水面を破壊せよ、上へ昇って

勢いよく水面を破壊する気概で、海面に湧く言葉たちであれ。

連打音

2021年09月23日 17時40分56秒 | 現代小咄

 

 頬の上を伝う水色

 正直 誰の前でもこうなるわけじゃない

 珈琲缶の空いた内側に溜まる寂しさ

 かたちに寄り添いたいわけじゃない

 もっと内側の 内面の温かさに触れたいんだ

 

 鬼に見つかる前の子供の危うさ

 あの妙な心の高ぶりを

 今 あの人の前で感じている

 僕の内面がさらけ出される前の感覚

 あの日の空き缶の中身がこぼれるような

 

 熱さも冷たさも共に生きていく感覚だと

 かたちもないものに想いを寄せ

 生きている

 

 この夜の同じ穴のムジナのように

 共にリズムを鳴らして

 

 好きな人と共にある人生を

 かたちあるものに愛の海を

 咲き零れる花に真の栄光を


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