(原題:Phone Booth )2003年作品。軽佻浮薄なプロモーターが、たまたま入った電話ボックスでライフルに狙われる。ワン・アイデアによるサスペンス編で、上映時間も1時間半弱。CGてんこ盛りの大味なアメリカ映画が目立つ中、こういうタイトな作劇に出会うとホッとする。ジョエル・シュマッカー監督も職人ぶりを発揮し、観客を最後まで離さない。
ただし、万全の出来ではない。まず、コリン・ファレル扮する主人公が最初からいかにも“敵の多そうな男”である点はインパクトが弱いと思う。ここは一見平凡で没個性の人物にして、この事件により意外な“裏の顔”が発覚する・・・・という設定にした方が面白かった。
また、ファレルの熱演を強調するあまり、プロットを追う過程がおろそかになっている。おかげでラストに意外性がない。また、そのプロットそのものも特段優れたものではなく、犯人も屈折度が足りない。もっと凄みのある“仕掛け”を用意するべきではなかったか。フォレスト・ウィティカー演じる警部がやたら善人ぶっていたりと、脇のキャラクターも甘い。
映画にするより演劇の方がマッチすると思ったが、シュマッカー監督は舞台演出の経験もあるので、その方法論をスクリーン上でもやってみたかったのだろう。ともあれ「気の効いた小品だが、取りたてて誉め上げるレベルでもない」というのが結論だ。
ただし、万全の出来ではない。まず、コリン・ファレル扮する主人公が最初からいかにも“敵の多そうな男”である点はインパクトが弱いと思う。ここは一見平凡で没個性の人物にして、この事件により意外な“裏の顔”が発覚する・・・・という設定にした方が面白かった。
また、ファレルの熱演を強調するあまり、プロットを追う過程がおろそかになっている。おかげでラストに意外性がない。また、そのプロットそのものも特段優れたものではなく、犯人も屈折度が足りない。もっと凄みのある“仕掛け”を用意するべきではなかったか。フォレスト・ウィティカー演じる警部がやたら善人ぶっていたりと、脇のキャラクターも甘い。
映画にするより演劇の方がマッチすると思ったが、シュマッカー監督は舞台演出の経験もあるので、その方法論をスクリーン上でもやってみたかったのだろう。ともあれ「気の効いた小品だが、取りたてて誉め上げるレベルでもない」というのが結論だ。



