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かっぱの心をうるおす、山・川・岩・海などの小さな自然。主に北海道の話。

美しすぎるトムラ西沢 ~パンケトムラウシ川遡行~

2022-08-12 | 沢登り
最近の地図ではパンケトムラウシ沢となっている、トムラ西沢を遡行した。
滝なら何でも登りたがるかっぱと、どんな状況でもビレイできるU、そして体力最強ポジティブ男のしょうたろさんというメンバーで、ひと気のない場所で大騒ぎの充実した2日間。

10日に前泊、素敵なテン場をこしらえて、早々に酒に浸る。


11日 4:50、C発。廃道となった林道をぐいぐい歩く。
5:30、地図通りの場所で西沢と出会い、入渓。
940m付近から、美しいナメが始まり、水のきれいさ渓相の美しさと相まってウキウキ。


6:30、さみだれ状の美しい滝が現れる。ナメの後にさみだれとはにくい演出。

高さがあるので早速ロープを出し左岸を直登する。3人で20分ほどで通過。

6:55、滝というより「壁」と言った方がいい地形が眼前に現れる。

水は伏流となっているようで見えない。
左岸の傾斜の緩いところから草付きを、滝落口の高さまで這い上がりブッシュ帯に到達。
滝の右側にコル状地形を見付け、笹をつかんでトラバースする。
灌木登りでコルを越えると、なんなく高巻き終了。約30分。

水はすぐにまた流れ始め、連続直登小滝群パート1の始まり。

どの滝も美しいカマをたたえていて、うっとりしながら登る。

8:30、1160m地点で30m越えの滝。
右岸のどろどろ急斜面を、時々バイルでごまかしながら登り灌木帯へ。
後続は、探した補助ロープでぐいぐい登る。約20分で高巻き終了。

続いて小滝群パート2

滝の形が様々で、水が美しいのであきさせない。

9:30、1300m地点、登るのを忘れそうになるほど美しい滝にうっとり。

左岸のカマの浅いところから、滝の落口に向かってロープを出す。

9:50、回りを高く囲まれたパターンの滝も多い。

直登は難しいので高巻き案も考えたが、右岸を見ると滝の落口に向かってバンドが伸びている。
バンドは高く細くなっていくが、慎重に滝の近くまで行くと灌木に手が届いた。
後続に補助ロープを出して、灌木に入ると、すぐ滝の上に出られた。

10:00、なんでしょうね、この美しさ! 水の流れ方とカマの色、岩の形状、ほれぼれしちゃいます。

あまりの美しさに水流の中の段を使ってチムニーで登る自分が脳裏に浮かぶが、高さとメンバーの不安度を考慮し右岸巻き。

10:20、1330m地点、またまたカマも滝の形状も美しい滝。

斜めに走る濡れぬめりクラックに手を入れ、枯滝コケスラブにバランスよく立ちこみ高度を上げる。
乗越部直前のリスに短めのクロモリハーケン打つ。
がっちり効いたのを確かめて、そろそろ手を伸ばすとコケスラブスタンスがつるん、あやうくコケスラブウオータースライダーになるところを、Uくんとクロモリくんが止めてくれました。

相変わらず、美しさに目をうばわれながら、小滝や巨岩を越えていく。
普段、小滝を10個ぐらい越えるとちょっとあきてくるのだけれど、ここは美しすぎてあきがこない。
そして青空が出てくるのと呼応するように、白さが光る雪渓がところどころ現れる。

11:30、1420m地点、15mのほぼ枯滝。

できるだけ安全に中間の台に立ち、かわいたガバをつかんで垂直部分をファイト一発越え。
ここを越えると、源頭の雰囲気になってくる。

高山植物がちらほら見え始め、テン場した場所もたくさんある。
トムラウシ山も姿を現し、爽快感に浸る。


12:00に1540mの二股を通過。少しわかりにくいけど、トムラウシ山直下の大雪渓を目指していけば問題ない。

12:50、登山道に合流。

しょうたろさん以外は、普通の道に出ると急にヘロヘロ。
荷物を減らしてPeakへ向かう。

14:00、トムラウシ山Peak。

すっかり青空、なんて美しい風景でしょう。
遠くの山々もすべて見える。
山と眺めに別れを惜しんで下山へ。

18:00、短縮登山口下山。
薄暗い林道で鹿を追いかけまわしながら、車の回収。
全て終わるとすっかり真っ暗。
天気に恵まれた中で、素晴らしい美しさの沢を遡行できて、幸せ…。