円卓の上で
今
真白の液体が
垂れ落ちようとしている
夕暮れの悲哀を震わすように
現の群れに
独り善がりな思想を
染み渡らせて
遠い過去の遺物に
手榴弾を投げつける
それですべてが
解決するはずだった
だが現実は
そう甘くはなかった
ヒカリの透けるシルクのレースが
まるで僕の欲望を
宇宙の暗黒の中で
優しく包んで匿うかのように
太陽風に靡いては
秘かに押し黙った
今
僕の目の前の
テーブルの上で
たった30cm程の高さから
落下していく
真白の欲望が
今日に限っては
昼の明るさの名残りを見せながら
まるで時を延長させるかのように
スピードを遅めて落ちるばかりだ
それは
何でもない
何の衒いもない
夕方の部屋の光景だ
僕は
その真白な有機体が
一杯のグラスの中へ向かって
落下していくのを凝っと視ている
嗚!
何の変哲もない日々よ!
今、私に、奇跡を、目の当たりにさせて欲しい!
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