水面を破壊せよ、上へ昇って

勢いよく水面を破壊する気概で、海面に湧く言葉たちであれ。

風道パラノイアと月光夜話と妖し涙

2018年02月06日 16時39分39秒 | 詩編
ジャスミンの香りの風が吹く、
汚れた欲望の痕跡をたどって、
切り取り線で縁どられている世界の草っぱらの真ん真んなか

格好の悪さも
意地の悪さも
あの小悪魔な笑顔に覆われて
キレイサッパリ
故郷の土の匂いのごとく忘れてしまった

あらゆる比喩が姿を晦ますこの街の灯のなかへ
紙切れ幾枚かの思想を放り込んで
数多の意味を燃やすんだ
もうあの娘の許へなんて行かないように、
もうあの娘の許へなんて行けないように……

さあ
淋しさに悴む両の手で
天の国の入り口を閉じるんだ、
ほの暗い海の底で押し黙る貝に成り果てることを夢見て
真珠みたいに頑なになっちまった心を掻き消すように…

今、破り捨てる!
報われない未来の誓約書とやらを……

そしたら夜半の枕元では
皓々たる月明かりに欺かれた本能を象った一個の寝顔が
安置されるだろう…
ちろちろと一筋の青が伝っている、
人の姿形(かたち)をした妖の貌の上に…。

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