閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

歩く

2017-01-28 10:18:29 | 日々



入院して3日間、集中治療室にいました。
点滴や管やコードがいっぱいついていて、心電図とか酸素吸入とか、左腕には血圧計、両足には血栓予防のマッサージ器が巻かれ、寝返りもままならない状態。

何度も何度も同じことを聞かれました。
「お名前は? 何月何日かわかりますか? ここどこかわかりますか?」
「一番痛いときを10としたら、いまはいくつぐらいですか?」

夜中でも照明が明るく、いろんな機器の電子音が鳴り、話し声や足音がして、眠るどころではありません。
(もちろん、その間にさまざまな治療をしてもらっているのですが、自分ではよくわからないわけで…)

4日目に、ベッドごとエレベーターで運んでもらって一般病棟に移りました。
一般といっても、血圧計と枕元の心電図モニターがなくなったかわりに、点滴は2本に増えてしまったし、身動きとれない状態は変わらず。

8日目、MR検査室に行くため、車椅子に乗ることになりました。
ベッドに起き上がって、床に両足をおろし、さて立ち上がろうとしたら、あらら…
膝がふにゃふにゃで、ぜんぜん力が入らないじゃないですか。
立つって、どうやるんだっけ? 歩くって、これまでどうやってたんだっけ?
1週間あまり使わなかっただけで、足は本来の職務をすっかり忘れてしまっていたのです。
まるで壊れた二足歩行ロボットみたい。
これには本当に驚きました。

足だけじゃなく、身体全体の、骨、関節、腱、筋肉、それぞれが複雑に微妙に連動し連携して動くことで、ヒトは歩いたり走ったり、できているんだな。
寝ているだけだった赤ちゃんが、立って歩けるようになるって、すごいことだったんだな。

治療と並行して、リハビリプログラムも組まれており、歩行器につかまって廊下を歩く練習を始めたのは10日目のこと。
そのころのメモに「なおったらミモレット食べたい」と書いてあります。
なんで「ミモレット」なのか、もう思い出せない。 

 

コメント
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