花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

森の美術館

2021年04月30日 | 学校
昭和19年に開校した名久井農業高校。
当時は農業科だけの小さな学校でした。
しかし昭和30年代後半に農村家庭科(のちに生活科)、畜産科が新設。
さらに昭和45年には園芸科ができ4学科体制になりました。
馬淵川の氾濫に悩まされていた名農が現在の高台に移転したのは昭和46年。
移転当時は樹木がなく、砂嵐が吹いていたといいます。
そこで学校を上げて植栽に挑戦。
環境緑化で日本一を受賞した緑豊かな名農は、
このように砂嵐を防ぐため先輩方が長年努力した結果、誕生したものなのです。
しかしよく考えてみると学校移転という大事業は園芸科新設の翌年。
なんだか園芸科の誕生を待って行われたようにも感じます。
現在は園芸科学科と名称を変えていますが、今も草花を育て
地域を花いっぱいにする緑化活動を牽引するのは園芸科学科。
「緑育心」を体現する園芸科学科は、まさに名久井農業高校の代名詞なのです。
さてゴールデンウィーク直前の名農はご覧のように新緑でいっぱい。
柔らかな緑に包まれていますが、これが自然のものではなく
先輩たちが砂嵐を防ぐため、計算の上に作りあげられた作品と考えると本当に驚きます。
園芸(園藝)とは、植物を素材にした芸術をいいます。
名農キャンパスは工夫を凝らした森の美術館。
学校散策にはちょうど気持ちの良い時期なので、
ぜひ芸術作品であるキャンパスを一周してみてはいかがでしょうか。
4月30日。今日は開校記念日です。
コメント

駆け出し

2021年04月30日 | 研究
トロ箱に入れた土をこねているのはフローラハンターズの男子。
彼は先輩のトレジャーハンターズとは違うタイプの三和土を作り
生活に役立つアイデア製品を作ろうと取り組んでいます。
違いは先輩が用いた真砂土やベントナイトではなく
珪藻土を用いていること。珪藻土は藻類である珪藻の殻の化石で
多孔質のため調湿に優れた壁材として重宝されています。
初めて挑戦しましたが、重量も軽くて扱いやすいと話していました。
一般に消石灰に砂を混ぜて水でねったものを漆喰といいます。
三和土は漆喰にさらに土が入ったもの。
珪藻土を土と考えたのでハンターズは三和土と呼んでいますが
薄らと緑色をした土は、よく見るお馴染みの塗り壁。漆喰です。
なんだかもう区別がつかなくなってきました。
さて頑張っている彼ですが、ちょっとたくさんの材料を
トロ箱に入れすぎてしまいました。
そのため、ねりにくそう。実験が終わった仲間の手も借りて
なんとか作り上げました。まだまだ駆け出しの左官屋さん。
苦戦苦闘しながら少しずつ研究を進めています。
コメント

もういいかい

2021年04月30日 | 研究
今日は名久井農業高校の開校記念日。
毎年この日なのでゴールデンウィークに連結され名農生は長い連休となります。
さて加湿に弱い植物の水耕栽培に挑戦しようと企んでいるハンターズ。
最大の課題である根腐れを防ぐために取り組んでいるのが水中根の発生促進。
水中でも根が呼吸できるよう、深さ1cmほどの水を入れた大きな皿に鉢を並べ
水中根が出てくるのを気長に待っているのです。
しかしその前に根腐れを起こしてしまったら台無し。
そこで1つのお皿に1台のエアポンプを取り付け
24時間強制的に空気を送り込んでいます。
植物をぐるっと取り囲むエアポンプとそこから植物に伸びるチューブ。
まるで生命維持装置です。しかしその甲斐あって、
今のところ植物たちは順調に生育中。期待しています。
現在の予定では苗の装置への植え付けはゴールデンウィーク明け。
それまでになんとか水中根の発生を確認したいのですが
こればかりは何ともいえません。
エアレーションを行なって約2週間。
もういいかい?まあだだよ!
青森県でもコロナ感染が拡大していますが
幸い昨年と違って休校や極端な活動制限はされていません。
そろそろ顔を出してもらいたいと願いながら
暑い中、マスクしながら水管理に励むハンターズです。

コメント