(原題:In This World )2002年作品。ペシャワールからロンドンを目指すアフガン難民の少年の旅路を追うマイケル・ウィンターボトム監督作。2003年のベルリン国際映画祭で金熊賞他3冠を受賞しているが、正直言ってつまらない映画だ。
主人公の少年と彼と同行する青年はパキスタンの難民キャンプでオーディションした演技経験のない素人で、ストーリーもほとんど即興。全体的に限りなくドキュメンタリーに近い出来になっていることがセールスポイントらしい。しかし、こんな手法は10年以上も前からイラン映画が採用し、大きな実績もあげているのだ。この映画が評価されるとしたら、イラン映画の製作方法をヨーロッパ人監督が採用したという「事実」のみだろう。
内容自体は実に退屈で、映画的趣向も作劇のメリハリもなく、あるのは「アフガン難民というのは可哀想だよね」という決まり文句のみ。同様のネタを扱ったイラン映画群とは雲泥の差である。小型のデジタルカメラによる小汚い画面も願い下げだ。
「ウェルカム・トゥ・サラエボ」といい、この映画といい、ウィンターボトムは「戦争難民ネタ」で社会派を気取るのは止めてほしい。個人的には「日蔭のふたり」のようなまっとうな劇映画路線に戻ってもらいたいところだ。
主人公の少年と彼と同行する青年はパキスタンの難民キャンプでオーディションした演技経験のない素人で、ストーリーもほとんど即興。全体的に限りなくドキュメンタリーに近い出来になっていることがセールスポイントらしい。しかし、こんな手法は10年以上も前からイラン映画が採用し、大きな実績もあげているのだ。この映画が評価されるとしたら、イラン映画の製作方法をヨーロッパ人監督が採用したという「事実」のみだろう。
内容自体は実に退屈で、映画的趣向も作劇のメリハリもなく、あるのは「アフガン難民というのは可哀想だよね」という決まり文句のみ。同様のネタを扱ったイラン映画群とは雲泥の差である。小型のデジタルカメラによる小汚い画面も願い下げだ。
「ウェルカム・トゥ・サラエボ」といい、この映画といい、ウィンターボトムは「戦争難民ネタ」で社会派を気取るのは止めてほしい。個人的には「日蔭のふたり」のようなまっとうな劇映画路線に戻ってもらいたいところだ。



