あなたは
遠くの街へ行ったのでしょう
溶け去ってしまうほどの
魂一つで
螺旋状に巡りめぐる
僕らの夢の傍らでは
オルゴールが
無辺際に
音色を響かせていて
形のない
想いで
この胸が占められては
3月11日は失踪し
あるはずの胸の痛みも
宇宙の闇へ飲み込まれていくように
儚い結末だけを残して遠く未来へ
走り去っていくのでした . . . 本文を読む
東京に居れば
望郷の念に駆られ
即興で何か語ろうとする 僕の
暴挙が人込み分け入って
同業者見つけ出して 過ぎゆく日々
卒倒するほどの
公共の場での プレゼンスを
虚妄のうちに追い求め
度胸を試そうと
同郷の友を思い浮かべ
今日も闘うよ 明日を彩りに溢れた
ものにするべく。
これが僕の生き様
見ててくれ白塗りの殿様
風に吹かれてもお日様
のお出まし待ち続け 御 . . . 本文を読む
そこ
どこ?
夢の場所
空が風呂敷みたいに
押し広げられる
魔
の世界
テキーラをぶちまけて
その青空に
列島の隅から隅まで
ぽかーんと仰向けになって
草むらに転げる奴らばっかり
ぽっくり
ぽっきり
どっきり
赤子のびっくり
乳首の残像
高貴なる青空の残映に
すーっと手を伸ばしたら
奇しくも僕は
今し方終わったRPGの勇者となって
君をダン . . . 本文を読む
ラスベガスで
飲んだくれて
西海岸制覇のつもりで
宵良い酔いで駆け抜ける
誠意を貫く征夷の勢威に
歴史は直せないと開き直る
僕らの誤解が育てた
魔の果実は
夕暮れ時のオレンジの中で
在りし日を思い出すように
川べりに飾られている(捨てられている?(置かれている…
憎悪の果汁で満たされているその果実を
今ガリリとかじるのは、誰?
. . . 本文を読む
水にさらされて
僕はIDOの不思議を
紙に書き留めました
何処にもないメモを
僕はたき火をするために
たくさんかき集めました
怖いほどに透き通った湖に
僕のアイデンティティを
投げ出せば
何にもない精神に
意味もなく灯る火に
皮肉にも
新たに語られ始める物語を発見するのでした . . . 本文を読む
真理にたどり着くためには
真実を多数消費しなければいけない
セロリを噛み千切る君の健康さが
僕を真実から確実に遠ざける
それが本当の天から与えられた恵みだ
僕はカーテンを閉めながら
人びとの行き交う都会の煌めきを
瞼の裏に映しながら
いつもそう思う…… . . . 本文を読む
当たり前が当たり前でないこと
差し当たって君が君以外の何者かである可能性はかき消せないが
僕は横断歩道を渡って
信号が点滅するのを横目で見ながら
すれ違う女性が君であるかもしれないと期待する
宇宙がまだ炊飯器の中で呻いているから
時を早送り再生する6畳の部屋のなかで
僕は透明な視線を漂わせている
. . . 本文を読む
つまりは
僕らに課せられた
任務の数々
真っ黒な林の向こう
開かれた扉へ
迷い込むランデヴー
狭い部屋の
どこかの片隅で
歌われるララバイの
虚無の波形は
あどけなく
霊界に据え付けられたベッドの軋む夕べに
君は幽玄な笑みを浮かべて
僕らの罪業を帳消しにするレクイエムを呟いて舞う
先刻食べ残したりんごがただそのベッドの側で居眠りをしている間に . . . 本文を読む
理解と懊悩の狭間で
揺れ動く君の
したたる叫びが今宵も響く
先行した君の茶色に変色した欲望が
静寂で満たされた寝室のように生温い
古臭い理想なんてありふれた思想の宝石も
うらぶれた質屋に預けて一夜の足しにするくらいが
ちょうど良いものだろうと、 ね
. . . 本文を読む
さあさて安易に語るまじ
ときおり見せる君のウィンクが
数多の欲望撃ち抜いて
危うい旋律奏でます
野蛮な思想は
闇夜に紛れて
独りの部屋で
跳ねて踊り狂っています
黒の時刻を乗りこなすように
世界の全貌を暴き出す君の性が
今宵も好き勝手に乱舞しています
普通とは何か
の問いも真夜中の裏庭の焼却炉へ
放り込んで
泣き顔見せないように
うろつく君の
悲しい情動に
. . . 本文を読む
ラッキーであったあの日の僕を
飴色に仕上げていく風よ
君の腕まくらが
柔らかい
世界を透視する
あなたの眼力よ
月の魔力に
辟易し
唐物を解体するように
夜半の物語は終わる
見よ!
あれがツキウラ
形の果てよ
二十歳の糧よ . . . 本文を読む
泣かないで
辞書に載らない思いが溢れて
いじけないで
形のない幻想にいつまでも束縛されて
拗ねないで
青く揺れ動く儚い僕らの妄想に塗れて
勇気の出所を探っていたけど
それは僕の心の井戸にあって
君の視線が
そして表情が
それを表に出させるきっかけとなることを知った . . . 本文を読む
遠く滝川 青く流れ
唯今、我が内側より溢れ出る言葉を
無にしてほしい
意味が強いる束縛には
心底耐えかねているんだ
なお遠く滝川 若く青く流れ
それは
閉じた眼へも
ひたひたりと浸食してくるようだ
. . . 本文を読む
覚めた瞬間に
やってくる日々の洪水は
夢を彼方へ押し流す
悟った瞬間に
消える煩悩は
あなたを生かすに必要なものだったと気づくだろう
諦めるとは浮かび上がることだと覚えけり
踊ることはただ浮き世の喜びを身体いっぱい表すことと識りたり
忘れることはつまりは希望の光の入り込む隙間となると心得るべし
絶望が開く窓は
何よりも遠く
可能性に満ちた青の海を
我を . . . 本文を読む