クリンの広場

たまっこくりんのおもいのたけ

明治大正昭和化け込み婦人記者奮闘記(平山亜佐子、感想)

2024-04-23 | 本と雑誌

少し前、面白い本を 読みました

『明治・大正・昭和 化け込み婦人記者奮闘記』です。

(※近代の職業婦人の本です

 化け込みとは、本来の素性をかくして別稼業をよそおい、

さまざまな場所に入り込んで 内実を取材し、

新聞紙上などでばくろ(暴露)する。

という 炎上取材で🔥・・

ゴシップ紙の人気企画として 流行っていたそうですが、

それを、うら若き女性記者が担当して、けっこうすごい爆弾を投下していた💣

筆者の平山亜佐子さんが、調べてまとめたのが 本書です。

 たとえば、婦人記者たちは、行商人や女中に扮装して名家に入り込み、名流夫人の裏の顔をあばいたり

お針子として遊郭に入り込み、娼妓の一日を探ったり

料亭の仲居や三味線弾きになって花柳界貧民窟を歩く

など・・

モデル、デパート店員、女優の卵、電話交換手、カフェーの女給、ダンサー・・

ありとあらゆる・人間になりきって、

人間関係濃いめの場所に入り込み

うわさ、本音の聞き込み、事件の数々をメモしまくってはさらし、

 読者の「のぞき趣味」を満足させていた

らしい。

(※今も昔も一緒ですね🐻)



実名を出されて をかかされた個人や店舗は

いっぱいあって

その「名誉毀損」っぷりは、今じゃ考えられないレベル。

むろん、化け込み記者は訴えられ 世間からひなんされ 執ようにバッシングされ

自分自身も、ゴシップセレブみたいになります。

(そりゃそうだ。クリンもこういう記者はキライです🐻

しかし・・

 能力が高くても・・真っ当な記事には関わらせてもらえず、

何かにつけて「女のくせに」扱いされ

世間からの抑圧、好奇の目にさらされがちだった

明治大正の婦人記者たち。

 

同じ社の男性記者からも さげすまれていた彼女たちが、

当たり記事を書く🎯ために始めた"化け込み”という苦肉の手法を

今のかんかくで、「愚かな」と 切り捨てることはできない。

(同情します

だって、

中には、家出上京少女のふりをして街頭に立ち👩、どんな男たちが声をかけてくるかを取材して

危ない目にあっているような事例もあるし、

なんだか、

哀しいくらい、みんな、無理をしているんだもの。

 筆者の平山さんのけんぴつ(健筆)また、ゴシップまんさいのため

グイグイ読んでしまうのですが

メインの「化け込み婦人記者列伝」のみならず、

知らなかった細かいネタも 拾えるので、

歴史に詳しい人でも「読んで良かったな~」と 思える1冊でしょうね

1934
(昭和9)年に黒田雅子・子爵令嬢とエチオピア皇子リジ・アラヤ殿下の結婚話の取材に赴く、

な~んて話が サラリと出て来るんです

びっくり❢

日本がドイツ・イタリアと仲良くしようとしていた時期だったので、エチオピアに勢力をもつイタリアが反対してこの話はポシャりましたが

エチオピア皇子が来日して日本人を気に入り👀、「日本女性と結婚したい」と言い出したら応募が殺到した

って、

これだけでも面白いですよね こんなエピソードが、注に小さく書いてあるんですよ

 

 

 

コメント (14)
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