青く並び立つビルの陰から
顔を覗かせるあなたの赤が
一つ摘まみ上げられた想いのように
今日も危うく生き存えております、夙に
あなたとわたしの拙い額の上に
ラベルを貼っていく幼い風が
夢の表面を這って進んでいきます、赤子のように
手荒く学んだ夜の遊戯も
正しい妄想の果てに
沈んでいきます、なだらかに . . . 本文を読む
浅い夏の夢の終わりに
見え透いた嘘を幾つも重ねていって
罪の爽やかな香りに誘(いざな)われて
愛の朽ちていく浜辺を吹きすぎる風を念う
そおら海が
満杯だ……
色とりどりの欲望と
透明な感情が
絡まり合って
疼き出して
遠く悠久の想像を織り成す糸となる . . . 本文を読む
あの日、僕の脳内のハードディスクに
終生忘れることのないだろう光景が
しかと焼き付けられた
小高い丘に立って
僕は歴史の動く瞬間を目の当たりにして
あっけに取られていた
我が家の目の前には
いつもはとても穏やかに流れる
「大川」と呼ばれる河があった
だがその日は
いつもと変わらぬ
何気ない光景が
そこには
なかった
歴史の大きな歯車が
動き出していくのを
. . . 本文を読む
騒いでいるコックたちが
外で、ニワトリの太ったのを
追い掛け回している
ひとり
また、ひとり
倒れていく
人類の歴史は
かくも浅はかに
終幕を迎える
チリリリリリリリリリイン
インゴもインドアもインセキもすべては落下物
チョルルルルルルルウラン
爆発物には要注意だ!
急っ立てられるように
未だ見ぬ明日へと追いやられる……
. . . 本文を読む
咲き乱れる思想に
真っ白な策略は
しなやかに反駁をし続ける
夢が語る
ひとときの憂鬱を
パリのそれに重ね合わせて
白銀の布地に未来を視る
争うことの本質を
掴み損ねては
悪事を繰り返す
浮き世の天使たち
外へ通じる門扉を
秘密の鍵で開け放てば
本音と建前が行き交う
渋谷のセンター街で
見たこともない
宇宙人同士が
交信を始める
意味を
忌み嫌った
. . . 本文を読む
僕は明日
未見の
暗黒のなかへ飛び込もう
その夢のなかで
僕は
いったいどれくらい
跳ね回れるだろう?
探していた
ひと掬いのアンサーも
見えない欲望と渦になって
未見の明日に紛れて
とぐろを巻いている
夢果てるときあろうとも
きっと消えない閃光がある
彷徨うなかで
手に入れるイシの欠片たちは
ときに宇宙で煌めいて
暗黒の僕の視界を照らす
明りとな . . . 本文を読む
君が瞼を閉じるとき
風が吹いて僕を奪い
春が突然絶滅し、
雪が目の裏側に降り始める
いつまで、そんなことを繰り返す?
どこで、そんな罪深い所業を覚えた?
ひっくり返る、午前2時の妄想も
青い空の向こうへ、飛び去っていった!
信じ込んでいた
新宿駅の地下の呪怨も
夢のなかで
溢れては天国へ連れて行かれる
僕の心情をすくい取るように
君の熱い掌は午後3時に燃えたぎって
. . . 本文を読む