言葉にロックをしてしまい
錠が開かなくなった夜
言葉の旨みもつゆ知らず
駆けだす脳内暴走列車
それは銀河も跨がず
ただ無明の波に揺れる
化けの皮をはいだら
そこには虚しさがあった
ああ あそこに想いがある
開くことのなかった想いがある
言葉として選ばれなかった感情がある
高尚なフランス文学でさえ届かなかった想いがある
高尚だと言われたいのか
どうなんだ?
鍵のかかった言葉は要らない
開けて 開けて 限りなく開かれる本質が言葉の鍵
自己快楽ではない言葉の並びを手に取るように
選び取るように
生半可な自己快楽を超えたほんとうの自己快楽を
胸に思い描いて
溢れ出た言葉は生もので
ついに箸に掴まれることとなった
そのまま口に運んでゴックリと
繋がる手
ふいに訪れた朝
思いもがけず湛えた涙が目にしみる
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