花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

一見さん大歓迎

2021年04月17日 | 園芸科学科
久しぶりに第2農場にある園芸科学科の草花温室にやってきました。
秋はシクラメン、冬はサイネリアと温室の主が変わってきましたが
今の主役は花壇苗。サルビアでしょうか、小さな苗が温室を埋め尽くしています。
春の名農の名物イベントといえば「野菜苗販売」。
地域の皆さんが良質な名農の苗を求めてたくさんやってきます。
実はそれと同じように「花壇苗販売」も人気なのです。
春になると学校や企業、町内会など花壇を作る団体は意外と多いもの。
そこから毎年たくさんの注文があるのです。
もちろん初めての方も大歓迎。
個人でも良質な花苗を購入することができます。
ご関心のある方は学校までご連絡ください。
さて花といえば園芸科学科。
名農生なら誰でも知っている第2の校訓ともいえる「緑育心」を
体現している最も名久井農業高校らしい学科です。
しかし学校再編計画によって伝統ある園芸科学科は昨年から募集停止。
今まで扱っていた果樹が生物生産科、
草花が環境システム科へ移行され始めています。
そのため今年の第2農場では、園芸科学科と環境システム科が同居して
草花管理に当たる極めて珍しい風景を見ることができそうです。
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カクタスライト

2021年04月17日 | 研究
昨日、10年以上前に取り組んだサボテンの試験管栽培を紹介しましたが
目的は植物学的な探究ではなく、新しいインテリア商品の開発。
出来上がったものがこれです。ブルーの培地の試験管内にはサボテン。
その試験管は木製の台座に乗っていますが、その下にLEDライトがあって
パソコンのUSBから電気が供給されて輝きます。
「カクタスライト」と名付けられた商品は研究室のメンバーで自作したもので
文化祭で試験販売され、たくさんの注文を受けるなど大人気でした。
台座は青森ひば(アスナロ)。ひばを扱う下北半島の木工所に生徒と出向き
1日かけて自作させてもらったものです。
もちろんUSB端子で光るLEDも自作。ハンダゴテを持って何個も作りました。
人気の秘訣は、好きな種類のサボテンと培地の色を選べる楽しさもありますが
「共生」というユニークな商品のコンセプト。
サボテンはオフィスの中で働く人に癒しを与え、
人間はパソコンに電源を入れることでサボテンの生育に必要な光を供給。
まさにオフィスの中で人間とサボテンが共生してくというものでした。
植物をサボテンにした理由は成長が遅いから。2年間は試験管内で楽しめました。
実は培地に適した色を探るために数ヶ月かけて生育試験もしています。
その結果、やはり成長がいいのは光合成に必要な波長となる赤と青。
緑は落ち着きますが植物があまり吸収しない波長なので適さない色でした。
さらに一般に用いる寒天培地では白っぽく濁り、LEDの光が透過しにくいのでだめ。
実験の結果、透明になるジェランガム培地を採用。
可愛いカクタスライトですが、小さな工夫がたくさん詰まった商品でした。
特許はとれませんでしたがコロナ禍の今、もし商品化したら
もしかしたら大ヒットするかもしれません。
もう誰も作る人はいなくなりましたが、また作ってみたいものです。
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from Lab.

2021年04月17日 | 研究
かつて前任校の研究室で生徒たちと製作した
オフィス内で人間とサボテンの共生を楽しむ「カクタスライト」という
アイデア商品を紹介しましたが、この研究室開発の商品群はまだ数点あります。
その中からもう一つだけ紹介します。これは商品を告知するためのポスターを
製作するために撮影した写真ですが、何が商品なのかわかりますか?
ピンクのティーポットではありません。手前の草花「パンジー」です。
パンジーなんか珍しくないと皆さん思われるはずですが、
このパンジーはなんとオフィスの机や家庭の食卓においても
まったく徒長することなく花をたくさん咲かせるのです。
これは当時、研究を支援してくださっていた理化学研究所の協力で
生徒たちが数年かけて実用化したもの。ある植物ホルモンの生成を
抑制することで、日照不足でもちゃんと育つ特性を持たせています。
種明かしをすると品種改良ではなく薬剤処理。
しかし3ヶ月以上も魔法が継続するという優れものでした。
机上で咲くことから「テーブルパンジー」と名付けられたこの花は
埼玉県和光で開催された理研の公開デーで皆さんに披露されました。
もちろん生徒も参加しています。また理研からは
ぜひたくさんの皆さんに楽しんでもらってくださいと励まされ
パンジーだけじゃなくミニケイトウなどを作っては
地域の皆さんに差し上げた記憶があります。
この商品群の名称は「from Lab. 研究室からの贈り物」。
さまざまな技術が盛り込まれた楽しいシリーズ商品はいつも人気でした。
ところで本校では研究班と呼び、前任校では研究室といいました。
学校によって呼び方も違うんです。懐かしい思い出です。
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