数年前までは、シーズンに2回くらいは登っていた春香山。
登山口付近で新幹線延伸工事が行われているので、車が停められない。
だから、2021年の年末を最後に行っていなかった。
しかし近年のヤブ山探索と、昨年気付いた「裏から」作戦を考慮すると、別のアプローチがあるのではないかと、ぼんやり考えていた。
完全に裏となると、だらだら尾根や林道を長く歩かなければならない。
それはつまらないので、ほったらかしにしておいたが、かなり前にオーンズスキー場から、「ひよどり越え」と呼ばれた急斜面を登って春香山北斜面から登ったことを思い出した。
これは、90年代初頭に発行された山スキールート図集にも掲載されている。
由緒正しいルートに違いない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/ff/a56c8f810ca533e10f61ef58368e11bb.jpg)
でも、このルートもだらだら尾根が長く、ヤブが多い。
それに下山がスキー場なのは、あまり好みではない。
せっかくだから新ルート開拓と行こうと思い、和宇尻山に直接上がる尾根を登ってみることにする。
札幌近くの林道の終点にはたいてい何らかの施設がある。
オーンズの横の道を詰めたところにも乗馬クラブのような施設があった。
寸詰まりが施設だと車が停められない。
しょうがないので、少し手前の邪魔にならなさそうなところに車を停める。
まっすぐ登ると施設を横切ることになりそうなので、銀嶺沢川を横に見ながら、ヤブの中をトラバース気味に上がっていく。
当然のようにヤブが多い。
でもまあ、ラッセルも薄いし、天気もよいので気分はよい。
ヤブと倒木積雪を避けるのに少々手間取りながら急斜面をほぼまっすぐ登る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/a1/f99221c99188d5e8494ada0ff9fb987b.jpg)
細尾根に出ると、少しヤブが楽になった。
521mの三角点ピークは、両サイドを行き来しながら林道が入っていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/f0/e20d412ed03cbbd702dddffcdf271f75.jpg)
おかげで、521mには登らずにすみ、しばしヤブから解放された。
その道は、地図にある点線道に合流していた。
そこからまたひどいヤブになったが、最初だけで、後は普通のヤブだった。
そもそも和宇尻山自体がただのヤブ山だ。
丸いヤブ山は、ピークだけ開けていることが多いが、ここはピークも開けない。春香山すら見えない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/6b/9a59815c09748b183ad84414880dac7f.jpg)
でも、まあ天気も良いし、とりあえず一つ目的を達成したので喜ぶ。
和宇尻山は、多分2回目。
大昔、今はなき銀嶺荘に泊まった時に、当時の管理人の竹本さんが案内してくれた。よい小屋と朴訥とした素敵な管理人さんであった。
春香山と和宇尻山の間は、トレースがあった。
そのトレースをたどっていたスノーシューの2人組とスライドする。
挨拶を交わし、しばし行くと眺めが開けてくる。
高い山っぽい開けた斜面を登るとピーク台地に出た。
春香山ピーク。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/6b/9cf9a6f7ff4822a0842b5e19662c9c44.jpg)
ピンク看板は健在だ。
普段はたいして人に会うことを望んでいないが、休日の春香山ピークで人に会わないのは寂しい。
新幹線工事の影響で、地元に愛される素朴な山が荒廃していく感がある。
東斜面を滑る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/2f/f940e41d1f2a5f017c87b725f21fc22f.jpg)
今日のように気温が高い晴れの日でも、ここの雪はとても滑りやすい。
和宇尻山に登り返し、ほぼトレースをたどって下った。
ひどかったヤブの部分は、尾根の側面の急斜面を滑ってかわした。
広めの尾根は全体に結構滑りやすかった。(多分大方の人は賛同しないと思うが…。)
林道部分は緩い傾斜があり、今日の雪なら止まらず通過できた。
最後の急な尾根は、ヤブを避けるために沢型に突っ込んだ。
時々、倒木積雪にぎりぎりまで気付かず難儀したが、割と普通にターンしながら滑り降りることができた。
ほぼノンストップ。
登りは4時間近くかかったが、下りは1時間かからず下山できた。
なぜか、とても疲れた。
少ないながらも一人でラッセルしたことと、濃いめのヤブのせいか、
はたまた歳のせいか…、
でも、好天無風の中、静寂の森で過ごすのは幸せなことだと思った。
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