水面を破壊せよ、上へ昇って

勢いよく水面を破壊する気概で、海面に湧く言葉たちであれ。

地獄からの便り

2016年08月16日 22時40分04秒 | 詩編
 土を貫徹して
 途端に、地中から、鬼たちが
 飛び出してきた

 「ほれ、君にお便りさ!」
 そう言って、鬼たちは、また
 同じ地中へと帰っていった。

 その手紙には、こう書いてあった。
 (つまりは、人間どものエゴと、虚しい欲望の創造物で、僕らね、息の根が止まりそうなんだ。
  はっきり言って、ことごとく悪を締め出すことなんて、ひとつの罪悪さ!)

 ああ、僕らは、裁かれるために、生きているのだ。ただし、それは、愛の別の姿かもしれない。
 
 何度も、繰り返し、その便りを読むたびに、想い出す、
 僕のなかに「正義」なんてものが育つから、それと共にとんでもないモノが一緒に育ってしまうだなんて。

 嘘に、嘘を、重ねて、僕らは湿ったカードを神経衰弱さながらにめくっては、喜び、遊び、意味のない娯楽にすべての意味を灯らせ、愛と共に土へ還すばかり……。

コメントを投稿