水面を破壊せよ、上へ昇って

勢いよく水面を破壊する気概で、海面に湧く言葉たちであれ。

和の導く解

2015年12月17日 06時34分45秒 | エッセイ
 われわれ日本人は
 古来より「和」の精神を大事にしてきた
 
 ある種の構造主義的な思想を
 肉体的に再現し実践している民なのかもしれない

 人間には
 それぞれの分に合った仕事が割り当てられる
 それは
 儒教的な考えによるものだろうか

 いずれにせよ「和」へと辿りつくまでは、
 詮方なく「争い」が起こることもしばしばあっただろう
 
 しかし「争い」は生活の質の向上のために
 行われてきたのであって
 ある程度互いの意見がまとまりそうになってきたら
 「和」の状態になるのが最も望まれるところだろう

 「和」もはじめから皆意見が一致していたわけではないだろう
 ただある程度話し合いおよそ皆の意見を融合させたような結論めいたものが生まれるようになってきたのだろう
 それに責任も誰か一人に背負わせるという酷なことはしないで
 うやむやにしておくのが粋でもあったのだろう

 重要なのは「和」とは、「対話」の末に訪れた穏やかな解である
 よく欧米では「対話力」などと言っているが、お互いの境遇が多様すぎて
 共感するのが難しいから、多くの言葉を交し合う必要が生じてきたのだろう
 「対話」も目指すのは「融和」であり、それはまさしく日本的な「和」である

 僕らは共有する時間が多ければ多いほど、多くを語らずとも分かり合えるようになる
 言葉は、人間が人間に対する「不信感」を緩和させるために用いられてきた緩衝材である

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