「雪の日に読む小説特集 第14弾」
は
去年、直木しょう(賞)をとった
こちらの本
かわごえそういち(川越宗一)の『熱源』です
見るからに、寒そうな
カバーに
描かれているのは、
物語のぶたい(舞台)である カラフト(樺太)。
←ここです(〇で囲んだ・長細い島)
この島で生まれた・アイヌ男性
と、
この島に流刑になってきた・ポーランド男性
を
ダブル主人公として、くり広げられる「最果て文学」です・・
それを、ようやく(要約)すると・・
「明治時代、日本人と同化することを強制されたアイヌと、同時代、ロシア帝国の支配下におかれたポーランド人が、
自らの血に流れる民族のアイデンティティーの危機に際し、ささやかな闘いをいどむ、、」
と
いうような お話です。
タイトルにつけられた、
「熱源」という言葉は、
とう(登)場人物たちに
「苦難の時代を生き抜く熱」を もたせた、
カラフトという島、そのものを
指しており、
なんとなく・ブームが起こりつつある
近代史の、
しかも みんながあまり知らない・グレーゾーンを 取り上
作者の 目のつけどころの良さを
かんじるのですが・・
・・・関西出身の作者から ただよってくる、
どうしようもない・あたたかさは
作品を
北国の読者からすると、
「凍てつくってのが どういうことか、わかってねえべな」
と、
あまちゃん扱い されてしまうこと・うけあいです
それに、、かわごえさんは、史学科出身という
学問上の せん(専)門性から、
ロシア革命に
止まらなくなったのだろうけど・・
「やはり日本人がポーランド人を描ききるには、民族として限界がある」
と、
わが家の歴女(チット)などは
かんじているようでした。
・・
とはいえ「北の辺境に生きる民を描いてみたい」
という
作者のチャレンジと、
がんばって、まとめた・手わん(腕)に 拍手
「作者の熱源」が かんじられる、直木しょう(賞)作品でした
【おすすめ度:歴史に、ある程度詳しい人に。】
ちなみに
アイヌ語で「美しい」を「ピリカ」
と いうのだそうです
北海道のブランド米「ゆめぴりか」は、「美しい夢」っていう・いみ(意味)だったんですね
かわごえさん、
教えてくれて、ありがとうございました
(次回の「雪の日に読む小説」は、辺見じゅんの『ラーゲリから来た遺書』です)