紫モクレン。
つぼみがほどけ始めると早い。
あれよあれよという間に開いていく。
花が大きいので写真にはうまくおさまりません。
いや、自分が下がればいいのか(笑
りこちゃんがお供だと、何にでも接近しすぎる癖があるんですね。
モクレンの木は成長が早い。
(紫より白モクレンのほうが早く伸びて、高くなる)
ボリュームのある花は、遠目にもすぐわかり、けっして見逃すことがない。
ただし、大量の花びら、大量の枯れ葉が落ちるので、
庭に植えるとなかなか厄介な木かもしれない。
白モクレンのほうは、庭に影が落ちる枝だけ選んで切った結果、
失敗してアシンメトリーの変な樹形になってしまった。
左右非対称でも自然にそうなったものなら釣り合いがとれているが、
この木はあきらかにバランスを欠いており、視界に入るたびに
気持ちがざわざわするので、なるべくそちらを見ないようにしている。
そうでなくても、花は高いところにあり、いつだって逆光で
シルエットになってしまうのです。
プラムのつぼみ。水玉をひとり占め。
ひとつだけ咲いていました。
新聞の折りこみちらしが、毎日たくさん入るけれど、ほとんど見ない。
スーパーの特売も健康食品もユニクロも自動車も要らない。
バスツアーも通信教育もスマートホンも光ナントカも興味がない。
たまに電車の時刻表や、市のごみ収集のスケジュール表が入るので、
それだけ気をつけて抜き出してとっておく。
捨てようとしたちらしの中に、とりわけカラフルな色の写真があった。
園芸店の通販カタログだ。
花もあれば、庭木もあるし、野菜や果物ものっている。
「ひと口めで踊りだし、ふた口食べたら止まらない!
そんな情熱的なおいしさのミニトマト」
ヘンなキャッチコピーについひっかかり、中を見る。
バイオテクノロジーの進歩で、園芸界は大変にぎやかになっているようだ。
子どもが描く絵のデイジーやチューリップ・・もうそんな時代ではないらしい。
これまでになかった色、かたち、聞き慣れない名前。
花は八重に派手に。実はひたすら甘く大きく。
「食感はスイカ、味はメロン」
「驚異の収穫量! すさまじい生命力」(これはカボチャ)
「ありそうでなかったネギとニラの交配種」
「このキンカン、タネがない!?」
「このトマトを傑作といわず何というのでしょう」
「世界最大級!桃より大きいすもも」
中で、「え?」と思ったのは、バイオチェリーと名付けられた果実。
色はプルーンのような紫で、形はプルーンより丸く、中はオレンジ色。
「サクランボと西洋スモモの属間交配種」と書いてある。
属間交配、できちゃうのか。
というところで、思い出すのが、星新一のショートショート。
博士が新種の果物をつくった。
ぶどうとメロンの交配種である。
メロンのように大きな実が、ぶどうのようにたくさんなる
・・という計画であったが、そうはうまくいかなかった。
種から大切に育てた「新種」は、ぶどうのように小さな実が、
メロンのように1個しかならなかったのだ。
記憶だけで書いたので間違ってたらすみません。
この話を、わたしは小さいときに読んで、とても気に入ったのだった。
なぜかというと、その当時、ぶどうは小さいものだったからだ。
巨峰やピオーネといった大粒の品種はまだできていなかった。
マスカットは高級品で、ふつうは黒いベリーA、甲州ぶどう、
デラウエアという赤い小粒のぶどう、そして、種があった。
ジベレリン処理で種なしぶどうを作る技術はすでにあったけれど、
種ありぶどうもまだまだ多かった。
ひとつひとつ皮と種を出さなければならないぶどうは、
幼児には非常に食べにくい果物だと思う。
なにしろ周囲の大人たちが、「種を飲むと盲腸になるよ」とか、
「頭からぶどうの木が生えるよ」とか、いろいろおどすものだから、
うっかり飲みこまないように気を使わねばならず、
閑猫ちゃんにとって、ぶどうは美味しいけど疲れるものだった。
だから、「メロンのように大きいぶどう」というのは
(なぜか閑猫ちゃんの頭の中では、あくまでも「メロン」ではなく、
「ぶどう」なのです)
子ども心にも素晴らしいアイデアのように思えたし、
博士の実験が失敗に終わっても、その素晴らしさは消えない。
欲張っては駄目だね、人の知恵なんて浅はかなものだね、と、
そんなことは、あとからついてくるおまけにすぎない。
ぶどうとメロン、大きさの違うものを左右に置き、
最後にさっと入れ替えることでシンメトリーの構図が作られる。
記憶に残るのは、この完璧なバランス、そして満足感。
小さな器にきちっと詰めて、余りもせず不足もなく、
納得させよろこばせてくれる星新一の職人芸。
ヒサカキの花。
黒い実のほうは見慣れていたけれど、花に気づいたのは初めて。
枝の下側に並ぶので、花数は多いのに、ちっとも目立たない。
これもヒサカキ、かな? 葉っぱはそっくりで、花が赤紫。
まだちょっと寒そうだね。
本日のゲスト
毎年、すみれの花咲くころ、池にしばし滞在されるお客さま。
この時期以外にはめったにお見かけしませんが、
どこでどうしておられるのやら。
本日の「いいね!」
寝相の悪い赤ちゃんに困る猫 (動画)
あ~(笑)
子守りもたいへん。