「源氏物語・本編」と、「宇治十帖」
に
とうじょう(登場)する 女性たちを、
花にたとえて 3週間。
おわりが 近づいて来たころ、
クリン、
ふと・思ったことがあります。
と
たたえられた、彼女たち。
(あれから、ずっと、
その花を 咲かせつづけることが
できたのだろうか・・?)
と。
彼女たちの中には、
その後の しょうそく(消息)が
かいま見える人も、いるそうです
その・くらしぶりは
さまざまで、
子や孫の世話に 忙しい人もいるし、
俗世と、えん(縁)を切って
あっちの世界の住人もあり、
一方
こっちの世界で
思わぬ苦労を、している人もいる
・・・・・
それは、読者として、
なかなか、
かんがい・深いものが あるらしい。
物語の 女人たちも、
後半生において
やはり
そんな じっかん(実感)を
もったのでしょうか・・?
乙女の時間を すぎてからも、
できるだけ・長く咲き、
花も実もある
人生にする
そして、
枯れるべき時を
自らが、決定する
・・・・・
なのではないか
と
クリンは 考えました
(※クリン源氏物語・完)
「高品質貴公子・薫」が
あいした、大君
「稀代のモテ男・匂宮」が
あいした、中の君
ですが、
この美人姉妹には、
はなれて 育った、もう一人の 妹がいました
うきふねは、
父・八の宮に
にんち(認知)されなかったため
田舎で 育ちました。
美人だけど、
都の文化を 知らない
この 妹姫が、
父の死後に あらわれて
「波乱」を おこします
彼女には
あいする・匂宮がいたので、
まだ 平気でした。
心配なのは、
大君を おもって いつまでも 立ち直れない
かおるです。
ぽっと出の 妹、「浮舟」を
かおるに
紹介してみました。
(・・・・・
おっとりと、物静かな風情が、大君に似ている。。)
つかの間、よろこぶ
かおる
しかし、
それは、
きょうよう(教養)のなさから来る、
物おじであるとわかり、
がっかりします
そこそこなので、
かおるは
うきふねの せんれん(洗練)を、
まつことに しました
ところが
そんな、ゆう(悠)長な ことを
してる間に、
匂宮が
うきふねに 手をつけてしまいます
匂宮。
それが、「薫の隠し女」と
知るや!
うきふねに しゅうちゃく(執着)
(ちょっとくらい、不調法でも、女は可愛いほうがいい)
という
考えの 匂宮は、
彼女の心を、
自分に向けさせよう、と
やっき(躍起)に なりました
ふたまた・・・。
どちらも ステキな男性だけど、
どちらも
自分のことを
かるく見ている。
・・・・・・
うきふねは なやみました
かおるは、
その 物思いを見て、
(女として、成熟したのかも・・)
と
かんちがいして よろこびますが、
まもなく、
匂宮との一件を知り、
ショックをうけます
ただ、
ながされるだけの
うきふねは
この 状況が イヤになり、
自分のことも イヤになり、
二人のことも 手にあまり、
行きづまって
川に 身を投げてしまいます
たすけてくれた お坊さんのもとで、
「心身の救済」をもとめて、
出家してしまうのでした
(※次回、グランド・フィナーレです)
しっかり者で
けんきょ(謙虚)な姉、
「大君」が、
あいする「薫」に
めあわせようとしたのが、
(※イメージ:芍薬)
しかし、
かおるは
大君に ホレちゃっているので、
妹には ホレません
と
考えているのを知ると、
かおるは
先手を打ち、
(中の君を、親友の匂宮と くっつけよう!)
と
うごきます
宮廷の 話だいをさらう
2人は、
仲良しだけど
ライバル・かんけい。
モテモテなのに
くそまじめな 「薫」に、
美男でチャラい 「匂宮」は、
何かと はりあいます
そして、
「堅物の薫が 恋をして、女のもとへ通っている」
と きけば、
(・・・これは、
相当の美女がいるに違いない)
と
さっし、
匂宮は 自分も 宇治に おもむきます
あそび人の 匂宮をして、
どうもく(瞠目)するほど
かわいくて、
はなやかな 美女でした
しかも、
姉ほどの
「怜悧さ」や「気強さ」はなく、
そういった点も、
匂宮には りそう的
はじめて であった、ドンピシャ・彼女「中の君」をむかえるため、
匂宮は
ガラにもなく、
かなり・がんばります
けっこん(結婚)後も
しんぱいは ありましたが、
とりあえず
ものすごく 大切にされ、
宇治の三姫のうち、
ゆいいつ
(※次回、浮舟です)
昔、
宇治の山荘に、
「八の宮」という
しんのう(親王)が
八の宮には、
たいへん美しい 2人の娘、
大君と、中の君が
いました。
(イメージ:あじさい)
(イメージ:芍薬)
どっちも、
超・美人
貴公子・「薫」です
かおるは、
光ゲンジの子として
育てられますが、
(実父はどうやら違う)
ということに なやんだ、
ビボウ(美貌)の 青年です
この モヤモヤを
払ってくれるかも・・・
と 思い、
宇治にやってきました
そこで、
おくゆかしく、
しっとりした
大君を見て、
(こんな女性に、
自分の気持ちを話せたら・・)
かおるは ねがいました
父の言いつけで
(一生・この宇治で
かたい・人生を送ろう )
と
心に決めていて、
かおるが
いくら、アプローチしても
ふりむいて・くれません
しまいには、かおるを、妹・「中の君」と くっつけようとします
この
かたくなさは、
大君が 病気がち・・
ってことも 原因していて、
じっさい 大君は、
まもなく 亡くなってしまうのですが、
に、
おもいを
よせていなかった はずはなく、
大君は
かおるに、
心をささげて 死んでいきます
(※次回は、中の君です)
「女三宮との結婚」
という
大失敗により、
くらい・晩年に なってしまった
光ゲンジ
ふくすい・ボンに
かえらない、
あやまちなのでした・・
かわる女性を探し、
幻を 追い続けてしまった。。
紫の上は、
彼女自身の輝きで
私を魅了したのに・・)
むらさきの上が
ストレスで たおれてしまってからは、
もう
三宮のことなんか
見向きもしないで 病床にはりつき、
かんびょう(看病)に
あけくれます。
泣いてとめるのを
見るにつけ、
(やはり、紫の上様は 別格・・・)
と
思い知らされるのでした。
さいご、
つゆのように
はかなく い(逝)った
むらさきの上
「源氏物語」の ラストシーンは、
さいあい(最愛)の女性の
死後、
ボウゼンと 日々を送る
光ゲンジの
出家までが、
点々と
えがかれます。
(※クリン源氏物語・了)
女三宮を、
ダブルふりん(不倫)に 引きずりこんだ
間男、
かしわぎ(かんじ:柏木衛門督)は、
名門の、未来ある
美男子でした。
けっこん前から
三宮のことが好きで、
思い余って
ふぎ・みっつう(不義密通)
その後、
病床につき、
若くして 死んでしまいました
その、柏木が
生前、
ほとんど かえりみなかった・つま(妻)が
女二宮です
女二宮は
なんと、
女三宮の お姉ちゃん
三宮のことしか 見えていない夫から、
「つまらない女だ。
『落ち葉の宮』だ。」
と
かげ口を たたかれていた
女二宮。
と
思いきや
夫の死後、
夫の友人・「夕霧」に 恋されて、
なんやかんやの末、いっしょに なります
しずかな おもむきのあった
二宮
その おもむきを、
ゆうぎり(夕霧)は
あいしました
「女二宮の結婚」を 考えた時、
やはり
人の好みは 「千差万別」で
(好みの人と くっつかないと、
幸せに なれないんだなあ。。)
って
わかります
(※次回は、本編サブキャラたちです)
「玉鬘」との関わり方
を 見ても、
だいぶ 中年の ネチネチかん(感)が
出てきた、「光源氏」。
位人臣を きわめ、
全てを手にした、彼がおかした、
「人生最大のミス」
が
晩年の
「女三宮との結婚」でした。
ことの ホッタン(発端)は、
光ゲンジの兄、
「朱雀院」の
なやみから はじまります。
出家が決まり、
娘の 女三宮の行く末が心配になった、
すざく院。
と
考えた末、
宮廷を しょうあく(掌握)する弟、
「光源氏」に 目をつけました
ゲンジ、このとき、
age・40。
(・・・これから、若い妻をもらう?)
ありえない申し出に、
こんわく(困惑)します
・兄院の不遇な過去、
・兄院の女(朧月夜)をうばった負い目、
を 思うと、
むげに ことわれず、
また
女三宮が、「藤壺の宮の血縁」ということも わかり、
思わず
OKして しまったのです
さいあい(最愛)の女性、
むらさきの上を
ふかく きずつけます
「光源氏の一の人」
と、
自他共に みとめてきたのに、
若い宮さまが、
「正妻待遇」で来る・・。
人生の おとし穴を
目の前に、
立ちすくむ・むらさきの上
一方、
光ゲンジも、
むらさきの上の「絶望の微笑」を
見るにつけ、
自分のおろかしさに、
めまいを おぼえるほどでした
ゲンジは もっと
こうかい(後悔)します。。
ももの花のごとき
かわいらしい、女三宮は、
「精神年齢」も
話にならないほど ひくい、
ただの
お人形でした
わけのわかんない・うちに、
間男に
にんしん(妊娠)させられてしまう
ボーっとした、
お姫さま
(まだ、ガキだな。)と
なめていたら、うらをかかれ、
がく然とする 光ゲンジ
ですが、
すべては
後の祭り・・
ふぎ(不義)の子を、
自分の子として
育てることに、
なってしまったのでした
(※次回は、女二宮です)
「光源氏」の近くに
いながらにして、
ゲンジの女に ならなかった
美女の一人に、
たまかずら(かんじ:玉鬘) も いました。
玉かずらは、
ふとした めぐり合わせで
ゲンジの「養女」になった
若き女子ですが、
本当は
ゲンジの親友・「頭中将」の 娘です
(お母さんは、あの「夕顔」)
母よりも
そうめい(聡明)だった
玉かずら。
ゲンジのもとで 大切にされ、
大々的に売り出されたため
貴公子たちに モテモテで、
大人気に なりました
(ちょっと わずらわしい・・)
と
思っているのですが、
玉かずらに こがれる男たちは
「庇護者・光源氏」に
とりいります
すでに、35さいになっていた
光ゲンジは、
若い貴公子の
ソワソワっぷりが
おもしろくて・たまらず、
ホタルの光で
垣間見せたり、
帝に
ちょっとだけ・会わせたり、
手のこんだ えん(演)出をして
エツ(悦)に入って・いました
求こん(婚)者の一人によって、
強引に
うばわれて・しまいます
玉かずらに
恋狂いしたのは、
ぶこつ(武骨)な 子もちオヤジ、
「髯黒の右大将」。
この人は、
思い余って 邸に忍び込み、
てごめに してしまう という
「既成事実婚・作戦」
に
打って出たのです
(・・・しまった)
と
くやしがる、
光ゲンジ。。
いちばん・ショックをうけたのは、もちろん 玉かずらでしたが、
苦労人で
芯がつよい 彼女は、
「ひげ黒の妻」としての うんめいを 受け入れ、
みずから
ひげ黒の子どもの めんどう(面倒)を見、
自分も
いっぱい 子を産んで、
「髯黒家」 を
もり立てて いくのでした
(※次回は、女三宮です)
押しも・押されもせぬ、
けん(権)力者に
返り咲いた、
「光源氏」
どんな女も 思いのままに
なりそうですが、
意外に こばまれたりも しています
あさがおの・さいいんは、
秋好中宮 といっしょで、
「嫉妬に苦しむ・母」
を見て 育ちました。
(・・・源氏のことは好きだけど、
母が味わった 生き地獄に入るのは、 絶対イヤ)
そう、むねに きざんで
一生
ゲンジを 「文通相手」に
とどめました
言われますが、
はかなげな ムクゲより
彼女には
なにせ、
17年間
ことわられつづけても・なお!
光ゲンジが
チョッカイを 出しつづけた
彼女の みりょく(魅力)は、
「朝露を浴びる、朝顔の花のような・・」
しんせん(新鮮)さ
に あったのでしょうから。
(※次回は、玉鬘です)
都にもどった後、
「光源氏」は
失われた せい(勢)力の 回ふくに
つとめました
ちょうど、帝の交代もあり、「政敵」から けん(権)力を うばい返すことに
成功
かんぱつ・入れず、
宮廷での 布石として
「新帝の後宮」に
送り込んだのが、
秋好中宮は、
インネンの恋人・「六条御息所」が
産んだ姫。
みやすどころが
死のまぎわ、
光ゲンジに 娘の後見を
たのんだのでした。
もし、
私の娘に手を出すようなことがあったら
ゆるさない」
と
釘をさしたので、
ゲンジは 後見役に てっしました。
娘のほうは
おさえのきく やさしい女性で、
一生、苦労しらずに すごします
「源氏物語」の女人たちは、
よく
春の花に たとえられますが、
ささやかな ふぜい(風情)を
あいする、
さわやかな き(貴)人でした
(※次回は、朝顔の斎院です)
「光源氏」と
「明石の御方」との
間に生まれた 女の子は、
ゲンジが
都にかえった後、
母子・ともども 上京しました
都の貴人も ため息をつくほどの
「明石の御方」ですが、
(・・・身分が低い自分が一緒では、
姫の出世にさわる。。)
と
考え、
泣く泣く 姫君を
「光源氏の一の人、紫の上」に
あずけました
<明石の姫君:イメージ(幼少期・すずらん、成長後・胡蝶蘭)>
明石の姫君は、
光ゲンジの ただ一人の娘として、
この上なく良い・かんきょうで育ち、
やがて
帝の お妃になります
むらさきの上に、
明石のおん方は かんどうし、
むらさきの上もまた、
たくされた
この あいらしい姫君を
心をこめて、よう(養)育することで、
「本物のマドンナ」に なれたのでした
(※次回は、秋好中宮です)