今、近鉄特急と言えば豪華観光特急『しまかぜ』のイメージが強いですが
京都~近鉄奈良間、たった39.0kmの短い区間を結ぶ特急も有ります。
通称「京奈特急」。
その名の通り京都と奈良という二つの古都を結ぶ観光特急です。
かつては建築・車両限界が小さかった為に専用の狭幅車体が活躍していましたが建築限界が拡幅されてからは
バラエティ豊かな運用が見られるようになりました。
残念ながら今は独特の狭幅車は既に特急運用から消滅しています。
そんな京奈特急に久しぶりにレンズを向けてみました。
PENTAX K-5+SIGMA APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO
Avモード f8 1/400sec ISO200 (300mm)
今も一大勢力を誇るスナックカー12200系。更新を受けた車体で各系統の特急で活躍中です。
登場時、特急らしい風格とスマートさを演出する幌カバーがスナックカー系列の特徴だったのですが
その表面はつぎはぎ状態です。カッティングシートか何かで補修しているのでしょうか?
同じくスカート表面もボロボロ状態でさすがに年齢は隠せません。
PENTAX K-5+SIGMA APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO
Avモード f8 1/500sec ISO200 -0.3EV (150mm)
こちらはその12200系の血をひく12410系です。
サニーカーと呼ばれる12400系のマイナーチェンジ版で先に登場した30000系ビスタカーⅢ世に
準じた顔付きとなっています。
既に22000・22600系という新世代の汎用車が登場しており、これら古い昭和生まれの特急車は
利用者からは敬遠されそうですが私の様なオジサン世代のファンから見れば
例え少々?くたびれていても現役で活躍中という事実だけで嬉しいものです。
奈良方面系統も含め、京都⇔橿原神宮前間で運用されていた特急車は確かに大阪線の威風堂々とした姿のグループとは全く趣の違うスタイルの車両を使っていましたね。初代、"京伊特急"専用として落成した18200系やその後継となった18400系が主にそれにあたりますが、私的に印象深かったのは2連×2本しか存在しなかった18000系。なんと1960~70年代の近鉄特急車グループの中で唯一、"吊り掛け駆動"を採用していたキワモノだったんです。狭隘で短い車体の床下から唸る吊り掛け駆動独特の、「ウォ~~ン♪」と重みのある唸りを響かせて八木駅京都線ホームを出発していく姿が今でも思い出されます。
車両設計限界が修正された現在では当たり前のように標準規格の車両が走り回っていますが、そんななかで古豪の類に数えられるようになった12200系一党の運用がこの線区で相変わらず幅を利かせているように見えるのは気のせいでしょうか?平端以南ではまだ大和平野の田園風景が残る長閑な景色の中で疾走する彼等を見られるのもあとどれくらいか…最近少々気になりつつあります。
私の方が少し若い世代なんですが18000系は私も好きでよく乗っていました。
特に第1編成の18001+18002は吊り掛け駆動にコイルバネ台車でしたが
素晴らしい乗り心地を提供してくれました。
10400・11400系譲りのフェイスは狭幅車体でも違和感無くマッチしていました。
転換クロスシートでしたがとても掛け心地の良いシートの感触は今でも忘れていません。
12200系と同世代の車両達が次々と淘汰されている中、確かに彼らの余命は
一体どれ位なんだろうか?と私も思う事が有ります。
今回久しぶりにレンズを向けましたがこれからも機会を見つけて撮影・乗車を
したいと思っています。
そちらでも同じようですね。
古くなっても、見る人(乗る人)をがっかりさせないように気を遣っていると思います。
実際、Ace,ACEとの混編成で走っている事が多いのですが、
取ったチケットのシートが12200系だとガッカリするかもしれません。
しかし、勝手な価値観かも知れませんが、京奈特急はこの12200系がよく合っていると思います。
近鉄特急車のマメな車体洗浄は有名ですね。ひょっとしたらスカートの塗装の浮き・錆びは洗い過ぎが原因かも知れません。
京奈特急は正に観光特急ですが12000系に端を発するこの丸みを帯びた車体は
雅やかな古都の雰囲気にマッチしているのでしょうね。
ACE以降の系列はどちらかといえばビジネス特急的なイメージが強いと感じます。
私の世代のファンにすればアーバンライナー登場以前の車両の方が近鉄特急というイメージが強いですね。
特に12000系からはリクライニングシートやスナックコーナーによる供食等々、当時の国鉄に負けないサービスを行い
私鉄の雄・大近鉄のイメージを幼い頃の私に与えてくれました。
ファン一人としてこれから末期までの活躍に注目したいと思います。