風が吹く
殻を脱ぐ
夢はまだ
青いまま
遠くの通りを進んでいる
ありふれた妄想を手に抱え
息せき切って駆けている
欠けた精神ぶらさげて
今宵もおまんま求めてる
情けないったらありゃしない
心を奪われ
声も失くし
たださまよった20代を
殻を脱ぐ
風は吹く
時はまだ
待っている
街路が呻いている
答えも遠くに擲ち
馬鹿な遠吠えを繰り出しながら
今日も悲しみ携えている
溢れ出すな 透明なものが
溢れ出すな 心に染みる熱いものが
世界は今日も波打っている
僕は白い夕闇を抱えたまま
ポケットから孤独を取り出す
冷えたそれは手をすり抜けて
日々の側溝へと流れ込んでいく
まっさらな妄想は
毒々しくあらゆる色に染まり
見ず知らずの野原へ
流浪しはじめるだけ
僕は茫然と立ち尽くす
明日の見えない雪原で
カタチの見えない言葉を掘り当てる
まっさらな妄想の尽きない火
どこまでも連なる解答の先を行く
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