水面を破壊せよ、上へ昇って

勢いよく水面を破壊する気概で、海面に湧く言葉たちであれ。

朝の回答

2013年01月27日 22時52分34秒 | 詩編
 朝、吹き出したミルクが  4秒半の間 宙に漂う  クロックムッシュのホワイトソースが  パンの中から滲み出てくる    世界が  祝福の拍手を打ち鳴らそう  と その手を目いっぱいに広げる    旅から  帰った番頭は  しみったれたジョークを  口にしながら  「愛は、どこ?」と、怪訝な顔をして、問う。(、なぜ…)    谷の中で鳴くうぐいすは、  嬉しそうに微笑んだ。… . . . 本文を読む

茫漠

2013年01月27日 22時37分43秒 | 詩編
 寂れた、砂漠に  風が吹く  その真ん中で  ぬるい  コーヒーを  飲むだけ    そして  ひたすら  空に輝く太陽を  手のひらで隠して  眠るだけ    総じて  旅の途中の  整理整頓は  面倒だ    砂漠の  真ん中に取り残された  ような  落ちぶれた  生活     どんな  解決もない  非開放な  生活 . . . 本文を読む

男の運命

2013年01月27日 22時26分43秒 | 詩編
 寒空の下  ひとり  男が  満月に照らされて  そろそろ  歩く    その瞳は閉じたまま  夜の闇を凝視している     その男の目が  開くとき   闇がまた別の闇を生む    寂寥が  胸の全てを占め  男は  低い声で呻く   その音は  国道の上を  馬のように  駆け抜けていく  それが  冬の最期を飾るものだった   . . . 本文を読む

孤独から生まれた貝

2013年01月22日 23時38分45秒 | 詩編
積み木のように重ねておいた悩みを 誰かに告白するように 海の中 ひっそりと貝を手に取った 探し回っていたけれど ようやく見つけたよ 寒い日には 雪に降られ 暑い日には ぜえぜえと汗を流して働き 飢えた 子供には おにぎりを分けてやり 暗闇に押し込められていた 孤独は 今、宝箱を開けるように その鍵を開けられて 再び愛として この世に降り注ぐよ なんでもない 愛の唄 . . . 本文を読む