グルになって
暇になって
覚えたての
水彩画で
奇異な希望の
網を描く
冷房
効きすぎ
真夏の部屋は
ベートーベンさえ
怒り出す
ロマン的な発声で!
夢の向こうで
落ちたおたふくのお面は
ふと目を合わすと
はっきり
えくぼが浮かびあがるのが
解る
. . . 本文を読む
言葉という有限の器に
想いという無限を盛る
ありふれた感傷を表し
すべてへの謝辞を述ぶ
Remember me and my feelings?
雪解け水の仄明かりより生まれる明日は
照らされるべき影をまとって光に揺らめく
そのリズムに彩られた夢想は胸を貫き
ひとつの理想を優雅に照らし出す
. . . 本文を読む
集めた風の重みに耐えかねて
夢が破裂しそうな様子を見せる
飽和した欲望が水曜日に溶ければ
ライム色した君の目が
宇宙を直視する
レベル58になったふたりの経験値は
夜の倦怠へ走り去っていく
僕は相変わらず
集めた風の重みに耐えかねて
嗚咽を洩らす . . . 本文を読む
この言葉には、「論理性」というものが毛頭ない。
なぜ、風が吹いたら「生きねば」と思うのであろうか?
しかし、私たちはこの意味不明な言葉に胸を打たれ、強く共感したりする。
これは、ひとえに風に吹かれたとき、確かに「生きねば」と思えてくる瞬間が、おそらくほとんどの人に訪れることがあるからではないか、と思われる。かく云う、私も例外ではない。どうしようもなく辛い時に、実家の窓から感じた風は、ふたた . . . 本文を読む
いやあ、面白いです。仏陀は確か、「人類は皆、病気である」と言ったと言う話ですが。私も、常に「独我論」的になりがちな性格ではありますが。私という一個人の悩みは妄想なのでしょうか? いつも、不思議に思います。私の悩みは、私のためだけに存在しているのではない。この悩みは、普遍的な者で、他の人がもしかしたら悩まないところを僕が悩んで、その代わりに、僕が悩まないようなところを他の人が悩んで、結果、時が経っ . . . 本文を読む
想定外なもののために必要なのは、物理的な壁より、意識の持ちようではないだろうか? 正直、僕はあまり海は好きではない。好き、というより「畏怖」を以って接するものである。なんだろ、あまりにも強大過ぎて、僕人間一人では太刀打ちできないものなんだという恐怖の方が大きい。僕は、ふるさとは大切にしたいと思うが、まだ東京に出てきてまだ時間が経っていないせいか、あまりふるさとのありがたみを感じていない気がする。 . . . 本文を読む
架空の卓袱台を引っくり返した暁に
凍りついてしまった天国の陰で
興った帝国の狂気がぐるぐる回る
繰り返し唱えられる念仏の
果てしない悪戯に辟易しちまう
僕の純情
は
宇宙を鮮やかに彩り
リベラルな主張を
掌に握り締めて
汗水垂らして
鬼の放屁を
片言で蹴散らす
澄んだ悲しみの亡骸というやつは
いつまでも透明な憎悪を仕舞っているので
僕は慎重にその棘を少 . . . 本文を読む
ビル咲う光景が
まるで夢の砦のようで
人々が行き交う交差点は君の涙で溢れてしまって
そこに鎮座する真っ暗闇は君と僕の心の中で交差をし始め
恐ろしく抜け目のない完全なる神様の計らいで僕らひとつになる
おどろおどろしく
林のように並び立つビルの
その陰でむせび泣いている君が
醜く太った豚の体型に似せられ
並みの人知を超えた仏様の企てによって
僕ら一夜のダンスを共に踊らされる羽 . . . 本文を読む
詩とは、繊細で優美なる愛の囁きである。
そして、素直にして誠実なる真心の言葉である。
と言いたくなる詩である。
「明滅」する、とは
現れては消え、消えては現れ、と近く
うたかたの無常と相通ずる
古くから伝わり、また今でも通用する概念である。
「概念の明滅」 私が思うに、また概念も明滅するのである。
黒子の位置を、「意味深く」覚えているというのはエロティックであ . . . 本文を読む
くだらない世界のなかで
青くキラめく一天の星たちのように
僕は泣き言、戯れ言くりかえす
瞳からは、いつしか聖なる青がこぼれて……、
いつまでも、やむことのないコモリウタが
午前三時の、静謐な部屋にすずろにナガレル……。 . . . 本文を読む
僕ら
今日で
青空を
発見する
おかしいな
二日前も
そんな青空だったはずなのに
気づかないなんてね……
僕らに
目は付いていたんだろうか?
うん
もちろん有ったけど
ただ有っただけ
有ることは
有ることを
楽しんでこそ
有ることに
肉迫してゆけるのさ
ああ
神様に唆されて
僕らはもう一度
あの青空を
発見する
つい
見上げることを
忘 . . . 本文を読む
はっきり言うとさ
本能のままに動くのを続けるのは、
理性を働かしてまともに生きるのと
同じくらい辛いから
だったら、君はどっちを選ぶと言うんだい?
それならば、自由とはつまり
自分をどうドライブするかってことでしょ
不可能なんてないんだ 行動する限り……
. . . 本文を読む
桜散る
青空に
洞穴が
開きまして
君の着る
制服が
月の風に
揺れまして
それは
真っ白な
クレーターの影を
芽吹かせまして
それは
君がくれた
ラブレターを
舞わせまして
ありふれた
砂漠の
オアシスで
君と
僕は
出会ったのです
それは
月の欠片が
ヒラヒラ
舞い落ちるやうな夜でした
淡い恋心は
月影のやうに
この眼 . . . 本文を読む