詩を詩として書くことの気持ち悪さに襲われる
詩はどうして詩になったのか
その大元を忘れた詩は詩なんて呼んでいいものではない
詩を書くって、誰に読んでもらいたくて詩を書くの?
誰に向かってか分からないけど、なんとなく書きたくて書くの?
書くことの意義を知らず書くことに何の意義があるの?
書くことが書くことに収まらず 書くことからはみ出し続ける詩がやっと詩として
その前に一つの言葉として . . . 本文を読む
高速に乗って
感情が走ったら
今年も始まる初詣
立ち尽くした僕の後方に光るライト
フェイドインしてくるハイエースの残映に重なる手のひらをひっくり返す すると君は惑星を転がす微笑みで夜に再生される
キムチを喉に押しやって
理解の速度を優に超えて
たまに駆け出すスカイラインの背骨が渦巻きのように対向車線を巻き込んでゆく
月は影を揺らし 賭 . . . 本文を読む
朝もやの中きっと見つかる無名の命通りの向こうで泣いているひとりの少女はなんて名だ?世界はまだ朝ぼらけムヤムヤむやっとお目覚めだ理解痛快晴れ晴れ愉快昨日のダンスも夢の中立派にタッパーに詰めてもさ 冴えない色ならピーマンも 炒め直せば良かったのに、と悔やまれてもなお夕焼けだ日々のくすんだ口元にそぅっと髭が生えてきたら悲劇の始まりだとしておこう そうしよう . . . 本文を読む
ホットケーキを焦がさないように質問を考える時間を考える電源OFFにする心臓の夢を思えば急ごうがのろのろ進もうが決心しなければならない日は来ることに思い至るパソコンの海面に飛び込む勇気というよりはその誘惑に駆られ、今夜もその水底へと迷い込んでいくそんな青い日々を黒い罅に置き換えた日常をもう繰り返したくはないさあ明日また闘いに繰り出そう明日はきっと今日よりもいい日だ卵はマヨネーズに変わった僕もまろやか . . . 本文を読む
人は歴史を殺せる
寒さの密室で関係を断ち
寒さのココアで甘さに逃げる
夢見がちな瞳は暗い宙に不安げに浮いて
油の理想は臭い床の上に散る
利益を溢した財布の表情は曇り
新たに埋もれた憎しみの匂いは天空に舞った
了解のタイミングは世界の隅に追いやられ
太古より続く人の温かみは
いとも簡単に闇の彼方へ葬り去られる
そんな歴史を選んでいいの?
人は誰でも簡単に歴史を殺せる
. . . 本文を読む
リベラルなんです!
と、言明したって
夏の空に漂う雲は、
「始めから、おまんら自由やないかい」としか、言わない。
ああ、確かに、そうや
そうやった
あらゆる物事を破壊した神の
その決断さえ、自由ゆえやないかい…
おまんら、それは違うかい? . . . 本文を読む
詩はともすれば
思考の墓場だ
だから、断末魔の叫びのように
言葉が呻いているようにも
見える
だが時として
無造作に積み重ねた文字が化石になることがある
そうすると、否応なく価値を帯びてきて
誰かのエネルギーになったりする
詩はともすれば
光の母である . . . 本文を読む
詩人だって
不安だ
凡人だって
不安だ
言葉で
世界を
表せるかもしれないし
言葉で
世界は
表せないかもしれない
その恐怖や不確かさと
日々闘いながら
むしろ
その闘った痕跡を糧にして
彼は詩を書く
その時
詩人の目は
ぼんやりとしている
かと思えば
いやにギラギラしたりしている
不安と精神の高ぶりが
同時に訪れ
彼はいつも
いったい何を書いたのかを
途端に忘れる運命にある
詩人は . . . 本文を読む
僕は大木のごとき詩人でありたい
詩人になれるのなら
その先端から、言葉を太陽へむけて張り出して
幹はしっかり、ひとところに置いておきたい
自分の地に足ついた根っこから、養分や水を吸収し
他人と持ちつ持たれつな生命でいたい
そんな私の身体は、外側から死んでいくだろう。だが、内部では絶え間なく生の更新が行われ、そんな可愛げのある心も、外部のかつての日の努力が鎧となって守ってくれるだろう。
言の葉は、い . . . 本文を読む
言葉という有限の器に
想いという無限を盛る
ありふれた感傷を表し
すべてへの謝辞を述ぶ
Remember me and my feelings?
雪解け水の仄明かりより生まれる明日は
照らされるべき影をまとって光に揺らめく
そのリズムに彩られた夢想は胸を貫き
ひとつの理想を優雅に照らし出す
. . . 本文を読む