なちゅらる Hi !

かっぱの心をうるおす、山・川・岩・海などの小さな自然。主に北海道の話。

これはこれで、天近くまで登った

2024-10-06 | 
昨日はクリスタルフェースで、天近くまでしか登れなかった。
今日は今日で、天近くの岩塔のてっぺんに上がってきた。
秋晴れの小道を通り、三つの岩塔へ向かう。
展望台からの刈り分けは、なぜかベルギー岩の上まではっきりついていて、一般アプローチルートのはずのドリョク岩までは、刈り分けが消えていた。
多少のヤブを漕いでドリョク岩の上に出る。

今年はステップが切られていなかった。

これまで切ってあったことがありがたいことだが、もう訪れる人が少なくなったのだろう。

一度、棚岩の下に荷物を置いて、ガッカリ岩北面に降りる。
「The Fore Play」6級+は、しっかりレイバックできる大好きなルートだ。
デシマルだと10aというところか…。
上部の数手はレイバックでスタンスの乏しいフェイスの足を上げていく必要がある。
その辺りは3番カムが決まるが、今回は忘れてしまった。
でも、全体的にナッツもヘキセントリックもよく決まる。
3番カム1個で、後はパッシブなしで行くのもおもしろいかもしれない。
今回は2人ともリードして楽しんだ。

棚岩下の本拠地に戻る。
ベルギー岩大チムニールート「マジックホール」がよく見える。
マジックホールは気軽に登れないので、小チムニールートを登る。
棚岩の上からベルギーの基部に行く通路が危なそうに見えたし、棚岩の下にいたので、そこから直接ピッチを切って上がることにする。
赤い四角で囲んだところを1p登って、小チムニールートの取付に行った。
出だしが少しずれてしまったが、これでベルギー岩は全ルート登った。

ベルギーてっぺんからセカンドのKGさんを見下ろす。
高度感が素晴らしい。

そして、この岩塔てっぺんは数ある岩塔の中でも一押しの場所だ。
西は塩谷の海岸から積丹半島まで一望。

東には西壁も見えるし、窓岩や摩天の迫力ある岩塔を見通せる。
そして、なにより居心地がいい。
このブログで過去2回書いたが岩のリクライニングに苔のじゅうたん。
広々快適安定空間だ。

居心地がよくても下りなければならない。
ケミカル2本とさびたハーケンだけでも十分安心だが、懸垂するのに残置ロープを交換した。
懸垂は、大チムニー側に降りる。
「マジックホール」登攀時の感動に思いを馳せるためだ。
人が通過中の場所が、大チムニーから出てくるところ。
出てくるところで体が降られそうになるのが怖おもしろい。
それにしても、この恐ろしげなルートの先に、先程の幸せてっぺんがあるというのがおもしろいでしょ。

最後は、棚岩下に戻りフリーを楽しむ。
しかし、この岩のフリールートには謎が多い。
KGさんは10dの「小樽の青い海」に打ちのめされ、かっぱは「ヤマブドウ」11bに手も足も出なかった。
フリーだけをやりにここに来る気にはなれないが、チョーク跡のないルートをやりたい人にはいいかもしれない。

赤岩峠には車がたくさんあったが、誰もに会わずに1日過ごした。
青い空と青い海に包まれた岩塔に立ててよき1日。

また、天まで登ってみようかな、と思った

2024-10-05 | 
西奥に多くのお仲間がいることがわかっていた。
しかし、西奥に行くとなると一旦核心を2つ越えて満足した「天まで登る」12bをやらなければならない。
実は「天近くまで登る」で終わっているのだ。
このルートに取り付くには、だいぶ根性がいる。
数日前から覚悟を決め、1便だけ出すことにしてクリスタルフェースへ向かう。
のんびり到着すると、既に「サバイバル」に取り付いている方がいた。
そして、赤壁クラックにはカムが決まっている。
知人だったので、話を聞くと「天まで登る」をやるつもりだと言う。
それなら回収してもらえるな、と思い、サバイバルでアップ後取り付く。
回収も結構大変なんです…、これ。

中間を少し超えたところで左に出るパートがある。
ここがとても怖い。
何度も行きつ戻りつして、何とか上部小ハングまでたどり着く。
ここからが未知ゾーン。
残り数mだが手強いし、パワフル。
おまけに怖い。
ここまで散々バランシー恐々ムーブをこなしているのに、ここにきて傾斜が+される。
もう、気持ちが頑張れない。
という訳でテンション。
それでも十分な充実感だった。

YDさんが初「天まで登る」をやり始める。
その下で、KGさんが「スパイダーショット」12cに取り組んでいる。
この2つのルートに一度に人が取り付いている瞬間は、滅多にないだろう。

同様に、「サバイバル」と「天まで登る」の2ショットも撮れた。
天まで、は、長い上に最上部までは傾斜がないバランシールートだ。
なので、必然的に取り付く時間がみんな長くなる。
その間に、下のルートを登るクライマーはどんどん入れ替わっていく。

すーさんの石狩湾練習を眺めたりしてから、44へ移動。
久々の「3F」11aをやって、自分の登りは終わり。
最後に羨望の目で、Fくんの「マグニチュード」12dトライを眺める。
今年は、まだ暖かい。
そして、昨年と大きく違い、ドングリが豊作だ。