閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

くるり、くるり

2011-02-03 10:55:42 | 木苺通信

でも、ふと顔を上げてみると、
もう季節の時計は数秒か数分か先に進んでいて・・


「カレイドスコープ」(『青い羊の丘』より)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

魚たちはいるのだろうか

2011-01-29 09:01:12 | 木苺通信

珊瑚のような木の枝の間をくぐって、
冷えびえとした水のような空を、
ゆらゆらと泳いでいったのかもしれない。

「冬の魚たち」(『木苺通信』より)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

光る音と、言葉

2010-09-18 12:00:29 | 木苺通信

中ほどの音には、つややかにみのった果物を隠しておく。
宝石のようなざくろや、濃い紫のぶどうの粒。

 「秋のソナタ」(「木苺通信」より)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

季節はこんなふうに移っていく

2010-09-16 09:29:41 | 木苺通信

夏なんか知らないような顔をして歩いていく僕は、
次の夏が来ることだって信じていない。

 「風工場」(「青い羊の丘」より)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

冷たい夜は遠くなる

2010-03-17 08:37:44 | 木苺通信

 

目覚め、眠り、また目覚める。
その間隔がだんだん短くなっていく。

 「丘を越えて」(「青い羊の丘」より)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

目覚める前に聞いた声

2010-02-18 09:05:09 | 木苺通信

 

頬に触れる空気はきりりと冷えているが、
どこかにちらっと笑った気配もあって、
思わず微笑み返してしまう。

「ハッピー・バースデイ」(『木苺通信』より)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

誰かに呼ばれた

2010-02-10 13:12:52 | 木苺通信

 

思ったよりも軽い。
そして僕の見たことのない材質でできている。
きれいだ。でも、どこか不安な感じがある。

「ディアボロ」(『青い羊の丘』より)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

塔の窓辺で

2010-01-25 15:52:20 | 木苺通信

 

彼女の目は、森の上を飛んでいく
一羽の鳥を見ているが、
彼女の心は、何をみているのだろう。

「夕焼けのむこうの国」(『木苺通信』より)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

An Old Fashioned Love Song

2009-12-09 22:00:09 | 木苺通信

塩、こしょう、あれをひとつまみ、これを少々。
それから何だっけ?
おまじないの言葉ひとさじ。
鍋にふたをする。

「風の月のスープ」(「木苺通信」より)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

音をさがす

2009-11-05 21:25:34 | 木苺通信

 

ときには、葉のおもてを激しく打つ雨。
枯葉を踏んで通る、用心深い動物のひそかな足音。
きのこの傘がひらく音。
木の実が枝から落ちる音。

「木琴森へ」(「木苺通信」より)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする