先行き不透明で不安感が蔓延している中では、自分の足元をしっかり見定めることが肝要だ。まず、20日には、アメリカ大統領の就任式が行われ、日本でも近い将来、政権選択の選挙が確実にある。
社会環境が厳しい今こそ、高度経済成長時代の遺物である「一億総中流意識」に決別し、21世紀モデルに変換する唯一、最大のチャンスだ。現在起きているさまざまな問題は、ビジョン無き行政の無策に起因しているところも多いが、国民自身の意識改革が遅れている点に負うところも否めない。バブル崩壊後、経済構造そのものが変質しているにも関わらず、国民自身の価値観が、旧態依然としているところに最大の原因があるように思えてならない。
私は、定年前に退職し、現役時代の組織や人間関係と断絶した。残りの人生を「身丈相応にエンジョイする」ためだ。決して悲観的ではなく、充実した生活だったが、昨年暮れに次女がニュージーランド人と結婚した。新たな家族との交流を通じて、進歩的だと思っていた自分の価値観がNZL人から見れば、「井の中の蛙」に近かったと思い知らされた。
そこでまずは、キゥイ・イングリッシュの勉強をすることにした。英語を公用語としている国では、イギリス英語を基本としているのに、なぜか日本ではアメリカ語の影響が大きい。イギリス英語の独特の発音と方言が敬遠されるのかも知れない。オーストラリアやニュージーランドでは、イギリス英語を基本としつつ、それぞれオージー、或いは、キゥイ・イングリッシュの別称がつくほど、変形していて日本人には馴染めない。「65の手習い」(?)になるが、自らを変える、「今が変えどき・変わり時」だと思っている。日本社会にも、あらゆる意味において、今年はパラダイム・シフトが起きそうな予感がしている。