空を落とした、
と、神様は言った。
僕らの頭上に
何の予告もなしに
嗟呼!
僕らの旅路は
果てを知らず
遠く
海を超えたその先まで
延々と続く
グルグル回る
思考が
ほんとうに
僕が見つめる世界を
グルグルと回す
青が落ちてくるならば
僕は赤を掲げよう
そして黒を受けとめて
真っ白な忘却の彼方へ
われわれは
己が身を投げ出そう
いつかの終わりの宴 . . . 本文を読む
背負うものがあることの
有難さ
遠くへ運んでいかれるばかりの
この移り気な生命を
賛美することこそ
わが仕事
水の流れるこの大地で
僕なんかは母の温かさを感じて
色気を嗅ぎ取る仕草で
世界の陰部を
まさぐる . . . 本文を読む
永遠を象徴するモノなんて
この世にはない
いずれ
この「詩」でさえ
誰かの胃袋に吸い込まれて
じわじわと消化されて
死に絶える
明日を夢見ない若者は
少ないのだろうが
目前に死が近付く生命を
目の当たりにして
怖気付かないワカモノも居ないのではないか?
だからゲンザイ迫る今を
掴み取ることさえあたうのならば
この世界は怖るるに足らずだろう
. . . 本文を読む
憂鬱に現を抜かして
愛を落とした河辺で
君と出逢う
冷涼な風が
ふたりの間を
ひゅるりと吹き抜ければ
僕と君の魂が
青と赤で呼応し合う
暗闇が不意に
ユウグレを駆逐し始め
君と僕は
明と暗の間に溺れて
意識が薄れていく . . . 本文を読む
理屈じゃ、開けない扉がある。
目の前で、何がその扉を開ける呪文なのかを、忘れてしまう。
なんだっけ、なんだっけ、それが思い付かなくて、不安の堂々巡りにはまってしまう。
けれど、それは、悩みぬくでもなく、わかるでもない、何の決心もつかない瞬間に、いとも簡単に開いた。
何か、事が成就する時は、いつもそうさ。何がなんだか分からないうちに、事は進む。 . . . 本文を読む
そこから
始まるんだ
君の一歩も
融け去ってしまう星の
骸から
骨の髄まで
染み込む夜空が
僕へはなむけを
送ろうとする
かくれんぼを
繰り返して
僕は
あどけない魂を
星に預ける
一夜一夜に
舞い込む幸せは
あの日の記憶に
接吻するに違いない . . . 本文を読む
感情が
僕の心臓を
通過して
気分を七色に変えていく
我が故郷の土の匂いの
立ち込める平野で
稀に実る果実がある
せめて
愛を
僕の住む都会に
僕の血と
街の地が
結ばれる機会を
この人生に
与えてくれよ . . . 本文を読む