水面を破壊せよ、上へ昇って

勢いよく水面を破壊する気概で、海面に湧く言葉たちであれ。

見果てぬ虚空

2015年06月20日 20時49分16秒 | 詩編
 空を落とした、  と、神様は言った。  僕らの頭上に  何の予告もなしに  嗟呼!  僕らの旅路は  果てを知らず  遠く  海を超えたその先まで  延々と続く  グルグル回る  思考が  ほんとうに  僕が見つめる世界を  グルグルと回す  青が落ちてくるならば  僕は赤を掲げよう  そして黒を受けとめて  真っ白な忘却の彼方へ  われわれは  己が身を投げ出そう  いつかの終わりの宴 . . . 本文を読む

運命と使命

2015年06月15日 23時49分20秒 | 詩編
 背負うものがあることの  有難さ  遠くへ運んでいかれるばかりの  この移り気な生命を  賛美することこそ  わが仕事  水の流れるこの大地で  僕なんかは母の温かさを感じて  色気を嗅ぎ取る仕草で  世界の陰部を  まさぐる . . . 本文を読む

言葉の魔力

2015年06月15日 23時48分54秒 | 詩編
 永遠を象徴するモノなんて  この世にはない    いずれ  この「詩」でさえ  誰かの胃袋に吸い込まれて  じわじわと消化されて  死に絶える  明日を夢見ない若者は   少ないのだろうが  目前に死が近付く生命を  目の当たりにして  怖気付かないワカモノも居ないのではないか?  だからゲンザイ迫る今を  掴み取ることさえあたうのならば  この世界は怖るるに足らずだろう . . . 本文を読む

ユウグレカタストロフィ

2015年06月08日 15時42分16秒 | 詩編
 憂鬱に現を抜かして  愛を落とした河辺で  君と出逢う  冷涼な風が  ふたりの間を  ひゅるりと吹き抜ければ  僕と君の魂が  青と赤で呼応し合う  暗闇が不意に  ユウグレを駆逐し始め  君と僕は  明と暗の間に溺れて  意識が薄れていく  . . . 本文を読む

理屈じゃなくて

2015年06月08日 01時39分17秒 | 詩編
理屈じゃ、開けない扉がある。 目の前で、何がその扉を開ける呪文なのかを、忘れてしまう。 なんだっけ、なんだっけ、それが思い付かなくて、不安の堂々巡りにはまってしまう。 けれど、それは、悩みぬくでもなく、わかるでもない、何の決心もつかない瞬間に、いとも簡単に開いた。 何か、事が成就する時は、いつもそうさ。何がなんだか分からないうちに、事は進む。 . . . 本文を読む

光る空にて

2015年06月07日 04時25分29秒 | 詩編
 そこから  始まるんだ  君の一歩も  融け去ってしまう星の  骸から    骨の髄まで  染み込む夜空が  僕へはなむけを  送ろうとする  かくれんぼを  繰り返して  僕は  あどけない魂を  星に預ける  一夜一夜に  舞い込む幸せは  あの日の記憶に  接吻するに違いない . . . 本文を読む

感情の街

2015年06月04日 17時55分50秒 | 詩編
 感情が  僕の心臓を  通過して  気分を七色に変えていく  我が故郷の土の匂いの  立ち込める平野で  稀に実る果実がある  せめて  愛を  僕の住む都会に  僕の血と  街の地が  結ばれる機会を  この人生に  与えてくれよ . . . 本文を読む