(原題:North Dallas Forty)79年作品。某大学のアメフト部の不祥事が最近話題になったが、そこで思い出したのがこの映画だ。NFLの内幕を描き、勝利至上主義に凝り固まったプロスポーツ界を告発する、なかなか骨のあるシャシンである。
テキサスのプロ・フットボール・チーム“ノース・ダラス・ブルズ”に所属するフィル・エリオットは、この道8年のベテラン選手だが、近ごろは出番が無い。その原因は、ヘッド・コーチの強引なやり方と対立しているからだ。オーナーのコンラッド・ハンターは、自分のチームを優勝させることに執念を燃やしており、コーチや選手が受けるプレッシャーも大きいものになっていた。フィルは以前は嫌々ながらもその方針に従っていたが、新しい恋人との出会いを切っ掛けに、ますますチームと距離を置くようになる。
しかも彼の身体はすでにボロボロで、活躍の場は限られていた。それでも今シーズンのチームは好調で、いよいよ強豪チームのシカゴ・モロダーズと対決することになる。試合後、オーナーから呼び出された彼は、思わぬ事実を知ることになる。元ダラス・カウボーイズのピータ・ジェントが、73年に発表してベストセラーになった自伝的小説の映画化だ。
“敵をぶっ殺してでも、1ヤードを奪え!”という掛け声が飛び交う激しい現場とは裏腹に、オーナー側の下世話な事情が選手達を翻弄する。要領の良い者はちゃんとオイシイ思いをするが、上層部の“空気”を読めない生粋のプレーヤーであるフィルのような者は冷や飯を食わされても仕方が無い。痛切なラストシーンは、観ていて身が切られるようだ。
スポーツ先進国であるはずのアメリカでも斯様な状況が罷り通っていたのだから、ヨソの国は推して知るべしだろう。体育会系というのは、かくも理不尽な世界なのだ。
テッド・コッチェフの演出は力強く、特に試合のシーンは主人公の目線をトレースした迫力のあるもの。主演のニック・ノルティは体重を20キロ増やした肉体改造をしているせいか、盛りを過ぎたスポーツ選手の佇まいをよく再現していた。マック・デイヴィスやチャールズ・ダーニング、ボー・スヴェンソン、デイル・ハドンといった脇のキャストも万全だ。
テキサスのプロ・フットボール・チーム“ノース・ダラス・ブルズ”に所属するフィル・エリオットは、この道8年のベテラン選手だが、近ごろは出番が無い。その原因は、ヘッド・コーチの強引なやり方と対立しているからだ。オーナーのコンラッド・ハンターは、自分のチームを優勝させることに執念を燃やしており、コーチや選手が受けるプレッシャーも大きいものになっていた。フィルは以前は嫌々ながらもその方針に従っていたが、新しい恋人との出会いを切っ掛けに、ますますチームと距離を置くようになる。
しかも彼の身体はすでにボロボロで、活躍の場は限られていた。それでも今シーズンのチームは好調で、いよいよ強豪チームのシカゴ・モロダーズと対決することになる。試合後、オーナーから呼び出された彼は、思わぬ事実を知ることになる。元ダラス・カウボーイズのピータ・ジェントが、73年に発表してベストセラーになった自伝的小説の映画化だ。
“敵をぶっ殺してでも、1ヤードを奪え!”という掛け声が飛び交う激しい現場とは裏腹に、オーナー側の下世話な事情が選手達を翻弄する。要領の良い者はちゃんとオイシイ思いをするが、上層部の“空気”を読めない生粋のプレーヤーであるフィルのような者は冷や飯を食わされても仕方が無い。痛切なラストシーンは、観ていて身が切られるようだ。
スポーツ先進国であるはずのアメリカでも斯様な状況が罷り通っていたのだから、ヨソの国は推して知るべしだろう。体育会系というのは、かくも理不尽な世界なのだ。
テッド・コッチェフの演出は力強く、特に試合のシーンは主人公の目線をトレースした迫力のあるもの。主演のニック・ノルティは体重を20キロ増やした肉体改造をしているせいか、盛りを過ぎたスポーツ選手の佇まいをよく再現していた。マック・デイヴィスやチャールズ・ダーニング、ボー・スヴェンソン、デイル・ハドンといった脇のキャストも万全だ。