水面を破壊せよ、上へ昇って

勢いよく水面を破壊する気概で、海面に湧く言葉たちであれ。

夜の遅々として、進まぬ行為

2016年06月26日 21時41分43秒 | 詩編
     青く並び立つビルの陰から  顔を覗かせるあなたの赤が  一つ摘まみ上げられた想いのように  今日も危うく生き存えております、夙に  あなたとわたしの拙い額の上に  ラベルを貼っていく幼い風が  夢の表面を這って進んでいきます、赤子のように  手荒く学んだ夜の遊戯も  正しい妄想の果てに  沈んでいきます、なだらかに . . . 本文を読む

夏、解体の季(とき)

2016年06月24日 18時18分03秒 | 詩編
 浅い夏の夢の終わりに  見え透いた嘘を幾つも重ねていって  罪の爽やかな香りに誘(いざな)われて  愛の朽ちていく浜辺を吹きすぎる風を念う  そおら海が  満杯だ……    色とりどりの欲望と  透明な感情が  絡まり合って  疼き出して  遠く悠久の想像を織り成す糸となる . . . 本文を読む

降雪ハードディスク哀歌

2016年06月20日 22時36分37秒 | 震災詩篇
 あの日、僕の脳内のハードディスクに  終生忘れることのないだろう光景が  しかと焼き付けられた  小高い丘に立って  僕は歴史の動く瞬間を目の当たりにして  あっけに取られていた  我が家の目の前には  いつもはとても穏やかに流れる  「大川」と呼ばれる河があった  だがその日は  いつもと変わらぬ  何気ない光景が  そこには  なかった  歴史の大きな歯車が  動き出していくのを   . . . 本文を読む

人類の最期

2016年06月20日 22時36分02秒 | 詩編
 騒いでいるコックたちが  外で、ニワトリの太ったのを  追い掛け回している  ひとり  また、ひとり  倒れていく  人類の歴史は  かくも浅はかに  終幕を迎える  チリリリリリリリリリイン  インゴもインドアもインセキもすべては落下物  チョルルルルルルルウラン  爆発物には要注意だ!  急っ立てられるように  未だ見ぬ明日へと追いやられる…… . . . 本文を読む

百花繚乱にして悍ましい思想たちからの解放

2016年06月20日 22時35分04秒 | 詩編
 咲き乱れる思想に  真っ白な策略は  しなやかに反駁をし続ける  夢が語る  ひとときの憂鬱を  パリのそれに重ね合わせて  白銀の布地に未来を視る  争うことの本質を  掴み損ねては  悪事を繰り返す  浮き世の天使たち  外へ通じる門扉を  秘密の鍵で開け放てば  本音と建前が行き交う  渋谷のセンター街で  見たこともない  宇宙人同士が  交信を始める  意味を  忌み嫌った   . . . 本文を読む

未見を拓いて

2016年06月13日 23時36分07秒 | 詩編
 僕は明日  未見の  暗黒のなかへ飛び込もう    その夢のなかで  僕は  いったいどれくらい  跳ね回れるだろう?  探していた  ひと掬いのアンサーも  見えない欲望と渦になって  未見の明日に紛れて  とぐろを巻いている  夢果てるときあろうとも  きっと消えない閃光がある  彷徨うなかで  手に入れるイシの欠片たちは   ときに宇宙で煌めいて  暗黒の僕の視界を照らす  明りとな . . . 本文を読む

僕の夢の開始

2016年06月13日 23時35分34秒 | 詩編
 君が瞼を閉じるとき  風が吹いて僕を奪い  春が突然絶滅し、  雪が目の裏側に降り始める  いつまで、そんなことを繰り返す?  どこで、そんな罪深い所業を覚えた?  ひっくり返る、午前2時の妄想も  青い空の向こうへ、飛び去っていった!  信じ込んでいた  新宿駅の地下の呪怨も  夢のなかで  溢れては天国へ連れて行かれる  僕の心情をすくい取るように  君の熱い掌は午後3時に燃えたぎって . . . 本文を読む