詩を詩として書くことの気持ち悪さに襲われる
詩はどうして詩になったのか
その大元を忘れた詩は詩なんて呼んでいいものではない
詩を書くって、誰に読んでもらいたくて詩を書くの?
誰に向かってか分からないけど、なんとなく書きたくて書くの?
書くことの意義を知らず書くことに何の意義があるの?
書くことが書くことに収まらず 書くことからはみ出し続ける詩がやっと詩として
その前に一つの言葉として . . . 本文を読む
何か黒く蠢くものがあるなら、それは灰色の月ここなんだって ここなんだって、何度も叫ぶ夜が愛に似て僕の頬を打つなら 僕は愛に応えよう 「僕は叱られて 育ちます」と期待に応えられなかったときでも 僕はきっと誓うだろう 勇気を持って次こそ行けと僕の心に灰色の月浮かんでも、ますます消えない君の光明日へ閉じてゆく瞼がそのままお空の月になっても 月会う人はこの人だったと確かな足取りで歌うでしょう . . . 本文を読む
大きく口を開けた地獄の入り口
生まれた頃からその近くに生息していた
熱さに茹だり 盲目にかまけて
色香にばかり吸い寄せられていた
醜いハエのような思想と
くだらない行為を繰り返し
僕は地獄行きの一本道を突き進んでいた
その間 徒花を咲かせることはあった
だが長くは続かなかった
周囲を見渡す青い目はとことんまで腐り
その腐乱臭で始終嘔吐 . . . 本文を読む
いつの日からか言葉が喉に詰まるようになった
この呪われた喉元を洗い流してみたい
この高い城壁に囲まれた心を救いだす術はないものか
慢心という心の熱さでその水温は鈍く熱せられ その水質は極限まで澱んで 濁り 心はヘドロのように汚れてしまった
あなたと僕の間を流れる小川に沿って
並んで座り
流れのままにその荒れた心を清めたい
その清められた心は人類の大洋へと帰 . . . 本文を読む
頬の上を伝う水色
正直 誰の前でもこうなるわけじゃない
珈琲缶の空いた内側に溜まる寂しさ
かたちに寄り添いたいわけじゃない
もっと内側の 内面の温かさに触れたいんだ
鬼に見つかる前の子供の危うさ
あの妙な心の高ぶりを
今 あの人の前で感じている
僕の内面がさらけ出される前の感覚
あの日の空き缶の中身がこぼれるような
  . . . 本文を読む
とっくに白いワインは僕の身体を駆け巡った
記憶の断崖が君と僕を分かとうとも
ナイチンゲールの泣き声が微かなる未来の光を呼び寄せたように
夜中の走馬灯を絶やさないように夕刻の騎士は街中をさまよい続ける
PCの電源を落とさないまま 落人の思想を蹴飛ばした
何を覚えているのか? 何を追いかけているのか? 未来の白紙はいったい何色へ?
. . . 本文を読む
時がしなだれかかる街の酒場
無知の血を吸いつづける男どもの襟首を掴んで グラグラ揺らす魔女の不敵な笑みが 夕刻の憂いを一瞬照らす
何を警告するの? その幼気な手で… 夜半のカタルシスに寄り添うヨーロッパの少女が
語り始めたストーリーに短く添えられた4レターワード
罪深い君のまぶたに何を重ねよう? 勝負所を見逃さず 滝は惑星のセンスティブな知性を嬲る いつの間にか流れた涙 . . . 本文を読む
ひとつ 光が
線の上 ゆっくり伝って 落ちていく
水を飲むように 未来の首元を撫でた
明日が絡まって走れない僕の姿を君は笑って見てた
そんなもんだよな そんなもんだ
俺はおかしいピエロ
愛の名を呼ぶ時が来たら
きっと朝がゆっくりやってくるときだ
朝が来ない夜を抜けて
君の手を掴みに行くよ
キラキラ 光るPCの画面を
貫いて伸ばされる手は世界の反 . . . 本文を読む
うたた寝がまぶたを落とす空の下悲しみを差し出すと言った少年は懐かしそうに笑う笑い方を忘れてしまったわたしの醜い表情を見て 怖いけど じっと見て裁いてわたしの表情はあなたを笑顔にするためにあるというのにふと昼の時間にするうたた寝に自らの表情を取り戻すそんな夢を見た . . . 本文を読む
冷ます意識石の上に涙は落ち油にまみれた欲望は言う「朽ちろ!」と何も見えなくなったそう嘆く僕の肩にずしりとのしかかる欲望肩から解放しよう少年の頃の確かに空を飛べたあの記憶を頼りに . . . 本文を読む
透明な絶望に手指は透き通って見えなくなる明後日の方から差す光があまりに無情な午後をもたらす時計は砂漠のなかで止まったまま景色を荒ませ荒れ狂う声に秒針を鳴らす解ける前のかすかな羽音を聞き逃さないで、どうか . . . 本文を読む