水面を破壊せよ、上へ昇って

勢いよく水面を破壊する気概で、海面に湧く言葉たちであれ。

分かち合えない恐怖と踊れ!

2017年12月03日 14時43分09秒 | 詩編
張り裂けそうな空気の袋

僕のなかで臭気を放つ思想を
誰かに引き取ってもらいたい

そもそも僕ひとりの所有物じゃないし

いつからか同期することを覚えた
夜空の月と
果てしない夜の闇と
その向こうの銀河の群れと

それは無意味なことだったんだろうか?

否、それは校庭でそよ風に出会えるかのような清新さを孕んでいる

たとえそれが狂いの序章だったとしても
そよ風にあたる快楽を感じるのに
何の背徳を感じなければならないだろうか?

いつからか競争の虜になっていた僕を
救い出すのは、いつかも吹いたこのそよ風。

そのその風は、ときにあの娘の儚げな黒い光の糸を幾本も揺らすことだってあった

僕は気づく。

無理をしていたのは、いつか君を救い出すために自らが与えた試練だったのだ、と。

走ることをやめたらそれまで。

楽に生きる人生も選べただろう。
でも楽に生きて、そのまま楽に一生を閉じられることなんてあるんだろうか?

競争の恐怖から逃げることができるのは、日曜日と死後だけなのかもしれない……。

悲しいほどに、共生を謳う僕らは競争相手でもある。

どちらが上に立つか、マウンティングなんてのはくだらない行為ではなく、言わずもがなのありふれた競争である。

僕らは悲しくも、それを一生続けていかなければならない。

人と恐怖を分かち合うということは、利害関係を共にするということだ。
だから、全てあけすけに恐怖を他者と共有してはならない。

心に響いた、あの鐘の音を
鳴らすお坊さんの安らぎに、心重ね合わせることも請い願って。





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