閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

読み聞かせ動画について

2020-04-20 11:23:36 | お知らせ(いろいろ)

女優の松岡茉優さんが『なまえのないねこ』の読み聞かせ動画をインスタグラムにUPされました。やさしい声でゆっくり読んでくださっていて、うれしいです。

いまの時期、おうちにいる子どもたちのために、こうした読み聞かせがあちこちで行われていますが、絵本の場合、文と絵それぞれに著作権がありますので、無断で使うことはできません。必ず事前に出版社に連絡をしていただくというルールになっています。わたしのところにも、このところ複数の出版社から、「このような申請が来ていますがどうしますか」という連絡が相次いでいます。
今回の動画は、前もって松岡さんの所属事務所を通じて申請があり、休校期間限定という条件で、正規の手続きを経てUPされたものです。

善意でやっているのだから…一日でも早く子どもたちに届けたいから…手続きが面倒だから…とみなさん思われるでしょうが、ちょっとの手間なので、申請のしかたがわからなければ、絵本の最後のページに出版社の住所と電話番号がありますから、とりあえずお問合せください。
いまほとんどの企業が在宅ワークになっているため、電話がつながらない場合があります。出版社の公式サイトに「お問合せ」フォームがあれば、そちらへ。わたしの絵本なら、閑猫堂にメッセージかメールをいただければ、担当の人に転送することもできます。

申請の必要があるかどうかわからない…という方は、このあたりもご参考に。

日本書籍出版協会 読み聞かせ著作権ガイドライン

絵本が「本」というかたちを離れ、「動画コンテンツ」として無断で、無料で、無制限に広まってしまうことを黙認すると、「本なんて買わなくてもいいや、スマホで見せれば」ということになりかねない。
本が売れなくなれば、もちろん著者も出版社も困ります。が、それ以前に、「誰か知らない人が絵本を読んでいるのを動画で見る」という形が「読み聞かせ」としてふつうになってしまうことを、わたしは良いと思っていません。
おひざの上で、おふとんの中で、大好きな人とくっついて読んでもらいたい年頃の幼い子が、スマホやタブレットを持たされてひとりでほうっておかれる。そんなのは読み聞かせじゃない。でしょう?
申請申請とうるさくいうのは、そういう流れに歯止めをかける意味もあることを、ご理解いただければと思います。

読み聞かせ動画について、わたしが必ずお願いしていることがあるので、ここに書いておきます。
(これは、文章を書いているわたし個人の意見です。他の作家さん・画家さんには、またそれぞれ違うこだわりがあると思います)

・表紙から、必ず裏表紙まで見せてください。本文は一字一句抜かさずに読んでください。(カバーの折り返し部分に入っているあらすじや内容紹介は、読まなくていいです)
・絵本は、内容だけでなく、「本という形」と「ページをめくる動き」も重要な要素ですから、スキャン画像を順番にパッ、パッと映すのではなく、できるだけ人が手でページをめくって見せてください。
<追記:動画編集で、ページをめくるような効果を入れることができるそうです。それでもいいと思います>
・画面内に見開き全体が入るように、絵本のふちが切れないようにしてください。(全体を見せた上での多少のズームは可)
・非営利(それによって利益を得ていない、視聴料や広告収入などがない)の方に限って無料で許可します。それ以外は著作権使用料をいただきます。

早くこの不安な日々が終わって、いつもの暮らしが戻ってきますように。

コメント
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