1994年台北が舞台。予備校「成功補習班」に通う男子3人組は、「成功三剣士」と呼ばれる問題児だった。遅刻、カンニング、ボヤ騒ぎまで起こしていた。卒業後、それぞれの人生を進んでいた3人だったが、当時の恩師が入院したことで、久し振りの再会を果たし、廃校となった母校に潜り込み、懐かしい日々が蘇ってくるのであった。
受験まで残りわずかとなった時期に、成功補習班に代理講師(シャオジー先生)が着任してくる。それが彼らの人生を大きく変えることとなる。形に拘らず、生徒達と真正面から向き合い、心を掴んでいく。ある時、学校側とのボタンの掛け違いで、学校を追い出される形になってしまうが、その後も、3人とは繋がっていた。
ちらしから受けたイメージとは全然違っていた。“青春映画”だと想像していたが、取り上げているのはLGBT。男女の恋愛からスタートするが、上記3名に1名加え、四角関係の入り組んだ構図に展開していく。所謂“青春映画”の懐かしさと寂しさを感じられると思っていたので、裏切られた感を抱きつつ、今の時代に合わせた題材かと理解した。「本当の自分」をどうさらけ出すのか、自分でもどう表現してよいか分からないモヤモヤ感、その悩む姿がとても丁寧に描かれていたと思う。その過程では、誤解が付きまとう。それを解決しようとすると、更に、誤解が深まる。それを解消していくには、時間を掛けて正直な気持ちで少しずつ前に進むしかない。でも、それが中々出来ない。そのどうにもならない気持ちは青春時代と通じるかもしれない。
性別に関係なく、その人その人の内面と向き合う。自分はそれが出来ているのだろうか。男女の違いはどうしてもある。体力的な違いはもちろん、その違いを理解した上で、その人となりを理解する。でも、そんな簡単なことではない。劇中の予備校経営者(父親)のエピソードはそれを表していた。彼から見る息子の変化にはかなりの葛藤があっただろう。ハッピーエンドにはなっているが、そうならないケースもあるだろう。パリオリンピックでもその違いが話題に挙がったのも記憶に新しいところであり、様々な意見や考えが混じり、そう短期的には解決しない、もしくは、解決という選択肢はなく、試行錯誤しながら、進んでいく課題ではないだろうか。
京都では京都シネマで2週間の上映だけだった。今後、所々で上映が行われるだろうか。そういったタイプの映画のように思う。小規模作品だが、地に足を付けた作品だった。
(kenya)
原題:成功補習班
監督:ラン・ジェンロン
脚本:ラン・ジェンロン、ダニエル・ワン
撮影:アホイ・チャオ
出演:ジャン・ファイユン、チウ・イータイ、ウー・ジェンハー、シャーリーズ・ラム、ホウ・イェンシー
受験まで残りわずかとなった時期に、成功補習班に代理講師(シャオジー先生)が着任してくる。それが彼らの人生を大きく変えることとなる。形に拘らず、生徒達と真正面から向き合い、心を掴んでいく。ある時、学校側とのボタンの掛け違いで、学校を追い出される形になってしまうが、その後も、3人とは繋がっていた。
ちらしから受けたイメージとは全然違っていた。“青春映画”だと想像していたが、取り上げているのはLGBT。男女の恋愛からスタートするが、上記3名に1名加え、四角関係の入り組んだ構図に展開していく。所謂“青春映画”の懐かしさと寂しさを感じられると思っていたので、裏切られた感を抱きつつ、今の時代に合わせた題材かと理解した。「本当の自分」をどうさらけ出すのか、自分でもどう表現してよいか分からないモヤモヤ感、その悩む姿がとても丁寧に描かれていたと思う。その過程では、誤解が付きまとう。それを解決しようとすると、更に、誤解が深まる。それを解消していくには、時間を掛けて正直な気持ちで少しずつ前に進むしかない。でも、それが中々出来ない。そのどうにもならない気持ちは青春時代と通じるかもしれない。
性別に関係なく、その人その人の内面と向き合う。自分はそれが出来ているのだろうか。男女の違いはどうしてもある。体力的な違いはもちろん、その違いを理解した上で、その人となりを理解する。でも、そんな簡単なことではない。劇中の予備校経営者(父親)のエピソードはそれを表していた。彼から見る息子の変化にはかなりの葛藤があっただろう。ハッピーエンドにはなっているが、そうならないケースもあるだろう。パリオリンピックでもその違いが話題に挙がったのも記憶に新しいところであり、様々な意見や考えが混じり、そう短期的には解決しない、もしくは、解決という選択肢はなく、試行錯誤しながら、進んでいく課題ではないだろうか。
京都では京都シネマで2週間の上映だけだった。今後、所々で上映が行われるだろうか。そういったタイプの映画のように思う。小規模作品だが、地に足を付けた作品だった。
(kenya)
原題:成功補習班
監督:ラン・ジェンロン
脚本:ラン・ジェンロン、ダニエル・ワン
撮影:アホイ・チャオ
出演:ジャン・ファイユン、チウ・イータイ、ウー・ジェンハー、シャーリーズ・ラム、ホウ・イェンシー