を聞いて本当に心無いかどうかなんて、分からないものだなぁ
と思いました。

私が書いてきた記録を通じて、

私がレジデントさんのことを常勤のケアラーさんの誰よりもより深く理解し、
介護したと思い上がっていると思われた人もいらっしゃるかもしれません。

誰よりもとはいいませんが、レジデントさんのことを私なりに多少は
理解できたかなぁと思いました。

でも、結局、実習後、心底疲れ果てて、一週間は何も出来なかった自分自身
について考えると情けないというか、弱いというか、こんなんじゃ
偉そうなことは何一つ言えんよなぁと思うのでした。

(続く)

ありがとう、さようなら

2012年12月08日 09時00分50秒 | Web log
実習、最終日を迎えました。

咳がひどくなり、体調も悪く、よっぽどお休みしようかと思いましたが
最後だし、無理だったら途中で帰宅すればいいやと思って
最後のお勤めに向いました。

指示されたように、そして今まで通りにシャワー、トイレ、お食事の介助をし、
いつものようにレジデントさんとおしゃべりしたり、一緒に活動したり。

お昼が過ぎ、最後のご挨拶に回って歩きました。

最初の一週間は固定されていましたが、その後は毎日、ちがうウィングで
お手伝いさせてもらったので、多くて2回くらいしか一緒に過ごせなかった人が
ほとんどでしたが、それでも私のことを覚えてくださってる人もおりました。

最初に配置されたウィングのMさん。

まだ60代位なのに脳梗塞で体がうごかせなくなり、話せなくなってしまった彼女。
大きな声で何かしてほしいことがあると「カカトゥ、カカトゥ、カカトゥ」を
繰り返します。最初は怒られているかと思ってびくびくでしたが、そうでないことが
分かってからは、彼女の気持ちや思いを色々推測するようになりました。

ドンぴしゃりだとうれしそうな顔をして、そうでないとちがうよぉーという顔をするので、
これ?それともあれ?と色々試しますが、最終的に伝わらないと残念そうに諦めた表情をするのです。
それがとっても悔しくて。なんとか分かってあげたいと思いましたが、試すチャンスもなく
別のウィングに私が移動してしまったのでした。

こちらが言っていることは分かるので最後のご挨拶をすると「あぁ、そう。」というような声で
反応してくださいました。

「お元気で、お体に気をつけて」というと「Good girl」と言って下さったような気がしました。

そして一番ぐっと来たのは
まだまだ元気で、常時鼻から酸素吸入している以外は何の問題もなく、英語で会話もできるし、
いつもニコニコのスラビア出身のおじいさん。

私が気になってお部屋を覗くといつも笑ってくれた人。

いつも I love you as a friend ! と愛の告白をしてくれました。(笑)

レジデントの皆さんは学生が来て、そしてまた去っていくということに慣れていらっしゃる
のでしょう。

そのおじいさんに最後のご挨拶にいくと、あぁそうかと言って、最後にこんなお話をしてください
ました。

「 いい友達を沢山つくりなさい。いい友達というのはね、どんなときも信頼できる人のことだよ。
恐れや不安なくいつもどんなときも心を開ける人のこと。そういう人を大事にして、一緒にいなさい。
いい友達は君の人生を豊かなものにしてくれるだろうから。そのためにはね、君もいい子にならないと
だめだよ。いい子の周りにはいい人が集まってくるからね。Be a good girl.... Be a good girl...」
と言われまして、私、ボロ泣き。

おじいさんにハグハグして、Thank you を繰り返して、お部屋を後にしました。

閉鎖棟でも挨拶をしまして、ハグとほっぺにチューとかたくさん頂きまして、
ポルトガル人のおじいさんにも挨拶をしたら「僕のことを思い出してね。僕も君のことを
思い出すからね」と言ってくださいました。

そして

施設の職員さん、ケアラーさんにも一通りの挨拶をしまして。

ちょっと早めに施設を後にしました。

3週間に渡る緊張がほぐれたためか、その後、発熱&体調を崩したりしましたが
お医者さんにも行って、やっと体も心も落ち着いてきました。

その後のあれこれは、また後ほど。

神様が送ってくれた

2012年12月07日 09時00分19秒 | Web log
Mさんという女性のシャワーの介助をさせていただきました。

Mさんがどうして閉鎖棟にいるのか、理由はわかりません。
イタリア語が母国語ですが、英語も話せる、認知症らしき症状もない。
1人でほとんどなんでもこなせるMさん。

穏やかでにこやか、編み物好きなおばあちゃんです。

朝一番にお部屋にむかうと笑ったようなお顔ですやすやと眠っています。

「おはようございまーす」と言うと目を覚まして、あぁと言いながら
笑顔を向けてくれます。

シャワーを浴びる前にお洋服を選ぶときも、自分の着たい洋服を
指定したり、ナイティも「これはそんなに汚れていないから洗わなくてもいい」
とか一つ一つきちんと指示してくださるので、わたしとしてはとっても楽。

ブラジャーを選んでいるときに、それじゃない、それじゃないと言います。
と言っても、スペアは2つしかない。これか、あれか2つに一つ。
でも、No, No とおっしゃる。

前の日にみにつけた洋服の中にあったブラを見つけると、それそれと言う。
それをまたつけたいというので、そのままスルー。

ケアラーさんの説明では、乳がんで片方の乳房がないので、パッドが必要
とのことでした。

だからMさん、パッドの入った前日のブラをつけたかったのかな?
(次の機会には、ちゃんとパッドを入れ替えて、きれいなブラをつけて
あげようと心に留めました)

バスルームにつれていきますと、夜につかった夜用パンツがそこにあって
チェックすると茶色になってました。

「出血??」

とにかく体を洗ってあげると肩がいたい、乳房の下が痛いとおっしゃる。

これがただの痛みなのか? もしかして転移からきているものなのか?
しかも出血している。

鎮痛剤は毎食後に飲んでいるという。

とにかくシャワーの後に出血のこと痛みのことを上司に報告。

痛みについては既に認識している様子。出血の件も、後で尿検査したら
潜血反応はなしとのこと。

翌日また出血が確認されたので、寝起きすぐの尿をキャッチして
検査を依頼。また陰性。

3日目には体の痛みが増しているようでした。そのときに
「こんなに痛みがつらいなら、死にたい。死ねば痛みから解放される。
自由になりたい」と話してくださいました。

ちょっと触れただけでも激痛が走っているかのような反応を示して
見ているだけで気の毒になりました。

「大丈夫ですか?」と聞くと

「It's all right」と言います。でも、It's all right ではないことは
分かります。鎮痛剤は食後3回飲んでいるので、これ以上手の施しようが
ないのでしょうか?励ます言葉も見つからず、黙っていると

Mさんが突然こんなことを言ってくれました。

「わたしは神様に感謝しているの。わたしはあなたをずっと探していたの。
ずっとお祈りしていたの。神様があなたを送ってくださったのね。」

二日後には実習も終わり、私がこの施設から去っていくことを彼女は知りません。

ありがとうと言う傍ら、心の中に棘がちくりと刺さったかのように思えた
一瞬でした。

根拠はどこに??

2012年12月06日 09時00分00秒 | Web log
今日はJさんのお話

Jさんは 英語を理解でき、話しかけるとわずかながら自分の気持ちを伝える
ことができます。が、体を動かすことが全くできません。

わたしが話しかけると、Yeah と答えるか、No のときはNoとは言いませんが
顔の表情が「困ったな」というような感じになります。
でも、自分からは発話しません。

食べるのが大好きで、気持ちいいくらいもりもりとお食事を召し上がります。

閉鎖棟に初めてきた日に食事の介護をしたのですが、その翌日体調を崩し、
食事がとれなくなって、その次の日に再び食事の介助をさせていただきました。

体を拭いて、洋服を着替えて ダイニングにお連れし
「 また、元気になってよかったですねぇ。昨日は召し上がれなかったけれど
今日は沢山たべられるかな? 」などと声かけをしながら、オートミールを完食。
前の日、体調が悪く食事がとれなかったので、お腹がすいていたのでしょう。

「 いいですねぇ。元気になって食欲が戻ってきたようですね! 」と
話しかけると照れくさそうに微かに微笑んでくれました。

そして飲み物をあげると、それもあっという間に飲み干しました。
もちろん、朝で寝起きだし、喉も渇きますよね。

で、もっと欲しそうな感じでした。

他のレジデントさんたちがトーストを頂いていたので、Jさんにトースト
はありますか?

とケアラーさんに聞くと 「No」と言う。理由は不明。

確かに、前日体調が悪かったからというのもあるのかもしれませんが、
こんなに食べたそうにしているのにと思うと、気の毒になりました。

で、じゃぁ、飲み物をもう一杯あげてもいいですか?と言うと
それも「No」

「 Jさん、飲みたそうにしているんですけど 」と言うと
「 どうして、わかるのよー。 」とまたまた言われました。

顔や目の表情、飲みっぷりで分かろうと思ったら、わかるんですけどね。
(これって、私の思い込みなんでしょうかねぇ....)

「 後で、モーニング・ティーだってあるし、お昼まで全く食べられないわけじゃ
ないんだから。」と言われたので、そのままJさんに伝えると、Jさんの悲しそうな顔。

喉が渇いているのに、お腹がすいているのに、どうしてあげることができないのか?
私には理解できませんでした。看護師やお医者さんから指導があったというなら
理解できるのですが。

しばらくしてから、さっきのケアラーさんが心変わりしたのか「責任者のMさんに、聞いて
OKが出たらトーストをあげてもいい」と言ってくれたので、やったーと思って確認したら、
何の躊躇もなくOK。

それにしても、さっきの「No」に根拠はあったのかよ!と突っ込みたくなりましたが。

うれしくなってJさんに「トーストですよー」と言うと、Jさんペロリと一枚半を
たいらげました。

本当はもっと食べたそうだったけれど。

「 後で、モーニングティーがありますからね。朝食はこの辺で終わりにしましょう」
と話しかけているときに、Jさんが トーストを掴んでいた指をぺろぺろと舐めているのを
見て、ちょっと切なくなりました。

その後、Jさんに、何か飲みたいですか?と聞くと、Yeah と言ったので、飲み物を作って
飲ませてあげると、これもゴクゴクと全部飲み干してくれまして、
もやもやしていた私の気持ちはちょっと晴れ晴れしたのでした。

どこかへ行きたい

2012年12月05日 09時00分00秒 | Web log
先週の水曜、木曜日の二日間は、雨、風の強い寒い日でした。
そして、何故かその二日間、レジデントの皆さんは何故か落ち着きがなく
そわそわしていました。

朝のミーティングで

Jさんは昨晩一睡もしなかった。
Sさんは吐いたんだって。
Mさんは夜の徘徊がひどかった。

などなどの話を耳にしました。

みんなに、ババと言われているJさん。
英語はある程度理解できるようですが、母国語のクロアチア語で話します。
とても可愛らしいおばあちゃんで、ご主人は別の棟にいらっしゃいまして
娘さんがいらっしゃるときは、ご主人のところでひと時を過ごします。
愛情の深い人だったんだろうなぁというのが手に取るようにわかります。

そのJさん、いつもはにこやかなのですが、その日は目をうつろにしながら
閉鎖棟をひたすら歩き回っておりました。

どこかへ行こうとしているというのがわかりました。

でも、どこへも連れて行ってあげることができません。

ご主人のところへ....とも思いましたが、私が連れて行く=つきっきりになる&他の
人のお手伝いができなくなる。帰りたがらず、興奮したら手がつけられなくなる可能性
もある=私の力量では無理 と思いまして。

とりあえず一緒に閉鎖棟をグルグル回り、お人形で気を逸らそうとしたり、
アクティビティに参加させようとしたり、あれこれ頑張りましたが
ふとしたときに何かを思い出したかのように再び歩き出し、窓の近くに行き、
開けようとしたり、外に出たいという態度を示しました。

できることなら、一時だけでもいいからどこかへ連れて行ってあげたい、
心からそう思いました。

話し変わって。

徘徊をするもう1人の男性がおります。

彼はポルトガル人ですが、英語でもかなりコミュニケーションを取ることができます。
ポルトガル語がメインですが、私たちが話す英語は大体理解できているようです。

さて、そのポルトガルおじいさん。

先日、突然「家へ帰る」と言い出して、施設の玄関口で看護師さんに喧嘩をうってました。

看護師さんが「 奥様に電話かけてみる?奥様こっちに向かっているはずだけど。
奥さんが来たら、一緒に帰れるから 」と言ってなだめすかし、奥様に電話を
かけたりしましたが、繋がらず。

おじいさんが帰ると言い張るので、みんな手を焼いておりました。

わたしが「まずソファーに座って落ち着きましょうね。私が傍に一緒に居てあげますから」
と言ってソファーに誘導。

悲しそうな顔で「You must be a good girl」と言ってくれました。

結局、奥様とは連絡も取れず、その日を境に日中は閉鎖棟で過ごすことに。

でも、閉鎖棟に来てもどこかへ行こうとして、暗証コードを聞き出そうとしたり
歩き回りたい彼にケアラーが1人つきっきりになるので、閉鎖棟でも「こっちは人手不足
なんだから通常棟に戻してもらわないと困る」とやんや、やんや。

そういう職員の態度を感じてか、わたしが閉鎖棟の中を一緒に歩いてあげたときに

「 Please do not get angry with me, please (僕のこと怒らないでね。お願いだから) 」
と訴えてきました。

わたしが「 Nooooooooooooooooo, Never 」というと安心しておりました。

大きなお庭でもあれば、一緒に歩いてあげるのに.....

認知症とは言え、毎日、毎日どこへも行けず同じところで過ごすって
どんな気分だろう とふと思いました。

さて、Jさんの話に戻りましょう。

なんとかなだめすかしながら、午後を一緒に過ごした後、帰宅時間となったので
わたしが帰る準備をしていたら、またJさんがどこかへ連れて行って欲しそうに
私に近づいてきました。

" I gotta go home now (お家に帰らなくちゃ)" と言うと、Jさんの目がキラキラ
し始めました。

Jさん、私の手をぎゅっとにぎって、一緒に行こうとしているのが分かりました。

私は回廊をぐるっと回って、もとのとこに戻ってきまして、他のケアラーさんに
バトンタッチ。

ちょっと悲しくなりました。

ドリンコ!ドリンコ!

2012年12月04日 09時00分22秒 | Web log
Nさん(女性)は、まったく英語が話せず、クロアチア語を話します。
他のレジデントさんと比べると若いのですが、非常に気性が荒く
気に入らないことがあると、癇癪を起こし、唾を吐いたり、叩いたり。

要注意人物なので、誰も近づきません(苦笑)

ので、しゃべる声がとにかく大きい。

しゃべるというより、自分の欲しいものがあると
同じ単語を繰り返し叫びます。

お食事前に洋服を保護するエプロンをかけてあげるときに
「エプロン、かけますねー」くらいの声かけはしましたが
どう接していいかわからず、様子を見ておりました。

でも、Nさん、どうやら自分が何を欲しているとかはきちんと
認識しているようです。

Nさん、食事の後、ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!
ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!
ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!
ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!
と叫びました。

ものすごい目で私を見つめます。

で、他の人はしらーんぷり。

そしてまた
ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!
ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!
ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!

私「飲み物が欲しいみたいですね。お水あげてもいいですか?」

ケアラーさん「いいわよ」

で、お水を持って行きました。

で、コップを口にしてしばらくするとそれを床になげつけた!!!

私、目が点。

皆さん慣れていらっしゃるのか、動じもせず。

ささっとお片づけ。

チーン!試合終了。

で、わたしはピーンと来た。

「きっとジュースが欲しいんだな」

翌日、また私をジーっと見つめて

ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!
ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!
ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!ドリンコ!

と言うので、今度はジュースを持参。

大人しく全部飲んでおりました。

今日は、私の勝ち(笑)

署名

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