花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

露天風呂栽培に変化

2020年01月05日 | 研究
これが昨年の暮れからハンターズが低温の中で
水耕栽培しているホウレンソウの今の様子です。
冬になるとどうしても色がなくなるモノクロームの世界。
久しぶりに緑の葉を見てホッとしています。
さてこのホウレンソウちょっと元気がありません。
なんだか葉がピンとせずに、少し巻いたりしています。
実験は無加温で窓も閉まらない壊れた温室で行なっていますが
まだ気温が高いのか、土の鉢のホウレンソウにはこのような現象はなく
葉が縮れて厚くなる寒締め現象もまだ起きていません。
ではなぜ同じ場所で栽培していても、このような変化が生ずるのでしょうか。
この水耕栽培、普通と違うところがあります。
外が氷点下となるため、水が凍らないよう15〜20度に加温しているのです。
気温が低いため、おそらくホウレンソウにとっては
真冬に露天風呂に入っているのと同じような状態だと想像できます。
そのため根は暖かいのだけれど葉は常に低温にさらされるため
植物体の温度が部位によってかなり違うと考えられます。
この温度差が、生育に悪影響を与えてしまっているのかもしれません。
はたまた外気が低いので、水温が実温度以上に感じられ、のぼせたのでしょうか。
また夜になるとぐっと気温が下がるため湯冷めし
寒締め現象が早々と起きていると考えることもできます。
このまま葉が黄変してしまったら失敗、
葉が緑のままで縮れて厚くなってきたら成功。
こんな実験、誰もしたことがないため興味津々のハンターズです。
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怖い話

2020年01月05日 | 園芸科学科
昨年、まだ雪が降る前の第1農場です。
この農場は名農が誇る果樹園。
ご覧のようにリンゴの木がたくさん見えます。
どうやらこの木は、樹高が低いわい化仕立てのようです。
さてリンゴの枝は上にまっすぐ伸びる性質があります。
品質の良い美味しいリンゴをたくさん育てるには
どの葉にも満遍なく日光を当てる必要があります。
そのためは日陰を作る余分な枝を切り取る作業が大切です。
これを剪定といい、春になる前に行う剪定を冬季剪定といいます。
しかし剪定によって収量が大きく左右されるので
きちんと植物生理を理解していないとできません。
剪定は一人前になるまで10〜20年もかかるという職人技。
若手農家は最初、ハサミを手にしても怖くて怖くて切れないそうです。
おそらくベテランはどこの枝を切るとどんな樹形になるか
頭の中で半年後の姿が映像になって見えているのだと思います。
上達するには自分で考え、そして失敗を活かしながら
トライする経験が必要なようです。

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