誰知らぬ
欲望を胸に秘め
人で溢れる街路をそぞろ歩くひとりの僕
汚れ知らぬ
ままの存在では居られなくて
流れ出るはずの涙も流れ出なくて
訳もなく苛立つ夜を
何度通り抜けてきただろう?
バカにされるような
行いばかりしてきたわけですが
20代も後半になり
いい加減言い訳も利かない年頃となってきたわけです
そんな僕は
きっと誰であろうと思うことを
思ったりしていて
. . . 本文を読む
すべてを生む母とはなれねども
青を生誕させる唯一つの便でありたい
ありふれたメッセージの端々に
世界の振り向く気配を察知して
リズムを生命に同期させて
どうしようもない日々を彩らせたい!
弱いということを
言い訳にしてはいけない……
我ら生命は迷いながらも
決断をせねばならぬ存在
人生の山
いつか乗り越えよう
その陰から
太陽が昇ってくるような
そんな山を . . . 本文を読む
回せ
回せ
昇天するのみの御身よ!
飛べ
飛べ
思い切り遊びまくって
世の中を緑で塗りつぶしてやれ!
勝て
勝て
日々の糧を調達する術を
身に付けよ!
笑え
笑ってばかりの王国ほど
幸せな場所はない
コール&レスポンスで白馬が駆け寄ってくる純然たる未来 . . . 本文を読む
序文 震災を超えて~『想像ラジオ』が提示した震災後の精神世界~
震災を乗り越える叡智を創造するという文学の挑戦
震災と文学の関連性を巡る一考察~特に東日本大震災と『想像ラジオ』を主たる題材として~
震災に遭遇し、われわれはいったいその未曾有の大災害から何を学んだというのだろうか? そもそも先だっての震災は、いったい何のためにわれわれを襲ったというのか? ともすると「文学」という . . . 本文を読む
宇宙は常に
僕らのささやかな間違いによって
他に類を見ないほどに高度の熱を帯びる
僕が君の体を激しく衝くように
月から涙の痕を消去するならば
やおら音の無くなる世界のなかで
ああ大人になった僕らは
互いにもう一度抱き合う瞬間を
おかしいほどにただ
街を臨む丘に立って
待ち望んでいるように
微かなる青の期待は
僕らの意識の中で溶け合って
真理の音色を奏でる
. . . 本文を読む
微妙な愛情投げ捨てて
過剰な感情熱過ぎて
何もかにもを受け売りで
いなす手つきを物まねて
旅から帰るひとときの
夢破れたゆえの入浴に
勝ち誇った姿の我を見
リーダーシップを執るその歓びを噛み締めた
. . . 本文を読む
暗闇に溶けていく
真夏のテクニック
雪に紛れていく
僕らのタクティックス
閃光のなか
立ち現れる
ふたりの幻想に
雪が舞いかかる
雪の肩に繰り返し舞いかかるのを
確かめては君は
桜桃色の息を吐いた
. . . 本文を読む
並び立つ透明なビル群の
谷間に潜む女神の恥部に
躊躇いもなくアクセスする
僕の今宵のLast Show!
後生だからお止めなさい
って、あれだけ諭しても
言うこと聞かない君の性
を、雪と共に溶かすなら
正反対の欲望が世界を
縦横無尽に行き交って
時を掴んで離さない侭
二人の塒へ帰っていく
. . . 本文を読む
どうしようもなく透明に輝く愛の欠片
それはつまり
ただ君の涙
キュンキュンキュン死に
三時にズキュズキュキュン
夢が剥がれて舞い落ちて
君と夢の断崖翔け落ちて
ドッキュンドキュキュの冬を越え
君と戯れ合う慎ましやかな喘ぎ声 . . . 本文を読む
祈りを繋げる青空を横断するしなやかなその電線の
遥か遠く伝達される僕らの名を持たぬ欲望の流れを
そのまま空へぶちまけたなら
うら若いその青も
波のように揺れ出す夏が来る
踊り狂うような夜を
艶やかに何度も越えてゆけば
ゆっくりと僕らのモーターが
回転し始めるのが分かるだろう
悲しみを纏った風が
今年も3月11日のホームタウンの街角を
駆け抜けていくのなら
眼を閉 . . . 本文を読む