敢えて見ない風景に
重ねたぼんやりとした思想
もしも出会うことがないならば
出会うことがないなりに
朝のあいさつ交わしましょう
夜のあいさつ交わしましょう
夢で見た穏やかな風景が見えるならば
まぶたの奥で輝く太陽
自分の朝に勇気を持て . . . 本文を読む
鳴く蝉の背中に伝う汗
昼間はミーンミン
夕方はカナカナ
ひぐらしの背中に伝う汗を
僕は愛しく攫っていく
今年の夏もいっぱい鳴いた
僕の手の中で震えるように鳴いていた
カナカナカナ……
いつまでもそんな鳴き声で
1日の終わりを奏でて欲しい . . . 本文を読む
真の道は目の前に
考えることを通して現れる簡明な道
ただ一歩一歩たどることでしかたどり着けない場所
そこへ続く遥かなる道は
踏みしめられることを願っている
人間の生きる理由は
きっとずっとずっと切実で
遠く遥か宇宙で僕らの達成は叶うのかもしれず
単なる個人がただの個人にとどまらず
集団に利するときはじめてその個人も潤う . . . 本文を読む
夏、パンツ、砂
相も変わらず君が恋しい
意味不明な鼻唄で、君に笑われて
千年先まで語り継がれる
セピア色の夏を今一度
言葉は海の波のよう
君に囁く枕元で
ただそれは打ち寄せては消える
今一瞬積み重ねた思い出は
髪に揺れる
神の措定などどうでも良く
目の前の事実を積み重ねるだけで今が生きる
君と過ごす夏の合間
君との昼の思い出は
かき氷と共に夜へと溶ける
より一層深い闇へ
君となら潜ってもいい . . . 本文を読む
心からの恵を君に
今流れる川の中から遊び泳ぐ愛しい人の姿を認める
中身のない人はもう黄昏に佇む亡骸
阿呆の奏でるリズムに乗って黄泉へと向かうばかり
ならばまだ
ならばまだその前に
君との歩みを歩みたい
未だに覚めぬ夢のなか
モジモジした文字に行く手を遮られた僕は迷っていた
最後のページに書かれた言葉はかくも儚い
「有意つらつらと浮かぶ浮き世に、理解の灯火立てよ今、熱い逢瀬のながらえる間に立 . . . 本文を読む