真っ青な湖面が
真っ黒に変わる瞬間がある
それはティラピアの大群がその湖面を覆うとき
彼の声を聴くために
湖底から集まったのだ
欲望と禁欲の地平の周縁部に集った様々な民も 彼を囲んだ
いつかここで天使ガブリエルによって
この地で小さな生命を孕んだことを告げられた女が居た事実に
誰か思い至ったひとは居ただろうか?
居ルカ?
語ルカ?
巡ルカ、地球(ほし)を?
幸いアレと降りたった湖畔では
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今は
今は
海岸を走るさざ波のような想い
恋い焦がれ
走るフリーウェイ
夕焼けはいつの間にか
前髪を照らした
路面を撫でながら走る風の手が
君を静かに喘がせる
君の眉毛を写したような
緩やかなカーブの海岸沿いをなぞる未舗装の道
肌を撫でるベッドの上の僕の指先が
君の真っ白な肌を走る中型の自動車
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