水面を破壊せよ、上へ昇って

勢いよく水面を破壊する気概で、海面に湧く言葉たちであれ。

暗号の深化

2015年11月30日 21時35分17秒 | 詩編
 浮かばれぬIの求愛に  素知らぬフリのUが振り返り  波間にその姿を晦ます思惟が  寝ぼけ眼で地獄の狼藉を告発して  世界の鋭く尖った理性を  ポッキポキリと折って回り    回りくどい嘘の連続を  何度も乗り越えて  後方で居られるandを  策略と差し替えて  ルイ14世の枕元で  情熱の憎悪を垂らして     有言実行の朝を差し出す . . . 本文を読む

不安な夜

2015年11月29日 22時38分28秒 | 詩編
 暗闇が  背中に触れても  治らない  痛みを抱えている  一緒に  泣いてくれる?  線香花火が  落ちるまでの間に  世界が  僕の両手  さらには両足を  縛って  この言葉を  紡がせようとするように    こんな戯言が  誰のもとへと  届くかなんて  知ったこっちゃない、と  愚痴ることしかできない  夜の一刻 . . . 本文を読む

真っ暗な無知の住み処

2015年11月29日 22時34分57秒 | 詩編
 一歩、いっぽ、探しつづけて歩いては、意味の蒙昧な空想の部屋で独り遊ぶ。空気を胸一杯に吸い込んで、弛んだ日常の醜悪な下腹部にくどくどと愚痴をぶつける、僕は兵隊。日々のくたびれた妄想、その他ありふれた煩悩に嫌気が差して、空中で分解をしていく僕の昼間の想像に、奪いたての真っ白な羽を取り付けては、さんざめく明日の約束に腹を立て、隊列を成して行くものたちへの乾いたエールを、僕は既に夜に置き忘れて嘆いては、 . . . 本文を読む

空気

2015年11月29日 22時32分34秒 | 詩編
 細密な記憶を辿った  今宵の僕は  ただ溶けるほどの  甘い蜜を  貪る  怠惰な羊  風を受けて  戦慄く僕らは  きっと  春にも咲かないサクラみたいに  不条理を叫ぶ獣  楽な人生など  なかったと  でも  これはこれで  満足のいくものだったと  いつか  言えるもんだろうか?  夜が明けるとき  僕は何気なく欠伸をし  手を伸ばし  僕を包み込む大気に  天地創造の端緒を観る . . . 本文を読む

「ただいま」という言葉

2015年11月28日 19時35分39秒 | 詩編
 僕には  それが世界の祝福そのものの様に  心のなかでコダマする  「ただいま」  そのわれわれを安心させる  優しい、温かい言葉。  僕には  君の「ただいま」が必要なんだ  唯、今を生き抜くために  僕ら分裂した意識を接ぎ直すかの様に   . . . 本文を読む

「暇」というモノを手に入れた僕らの「不安」

2015年11月28日 19時34分49秒 | 詩編
 「暇」とは最大の敵だ。  僕らは、それの前では「死人」のように  生命力を失い、黙り込んでしまうばかりだろう。  僕らは「暇」なんてのを、手に入れたから  「苦悩」するのかも知れない。  噫!「暇」はなんで、僕らに与えられたんだろう?  それだから人は「堕落」するんだ!  「知恵の実」を食べた僕らへの「罰」か?  「苦悩」することのできる「知恵」を、  僕らは手に入れた、とでも言えるのだろうか . . . 本文を読む

ザラザラした苦悩

2015年11月28日 19時33分39秒 | 詩編
 ブラウンシュガーを撒き散らしたような  僕の妄想に塗れた茶色い部屋の中で  忘却された日々の鬱屈が  とぐろを巻いて雑然と居座っている  バカみたいな妄想に取り憑かれた  僕の所行は  夕方のくだらない審判によって  裁かれる運命だ  君の瞳に沈んでいく夕陽は  僕らの薄汚い妄想を拭いさっていく様に  不満でいっぱいの僕の日常を  ひたすら真摯に照らし続けているから    僕は間違いの街を駆 . . . 本文を読む

青をまたいで

2015年11月22日 23時16分27秒 | 詩編
 青を飲み干し  宇宙の空き箱に  身をひそめ  ゆうらんひこうを  楽しめば  とめどなき  降雨に  身を濡らし  何気なく  睡眠の湖のうちを  彷徨っては  やおら目を見開いて  訪れる歓喜の渦に  目がくらむ    機を逸しては  ならぬイチゴの  滴る果汁に  徐ろに舌を伸ばし  揺れる不安に  手を合わせ   閉じる闇を  薙ぎ払う   . . . 本文を読む

噛み合う歯車

2015年11月22日 23時15分55秒 | 詩編
 揺ら揺ら揺れる、あの日の木陰、  何食うわけでなく、離散する理想。  ところによりて、嘆く意想の届く先を知る。  計算を徹底して夜にはめ込む、君のムゲンの思考方式に、  カタルシスの到来を待ち呆ける、僕のムゲンの期待意識に、  穂花に嘘が萌えるのが、分かる。  頼りない妄想の残り香が、僕らの未来を塗り潰そうとも、  何度も蘇るタマシイが、その歯車を再度噛み合わせる。 . . . 本文を読む

見えなくとも、聞こえなくとも、正義の滴る音を聞け

2015年11月18日 14時52分41秒 | 詩編
 何かが拓くのを  何も知らずに  何も思わずに  目でもって音を聴く  叫び声のような  亡霊の訴えに  僕は今とばかりに  耳でもってその正体を見ようとする  正義は  何を根源として有るのだろうか?  僕の六腑に染み渡る正義の味は  いったい誰が好むというんだろう……? . . . 本文を読む

無数の祈り

2015年11月18日 14時51分42秒 | 詩編
 真実からは遠く離れた惑星で  困惑しながら  当惑しながら  惑う君  夢見心地の大陸で  夢想しながら  幻夢を見ながら  夢幻を追う皇子  遠くの海は  終夜  消えゆく前の  ささやかな儀式を  執り行っては眠るでしょう . . . 本文を読む

終末にたそがれて

2015年11月18日 14時51分00秒 | 詩編
 終末の影の樹上に立って  浅はかな知恵の実を  じゃりっと噛んだ  五月雨に匿われた  千年前の聖者の呪怨を  聞き逃すな  時を切断して  無分別に接合しても  何も変わらぬ  頑是無い水の戯れに  夕べの果て無き戦いの痕を見た . . . 本文を読む

黄昏を踏み締めて

2015年11月18日 14時49分55秒 | 詩編
 静かに閉じてゆく今日が、漆黒の沈黙に吸い込まれていく    茶褐色の川辺を  混濁した意識なんてやつを、ポッタポッタと、地面に落としつつ  適当にふらつく、黄昏アワー真っ只中……  すべてを  失った僕の意識の中では  牛が唸るように、涎を垂らしながら  誰もが俯いては明々と廣がる空を見上げるような、秋を演出する。 . . . 本文を読む