水面を破壊せよ、上へ昇って

勢いよく水面を破壊する気概で、海面に湧く言葉たちであれ。

真夏の偽証

2016年07月09日 00時20分32秒 | 詩編
 開け放った窓から吹き込んでくる思想は
 僕らの間違った理想を育むように乱吹く
 何でもない僕らの懐に滑り込むように
 それらは踊って舞って跳ねて花開く

 床の間で眠る幼い頃の僕の影が
 7月の陽光にかき消されて
 いつかの過去を思い出すように
 背中を掻いている少年の姿を映し出す

 夢果てる音が真夏の空に鳴り響いても
 むしろ響きだす蚊子たちの羽音に
 じっと耳を澄まして心浮き立たせる子らの
 幼気な手招きが
 
 僕らの真夏の本能を呼び覚ます……

コメントを投稿