真理は
世界を凍らせなどしない
ただ緩やかな川の流れへ
すべてを導くだけだ
止まるゴールなどない . . . 本文を読む
都会を巡る地下鉄は
まるで女性の曲線路
麗しくうねり街を練る
各駅停車見つからぬ
忘却の果ての駅などない
区間急行報われぬ
希望に溺れぬ鉄路もない
通勤快速駆け抜ける
街の向こうに真実が
ホームの乗換案内で
君は暗号手渡した
僕は吊り革握り締め
奇跡の光で手が濡れる
いつしか線路は照る小川
光る水面が空に揺れ
火照る身体は朝に熟れ… . . . 本文を読む
おそらく、世に言う楽観、なんとかなるさーというスタンスはわれわれが水なら、きっとそうだよねってなる。
で、われわれはある程度水だから、なんとかなるってのは66%くらい、僕らの人生へのエールとして正しさを発揮すると言えそうである。残りは、なんとかせねばならんのである。人間の自助努力にかかっているのである。
とはいえ、パーセンテージを見れば、やはりわれわれの人生は「なんとかなる」の論理の方が、「なんと . . . 本文を読む
たぶんね。
哲学の言葉が、難解なだけじゃなくて、カッコ良いってのにはそれ相応の意味がある。
言い切っちゃえば、哲学用語は難解にしてカッコ良くあらなければならない、よんどころない事情があるのだ。
おそらくそれは、一定程度のカッコ良さを備えていなければ、価値がある言葉かどうか以前に、誰も目を向けてはくれないからだ。哲学が、生き延びてきた背景には、スッゴい当たり前のことなんだけど、なんかカッコ良い、わぁ . . . 本文を読む
新しい世界を
目撃したくて
駆け出した園
僕はいま
大いなる救いを求めている
たとえば君、
僕をできれば
君という檻へ閉じ込めちまってはくれないか?
そうじゃなきゃ
僕は真摯に自分と向き合えない
間違ったら
呼吸のできない
真空へ飛び出してしまいそうなんだ
君という名の檻に閉じ込められる
夢を見ている……
だから僕は
君の視線に絡め取られることを
望んでいる!
と、思った瞬間
実のと . . . 本文を読む
張り裂けそうな空気の袋
僕のなかで臭気を放つ思想を
誰かに引き取ってもらいたい
そもそも僕ひとりの所有物じゃないし
いつからか同期することを覚えた
夜空の月と
果てしない夜の闇と
その向こうの銀河の群れと
それは無意味なことだったんだろうか?
否、それは校庭でそよ風に出会えるかのような清新さを孕んでいる
たとえそれが狂いの序章だったとしても
そよ風にあたる快楽を感じるのに
何の背徳を感 . . . 本文を読む
誰でもいいだなんて、等価で塗れた各々の人生
都会のネオンは隔てなく、夜の街路に際立たせる
波と揺れる人込みの
蠢く会話のいわけなさ
不確定な未来しか
朧げな明日を萌えさせる種子はなく
誰であろうと良かったの?
それは出会った者同士、確かめ合うほか術がない
この身体だけが記憶した
ふたりのダンスは永久(とこしえ)に
惑星同士の衝突が
生み出した夜半の清水の
秘めたる確かな契約は
今宵静かに浴び . . . 本文を読む
遠く冷静さが窓を打つ
現の果てのまどろむ庭に
宛てのない雨が降る
僕は孤独を消費しないだろう
それは氷のように溶けない
解けない謎と同じように価値を持って
あどけない君とダンスを踊るなら
積み重ねた間違いも報われるだろう
荒野の汗を拭って . . . 本文を読む