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チケット・トゥ・パラダイス(2022年 アメリカ映画)

2022年11月16日 | 映画の感想・批評
 20年前に離婚した元夫婦(今でも、必要に迫られて会ってもすぐに喧嘩)が、卒業旅行で行ったバリ島で出会った地元青年と結婚すると言い出した一人娘を、思い留まらせようと協力することになるストーリーである。
 元夫婦役には、ジュリア・ロバーツとジョージ・クルーニー。ネット情報だと、二人は、共演5回目とのこと。勝手知る相手で、しかも、二人とも本作品の製作にも携わる。強力なタッグで盤石の体制である。お約束のようなエンドロールでのNGシーンもあり、撮影・製作は楽しかったという感じがひしひしと伝わる。
 その楽しい想いが、全編に溢れ出ていて、銃は一切出てこないし、殺人事件も発生しない。オチも分かるし、それに向けての布石も分かるので、終始、安心して観られる定番ハリウッド映画である。舞台が南国なので、大らかな気持ちでゆったりと観られる点も、良かったかも。
 Wiki情報では、アメリカ公開は、10月21日。中間選挙の話題に尽きないはずのアメリカではどう捉えられるのだろうか。歪み合う相手が、理由はさておき、歩み寄る。1本のコメディ映画だが、今、この時期に製作された意味合いは何なのか。反面教師なのか、諦めなのか。勘ぐり過ぎだろうか。良い意味に捉えたい。
 ビジネスとしては、投資分は確実に回収しなければ成り立たないので、上映回数を増やして、観客数を少しでも高めなければならない。その為なのか、上映時間はコンパクトに104分。その分、人物像を描く点は薄い感が否めない。頑張って学校を卒業した娘が、弁護士になる夢を本当に諦めきれるのか?とか、元夫婦の日常生活等は、さらっと描くだけなので、現実感はない。
 でも、それも含めて、「定番」である。日常のストレスを忘れて、2時間を楽しみたい人は是非お勧め。「あれっ?」と思っても、振り返らない。映画の勢いにのって楽しむべし。
(kenya)

原題:Ticket to Paradise
監督:オル・パーカー
脚本:オル・パーカー、ダニエル・ピプスキ
撮影:オーレ・ブラッド・バークランド
出演:ジュリア・ロバーツ、ジョージ・クルーニー、ケイトリン・デバー、マキシム・ブティエ、ビリー・ロード、リュカ・ブラボー