花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

ホウレンソウの露天風呂栽培

2020年01月27日 | 研究
ハンターズの5名のうち、3名は進学希望。
2名が技術者として就職を希望しています。
昨年の12月からホウレンソウの露天風呂栽培に取り組んでいるのは
農業系の進学を希望している男子。
農業系とはいっても4大ではなく、
実践的な農業者を育成する短大のような学校です。
したがって誰よりも栽培には興味があり、一生懸命調査に励んでいます。
その彼が先日、とうとうホウレンソウの寒締め研究を終え収穫しました。
これは収穫した葉を少しいただいたもの。
左から室内での水耕栽培、中央は窓の閉まらない冷たい温室の中で
土で栽培したもの。つまり一般にいう寒締めホウレンソウです。
そして一番右が、彼が挑戦した寒締めホウレンソウの隣に設置した
養液だけを加温した露天風呂栽培です。
見ただけで右に行くほど葉が少し小さくなりますが、
葉の色が濃いのがわかります。
特に露天風呂栽培では多くの葉が少し巻いていました。
さて寒締めホウレンソウの魅力といえば何といっても高い糖度。
そこでデジタル糖度計で測定したところ、左の普通のホウレンソウは8度前後。
しかし中央の寒締めホウレンソウでは11度とかなりの甘さとなりました。
今年は暖冬のため気温があまり下がらず心配していましたが
糖度が10度以上とちゃんと寒締めホウレンソウになったようです。
では露天風呂栽培はどうでしょう。何と糖度は15度。
北海道農試が測定した一般的な寒締めホウレンソウデータを見ると最高は16度ぐらい。
つまりトップレベルの糖度となったようです。
問題なのは何がこうさせたのか。いろいろ原理を考えてみたいと思います。
さて大成功したハンターズの彼、調子づいたようで早速お代わり実験を希望。
次は小松菜でも同じ結果になるか、まもなく挑戦する予定です。
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回収成功

2020年01月27日 | 研究
12月からハンターズが始めた寒締めホウレンソウの研究。
低温によって糖度をあげる栽培法のため、絶対欠かせないのが気温のデータ。
しかし栽培が始まってまもなくすると冬休みになってしまい、
学校に入ることすらできなくなります。そこで登場したのがデータロガー。
フローラからは湿度も同時に測定できるタイプも引き継いでいますが
今回は温度だけで十分。室内と土の中、
そして養液の水温の3ケ所に設置して自動観測を行っていました。
そして先日、いよいよ収穫となったのでデータロガーも回収。
恐る恐るコンピュータに接続すると出てきたのは約1ケ月の温度データ。
4時間おきに観測したため、ずいぶんたくさんのデータを無事回収できました。
またデータは簡単にグラフ化されるので、
環境の違いによる温度の差は一目瞭然です。
その結果、露天風呂栽培の養液の温度は、昼夜こそ差がありますが
平均ではこちらが設定した約20度で推移。うまく行きました。
それに比べて気温の平均は5度。かなりの寒さです。
暖冬が続いている今年の冬。
果たして寒締めに仕上がっているでしょうか。
次はいよいよ糖度の測定です。

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