元気のたね

ヘルスフィットネススペシャリストの浅田千鶴です  

心の介入

2008-12-25 23:15:38 | 身体
今日で、年内のスポーツ医学センターの勤務が終了し、新年は 7日より、勤務いたします。
今日も、何名かの患者さんが 今年中に「痛みが無くなった!」「身体の調子が良くなった!」と、嬉しいお声を聞きました。
一方、残念ながら 良い結果が得られない方も いらっしゃいます。
その方たちに共通することは 「心の介入」
その尺度は 極端にマイナスであったり、極端にプラスであったりします。


マイナスの場合=身体のシグナルに対して鈍感である

あぐらをかいて、極端に両膝の高さが違うのに、気にならない、気付かない。
例えば、膝が曲がるなど姿勢や関節の形の変化やそれに伴う低下に気付かない。

不整脈が出ても、「お酒は 身体に良いらしいよ」と、お酒を止めない、しかも多量飲酒。
今日も、聞いて驚きました。
その方は 膝痛・腰痛で来られているのですが、いつ、脳梗塞や心筋梗塞を起こしてもおかしくない状況なので、私も エクササイズの指導には 慎重になりました。
御本人は 意外とアッケらかん!?
「先生~ 1月は 来れないよ。 不整脈の検査で入院するんだ~!!」
それが良い~!!!
検査入院が その方にとっての教育入院になれば良いのですが。
身体の形が変わらなくとも、健診の数値の悪化、ましてや不整脈や発作などが起こっても、懲りないんだから・・・。


反対に・・・
心の介入が極端にプラスである人=意思が働き過ぎて、身体の機能を無視してしまったり、意思が介入し過ぎて、運動への間違いを起こす。

片足で立って、片足の股関節を振り子運動・・・
その時、Kさんは 体幹も大きく揺らしてしまっている。
「Kさん、腰から上は あまり動かさないでね。股関節はココですよ。
前は 90度ぐらい上にあがるけれど、後ろは 30度ぐらいしか動かないですよ。」
と言うと、、、
「え~!? 後ろも 90度ぐらい動くと思ってた!?」
思いまちがいの、動かし間違い。

「自分は 事故で、右脚の方が短くなった」と思っている、、でも実は 太ももの筋肉が硬くて、膝や股関節が曲がっている結果、脚の長さが違う・・・ストレッチで筋肉を伸ばせば、同じ長さだよ!!
ってこともありました。
身体のシグナルを間違えて受け取っていたのですね。


片足立ちをする時、、、
「先生、この時、何を考えれば良いですか?」
と聞かれることがあります。
「何も考えず、立つことだけ考えてください。」

ある程度、長時間片足立ちができる人には 足裏の圧の位置や 身体の軸の位置などを指導しますが、数秒しか立てない人には 上記のように特に何も指導しません。
と言うのは ある意味、片足立ちは 脳を使わず、反射機能を使って潜在的な力を引き出したいのです。
片足立ちができない人は 片足で立つ力がないのですが、人間には 火事場の馬鹿力があります。
片足立ちは わざと危険にさらして、この人の中に潜んでいる力を引き出そうという意味があると思います。

反射では 「屈曲反射」をよくご存知でしょう。が 良く知られています。
おばあちゃんが 熱いヤカンに触って、「さっ!!」
「おばあちゃん、そんなに早く動けるんやん!?」
電車の席をとるため、ダッシュするおばあちゃんも・・・
「動けるやん!?」
と、思いますね。

人間というのは 本能として危険にさらされた場合、力を発して自分を守ろうとするのです。
片足で立ち、グラグラすると、どうにかしようと反射機能が働きます。
ところが、グラグラしたとたん、「だめだわ! 膝が痛くなるかもしれんない!? できないかも!?」と、反射を試さず、~かも・・・と、意思を先に介入させてしまう人がいます。

私・・・ゴルフの練習をする時、時々思うんですよね。
「ここをこうして・・・なんて、、、ホウキで葉っぱをはく時、考えてないけど、ちゃんとホウキが葉っぱにあたるよな・・・
何も考えないで・・・それ~!」
案外上手く打てたりするんですよね。子供の上達が早いのは 何も考えていないからかも!?

運動会で、行進の時、足と手が同じになる人も考え過ぎているのかも・・・
交叉性反射というのがあるんですけど、気持ちがその反射を打ち消してしまっているのでしょうね。
スポーツや身体活動は 反射の連続なので、指導者は 余計なウンチクを並べずに、身体の機能をわかって、反射をうまく利用した練習方法やトレーニングを指導すれば、案外スムーズにクライアントが動ける場合があります。



膝の痛みが無くなり、筋力測定の結果も上昇のHさんは まだ20歳代・・・
「先生、デパートを長時間歩くのは 止めておいた方が良いでしょうか?」

「痛くなりそうな身体のシグナルが出たら、その時、考えましょうよ!
 ショッピング、楽しもうよ!!」
限界を自分で作るより、身体に聴いてみようよ。

意思の介入が多すぎる人は 考えずにやってみて、身体の本当の声を聴きましょうよ。
意思の介入が少なすぎる人は 身体に良く聴きよく考えましょうよ。
・・・・・・そんなこんなを言いながら、考えながら、患者さんの運動指導をしています。
今年も、患者さんから色々な事を学びました。
意思のコントロールが 一番難しいところであり、身体あって心あって健康だな~と思います。




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