花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

夏の主役

2020年07月17日 | 園芸科学科
園芸科学科の草花温室が立ち並ぶ第2農場。久しぶりに覗いてみました。
するとご覧の通り、白と赤の花が満開です。これはご存知ベゴニア。
春から秋まで絶えず花を咲かせる花壇や鉢植えでは定番の人気草花です。
春先は、いろいろな花壇苗が温室を彩っていましたが
どうやら初夏になって主役の座を勝ち取ったようです。
さてひと口にベゴニアといってもさまざまな種類があります。
みなさんがいつも見ているこのベゴニアは
ベゴニア・センパフローレンスというのが正式名称です。
センパフローレンスとは、ちょっとお洒落な音の響きだとは思いませんか。
実はこの名前、学名なんです。一般に私たちが扱うイネやイモなどの作物は
日本語で呼ばれるのが普通で、学名で呼ばれることはありません。
例えば私たちが栽培しているイネの学名は「オリザ・サティバ」。
そんなの聞いたことがないという人がほとんどだと思います。
ところがこのベゴニア・センパフローレンスは学名が一般名。
教科書でもこの名前で記述されています。
ではセンパフローレンスとはどんな意味でしょう。
それは「絶えず花を咲かせる」という意味。
開花の特徴が名前になっているようです。
これを和名にすると「四季咲きベゴニア」となりますが
呼び慣れないので、こちらの方が違和感を感じます。
このベゴニア、花を摘んで食べたことがありますか。
シュウ酸が多く酸っぱいんです。
そういえばベゴニアの仲間である雑草のスベリヒユは
昔は茹でて食べたといいますが、その味はやはり酸っぱかったそうです。
さて今日は名農生が夏の主役となる体育祭です。
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マルチングの色

2020年07月17日 | 生物生産科
第3農場を歩くのは気分の良いものです。理由は豊かな緑と土の匂い。
温室で水耕栽培ばかりして農業の魅力を忘れがちな環境システム科の私たちにとって
とても新鮮に感じるからです。露地栽培の開放感を感じながら
歩いていると、こんな面白い畝を見つけました。
栽培されているのは赤シソ。でも注目するのは緑色のポリマルチです。
皆さんはなぜ畝をポリフィルムで覆うかご存知ですか。
土を柔らかな状態で保つこと、土壌流出を防ぐこと以外にも2つあります。
ひとつは地温を高める効果。土が温室のように暖かくなることから
春先に植え付けるなど高い地温が欲しい場合に用います。
当然、この場合、光が土に直接当たるように透明のマルチを使います。
もうひとつは雑草抑制効果。草が生えやすい畑などで用いますが
この場合は光がマルチの中の植物に当たらないよう黒色を使います。
これを逆に使ったら逆効果。地温は上がらないし、草は生え放題となります。
マルチはこのほかにもまだ色があります。白は夏場の地温上昇を防ぐ効果。
関東や関西など気温が高い地域で用います。
またシルバーとか黒にシルバーのラインが入っているものもありますが
こちらはアブラムシ対策。眩しい光を嫌うアブラムシは日中、葉の裏に隠れますが
畝に張ったシルバーマルチで太陽光を反射させ寄せ付けないというアイデアです。
ではこの緑のマルチの効果はなんでしょう。
それは黒と透明のWの効果。緑は半透明なので光が入り地温を高めます。
さらに透明ほど光が入らないので雑草もある程度抑制できるのです。
とはいっても専用のマルチに比べると効果は落ちます。
何色を使うか、畑や栽培作物の特徴、コストや労力、収量などの関係を考慮し
適切なマルチングの色を選択しているのです。
さて今名久井農業高校は来週月曜日が1学期の修了式。
名農は早々と夏休みに入ります。
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