チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
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第43話 フルーツ牛乳

2007年02月25日 | チエちゃん
 学校の近くには必ず駄菓子屋さんもあったものです。

 チエちゃんの小学校の東側通用門に至る小道の脇には、朝日屋という駄菓子屋さんがありました。駄菓子屋というよりは、本当は牛乳屋さんであったのかもしれません。お店の脇には牛乳ビンを運ぶ木製のケースがたくさん積んであったからです。夏になると、かき氷屋さんにもなりました。

 それでも、5円や10円で買える駄菓子がたくさん置いてありました。
四角い箱に入った丸いガムや変り玉、割り箸の先に付いた練り飴、赤銅鈴の助のいも飴、チューブに入った液状チョコレート、ガラスビンの中の串に刺さった酢いか、口の中でシュワシュワするラムネ菓子・・・・
いろいろなお菓子や風船などのおもちゃが当るくじもありました。歌手のブロマイドも置いてありました。

 そして、パンと牛乳もこの店の商品でした。(こちらが主商品だったのかもしれない)
お母さんが忙しくお弁当ができなかった朝、チエちゃんはお母さんからお金をもらい、登校前に朝日屋に寄りパンを買ったものです。
 このお店はポリ袋に入った菓子パンも売っていましたが、おばさんにお願いすると食パンやコッペパンにジャムやピーナッツバターをたっぷり塗ってくれたのです。食パンは大きくて細長いパンをその場でカットしてくれるのです。これをお昼に食べるのが美味しかった。

 それから、牛乳。というより、乳飲料。
コーヒー牛乳も好きでしたが、何と言ってもお気に入りは、フルーツ牛乳です。
淡いオレンジ色をしており、フルーツと名が付いているものの、その頃チエちゃんが知っているどんなくだものの味とも違っていました。
 あの頃は、牛乳はまだビンに入って売られており、紙製のキャップが付いていました。それをおばさんが専用のふた取り器具で開けてくれ、「はい、どうぞ!」と渡してくれます。
 腰に手を当て、一気にゴクゴクと飲みたい所だけれど、滅多に飲めないフルーツ牛乳は奥のテーブル席に掛け、大事そうにチビチビと飲むチエちゃんでした。

 あのフルーツ牛乳、フルーツオレという商品名で出ているのですが、あの頃の味とはちょっと違っています。何処を探しても売ってないのです。
もう一度、飲んでみたいなあ。